奥武蔵ハイキングその22(レンゲショウマ探し)

年月日: 2016年8月19日(金)

行程: 堂平山〜七重峠〜笠山神社〜笠山神社下の社〜森林管理道・栗山線で七重峠復帰〜堂平山

車のレンタル期間が1日余っている。体はどこも痛くないが、先日の鳥海山登山で過度に発汗したのが原因で上唇にヘルペスを発症したばかりだ。無理はすまい。軽く奥武蔵で植物観察することにしよう。

8月はレンゲショウマの開花期。御岳山に行けば容易に鑑賞できるのであろうが、人の多い奥多摩方面は嫌いである。暑くて汗ぐしょぐしょになった体で電車に乗るのも億劫だ。どの花も同じ容貌なのだから数は問題ではない。一輪でも良いから自然に近い状態で生育する姿を見てみたいものだ。過去にレンゲショウマを見た場所はいずれも栃木県で、林道によって少し空間が開けた場所であった。ネット情報によると、奥武蔵のポピュラーな場所にも存在するようだ。詳細な情報は敢て仕入れずに行く。

ときがわ町を進んで堂平山に向かった。全般的に道が狭くてとても怖い。早朝だから面倒なことには出遭わずに済んだが、帰りは別のルートにしよう。

朝8時前に堂平山到着。雨脚が強く、しばらく止む気配がない。寝不足なので静かな駐車地で寝て雨が上がるのを待つ。徐々に雲がとれて日差しが出てきたので出発。ぬかるみは無い。濡れた岩で滑らないように注意すれば歩くのに支障なし。お目当ての植物を目にしないまま七重峠まで下りてきてしまった。

画像
ヤマジノホトトギス


他にもうやることが無いのでとりあえず笠山神社まで行ってみる。いつも登山者がたくさんいて落ち着かない場所だが、今日は誰もおるまい。その期待通り、ツクツクホーシの声が聞こえるのみ。青空が覗いて雰囲気良し。神社の木陰でそよ風にあたると心地よい。

画像
笠山神社


笠山神社参拝登山コース図のコピーが10枚ほどクリアケースに入れてあった。神社前の鳥居の方角(栗山)方面に下っていけば笠山神社下の社に至るらしい。これが正式な参拝道と思われるが、笠山神社参拝登山コース図に示された破線は何故か住吉神社から小川町・東秩父村境界尾根を辿って萩平から登る外秩父七峰縦走コースに合流している。笠山神社下の社から七重峠に戻るには川沿い道と笹山経由の道の選択が可能。眼下に笹山が見えているので笹山経由で戻るつもり。十分に熱冷まししてから下り開始。

笠山神社の参拝道は危険個所無く歩き易い道である。

初めて見る植物があった。葉っぱの形がヤマシャクヤクに似ている。しかし、ヤマシャクヤクの花の構造ならこんな実の付き方はしないだろう。実が黒い点はルイヨウショウマに似ているが、穂状ではないし葉っぱの形も異なる。”黒い実 8月”では条件が広すぎてそれらしき画像がヒットしない。画像検索エンジンはまだまだ精度が低く、その精度の低さが逆に好ましい結果をもたらすことがある。ヤマシャクヤクの実の画像を検索していたら、お目当ての植物の画像が紛れ込んでいた。検索ロボットが取得したヤマシャクヤクのページにたまたま掲載されていた別の植物の画像にヤマシャクヤク関連のスコアが付与されたらしい。名前はルイヨウボタン。まあ、当たらずとも遠からじ。ルイヨウシャクヤクとでも表現するのがふさわしいように思う。花は黄緑色で地味。

画像
ルイヨウボタン


青空が一気に広がるかと思われたが、水蒸気を含んだ大気の上昇で新たに雲が発生しつつあった。神社から400m超下ってから堂平山に登り返すのだから短時間では戻れない。下ったのはまずかったか?

下の社は昔からここに在るのだろうか。普通の植林斜面にポツンと存在し、古い参道は見当たらない。社務所相当の建物がある分、頂上の神社の方が立派に思える。

画像
下の社


森林管理道・栗山線に出て七重峠方面に少し進むと延命水が在り、車で水汲みに来た人たちが水汲み場を占有していた。あきらめて先に進むと、もうひとつの水場在り。こちらが本家かもしれんな。おかげさまで脱水症状にならずに済むわい。

頂上に案内図があったのだから帰路となる登り口の案内もあると思い込んでいたら、どこにも案内はなかったし、それらしき入り口も見当たらない。笹山なんてどうでもよくなってずっと勾配の緩い森林管理道・栗山線を歩いて行った。

自生のホオズキ
七重峠の案内図


笹山の七重峠側入り口はどうなっているのだろうと思い覗いてみると、意外な表示に面食らった。

画像


地権者が立入りを禁ずと言うなら問題ないと思うが、頂上を借用している人達が山全体立入禁止にする権利はないのでは?きっと上昇気流を捕まえやすい場所なのだろうけれども、ラジコン遊びに興味ない小生には理解できない行為だ。

ブログに掲載した原文がクラブに対する誹謗中傷めいた表現であったことから、後日、笹山RCグライダークラブ代表のコンノ様より丁寧なコメントをいただきました。立ち入り禁止となった経緯をご紹介するためコンノ様からいただいたコメントを以下に併記させていただきます。

Yoshi様はじめまして、笹山RCグライダークラブ代表 コンノと申します。 笹山で検索していたところ「奥武蔵ハイキングその22」に行き当たり読ませていただきました。せっかく笹山を目指していたところの立ち入り禁止措置、楽しい気分を壊してしまい申し訳ありませんでした。 以前はハイカーの皆さんにも自由に登っていただいたのですが、看板に書いてあるとおり問題が発生し仕方無く関係者以外立入禁止としました。 詳しく言うとクラブ員不在時での備品の投げ捨てがあり、クラブ看板がへし折られ谷へ投げ捨てられた事があります。その他ゴミのポイ捨てや地面に直でのたき火など。それ以外の理由として無人機航空法による規制で部外者が近くにいる場合は着陸できない問題もあります。また、看板に書いてない理由として部外者が勝手に入って事故を起こした場合(着陸台からの落下、備品を触ってケガ等)での自己責任の明確化の意味を込めて立ち入り禁止看板設置があります。 以上の理由により笹山山頂は立入禁止といたしました。 立ち入り禁止措置は地権者にも事情を説明し同意を得ています。 基本的に関係者以外立入禁止となっていますが、山頂のクラブエリアまで知らずに登って来たハイカーにはクラブ員がいる場合に限り立ち入りを許可しています。 看板を見過ごしてとか、あるいは違うところから取りついて看板を見ずに山頂手前まで登って来たハイカーを禁止だからと追い返すのは申し訳無いので立ち入りを認めています。その場合は立ち入り申請書に住所氏名連絡先を書いてもらい一時的な関係者とみなし、エリア内での行動は自己責任としていただきます。ただこの事を知らせる表示は山頂のクラブエリア手前にしか無いのでたいていの人は登り口であきらめるようです。 長々と書きましたが、私たちの方もハイカー排除は本意では無く状況的に仕方無くおこなった事なのです。 禁止措置になる以前、ハイカーが登って来ては私たちと親しく話をしたりグライダーの飛行を見て感心されたり、いろいろ聞かれて説明したりしていました。 笹山は展望が良くお昼の休憩地には良いということで登って来られるようですが、その場所を事情により立入禁止とした事には申し訳無く思っています。どうかご理解ください。

心配していた入道雲の発生はなかった。堂平山からの眺めは格別である。

画像


で、肝心のレンゲショウマはというと、かろうじて1輪だけ見つけることができた。

画像


レンゲショウマ鑑賞が目的なら御岳山で十分である。わざわざここに来る意味は無いと思う。

軽く歩くつもりであったのに、全身汗ぐしょぐしょ。白石峠、定峰峠、小川町経由で帰宅。.

山野・史跡探訪の備忘録