田代山(高原山)(2005年10月)

年月日:    2005.10.29(土)

行程:     歩行開始・標高約370m(15:23)〜 山頂・標高513.2m(15:50)〜 帰着(16:13)

関連記録@ 2005-11-13 八方ヶ原(高原山)越えルートの探索その1

会津西街道には幾つもの脇街道があった。今尾頭道を経て上三依から小滝宿に運ばれた物資の運搬ルートには、塩原渓谷を抜けて関谷宿に抜けるルート以外に、八方ヶ原越えのルートがあったとされる。塩原側の道は現在の前山・八方ヶ原線歩道(八方ハイキングコース)そのものであったはずだ。一方、現在の矢板市方面は比較的勾配が緩く、田代山のある尾根も降り口の一つであった可能性がある。

田代山は植林されたつまらない場所という先入観があり、なかなか訪れる気にならなかったのだが、秋の塩原を満喫して気分が乗っているので、ついでに高原山で唯一未訪の場所に立ち寄ることにした。

宇津野から山縣有朋記念館に向かう市道を進み、唐滝沢を渡って次の交差点で右折し道なりに進む(矢板那須線の標高300.2mポイントから真っ直ぐ西北西に進んでも同じ所に行き着く。)。道は未舗装となり、浅い谷間の車一台がやっと通れるくらいの荒れた林道を進み、Uターンできる所で車を停めた。

出発点の具体的な場所を特定できないのだが、国土地理院のウォッ地図によると北緯36度53分40秒,東経139度53分12秒の辺りではなかったか? 空には雲が低く垂れ込めて暗いスギの植林の中は薄気味悪い。林道北側を高みに向かって適当に登り始める。スギの植林地帯の中に松や雑木の藪の一帯があり、この際に沿って進むと現在進行中の伐採地に出た。伐採地の中には作業道が縦横に走っており、これを辿って適当に高みを目指す。ここで予期せぬ馬頭観音と出遇う。この日一番のお宝発見。文化十四年(1,817年)十二月吉日とある。

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馬頭観音  15:32


やや勾配が急な場所を作業道を伝って登り、作業道終点からアズマネザサやスズタケの生える雑木藪の尾根に入る。雑木藪には踏み跡があるようなないような。半分程度は笹原を歩けるが、徐々に濃くなる雑木藪が鬱陶しい。左手の浅い谷のスギの植林地帯に逃げて失敗。こちらは猛烈な茨と蔓の藪で、なかなか進めない。山頂と思しき場所の寸前が激藪で、暗い植林の中で気分最悪。

激藪を抜けるとそこには林道があった。これをわずかに東に辿ると、道横に山名板が掛かっていた。

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田代山三角点  15:51


林道を辿って少し東に下り、道と別れて浅い植林の谷を渡り、登りの藪尾根に復帰。だいぶ暗くなってきたので急いで戻る。

もう一回同じ道を辿れと言われれば完璧に再現する自信があるのだが、地形にあまり特徴が無く、地図も方位磁石も持たずに適当に歩いたので、地図上で歩いたルートが特定できない。山頂を貫く林道(作業道?)の存在を知らないと、とんでもない茨と蔓の藪を突破しなければならない。歩いているときは「畜生、二度と来るか、こんなクソ藪山!」と毒づいたのであるが、後でよく考え直してみたらなかなか興味深い場所であることに気づいた。この尾根は昔の八方ヶ原越えに使用されていた可能性があるので、次回訪問時は尾根伝いに八方ヶ原を目指す。

山野・史跡探訪の備忘録