黄金沢林道〜大鳥屋山〜小川沢林道(2006年1月)

年月日:    2006.01.22

石裂・黄金沢林道入り口近くから出発・標高約300m(10:09) 〜 黄金沢林道峠の切り通し・標高約600m(10:44) 〜 小川沢林道・峠の切り通し・標高約610m(13:28) 〜 車に帰着(14:31)

関連記録@ 鳴蟲山登山(2004年1月)

参考記録:帰宅後に調べてみたら、日光稜線紀行のstarionさんがほぼ同じコースを歩いていました。写真と地図付きで詳細に記録されています。

健康診断まであと2ヶ月しかない。寒くても運動せねばならぬ。気乗りがしないのだが、久し振りに良い天候に恵まれるとのことなので今年初めての山歩きをすることにした。どこか安全且つ面白そうな場所は残っていないだろうかと道路地図を眺めていると、鳴蟲山から石裂山までの周回コースが候補として浮かんできた。植林だらけの山域だが、伐採地が多くて明瞭なピークもあるので、月山から北側の光景を眺めて以来、いつかは歩いてみたいと思っていた。鳴蟲山には2004年の1月に黄金沢林道を歩いて峠から尾根伝いに登っている。よって、今回は峠から逆に辿って行ける所まで行ってみる。

夜遅くウォッ地図から情報をダウンロードして周回用の地図を準備していたので、朝寝坊。出かけようとしたら西の空模様が怪しいので、天気予報を確かめていてさらに時間を喰う。現地に到着した時は10時を過ぎていた。おそらく時間的に周回は無理。それでも運動不足解消のために出発。

この林道を歩くのは2年振り。相変わらず入り口が封鎖されていて一般車両が入り込むことができない。このため不法投棄が無くきれいな状態が保たれている。途中で一回大きく折れ曲がる。山肌に林業関係者用のコンクリート製階段があるので、植林地を直登して近道。

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黄金沢林道峠の切通  10:44


黄金沢林道峠の北側では法面工事が行われていた(当日は休み)。主尾根を切り通す峠から取り付くことはできない。北側に回れば取り付きがあったらしいのだが、来た道を数百m戻って南側から取り付いた。取り付き地点には小さな赤テープが付いており、以後、小川沢林道の峠まで赤テープが点々と在る。だいぶ峠から離れた場所で取り付いたので、starionさんの記録にある最初の石祠は見ていない。

718mピーク東方の590mピークへの登りの途中に岩場があり、そこで予期せぬものと遭遇。岩壁の下に東側を向いた石祠があり、その手前に献灯がある。当時ここまで重量物を運んでくるには地域の集団もしくは結社の厚い信仰心が支えとなっていたはずだが、今では祀る者が絶えてしまっている。石祠の中には木彫りのご神体が納められていた。鳴蟲山以外にこの山域で信仰の遺跡を見ることができた喜びもつかの間、デジカメのバッテリー切れに愕然とする。写真を撮る必要が無くなったし、方位磁石と腕時計も忘れたので、久し振りに余計な事を考えずにミツバチスタイルでガンガン歩くことにした。天気が良いし、地形も判りやすいので、地形図はたまにザックから取り出して見る程度で良い。

地図を見ないで歩いていたので718m手前の鞍部を跨ぐ破線の存在には気づかなかった。鞍部の石裂側植林地に作業道が上がってきており、これを辿れるのかと思ったらすぐに終点となる。718mピーク北側は伐採・植林したばかりで眺めが良い。お天気山〜両ノ手山、鶏鳴山等が一望できる。ただ、鹿避けネットの際は明るいので茨が繁茂していて歩きにくい。699mピークはあまり眺望が良くない。登りは岩がゴツゴツ、次の鞍部への下りはやや傾斜が急だが、危険は無い。上久我から延びてくる破線に相当する踏み跡は存在しない。鞍部を跨ぐ破線も見当たらないが、鞍部西側直下には林道の終点がある。帰りのオプションルートを確保したので安心。

鞍部から間伐材が転がるやや急な斜面を登ると、マツが生える薄っぺらな岩ゴツゴツの尾根を進む。当然のことながら眺めは良好。人も獣も歩く場所が限定されてしまうので、踏み跡はしっかりしている。一箇所だけ岩場を巻くが、それ以外はなだらかで安全且つ快適。順調に811.3mの三角点ピークに近づく。広大な植林地帯であるためシカの生息数は少なく、新しい糞を一箇所で認めたのみ。

811.3mピークには名前があるのだろうとの期待通り、2002年11月においらく山岳会が設置した『大鳥屋山』なる山名板在り。中高年の団体様がぞろぞろこの尾根を歩いている様子を想像してしまった。三等三角点に腰を下ろして昼食中に北西から冷たい風が吹き付けて体が冷えてしまった。休憩もそこそこに先を急ぐ。

811.3mピークからの下りは少し注意を要するが、地図を見ていれば問題無い。地図の破線まで降りたら、そのまま破線沿いに歩く。尾根上には道形らしきものがあるが、昔の峠道なのか植林時の作業道なのかは判らない。破線が屈曲する680m級のなだらかなピークで破線と別れ、確実に連絡尾根に乗り、舗装林道(小川沢林道)の切り通しに出た。

歩き始めてからまだ3時間強で疲れも無い。次に進みたいところだが、時間的に無理があるので舗装林道を歩いて帰ることに決定。林道沿線は全てスギの植林地帯だが、手入れが行き届いているし、陽射しがあって明るいので気分爽快。寄栗の林道起点には「右 古峯山」と書かれた石の道標がある。地図の破線は昔の古峰ヶ原詣での道の一つであったということなのだろうか。県道240号線は走る車もまばらで、荒井川沿いの静かな雰囲気を楽しみながら帰着。

植林地帯ではあるが明るく眺望も良い。危険箇所も地図を頻繁に見る煩わしさも無い。スリルやルートファインディングの楽しみを追求する人には物足りないかもしれないが、安全と快適さを求める人にはお薦めのコースである。

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2006/01/28 小川沢峠から見た光景(中央が大鳥屋山)


山野・史跡探訪の備忘録