表男体林道(野州原林道)・裏男体林道(志津林道)(2006年9月)

年月日:    2006年9月3日(日)

行程:     丹勢の社宅地(8:20)〜裏見の滝分岐(9:36)〜丹勢山(10:35-11:00)〜三人立河原(11:59)〜薬研堀(12:21)〜志津林道に入る(12:51)〜志津乗越(13:20)〜丹勢に帰着(15:25)

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野州原林道・標高約1450m   11:19


土日に天気が安定するとのことで、泊りがけで山歩きと意気込んだのだが、山歩き用の衣服を洗濯してなかったので土曜日は終日何処にも行かずじまい。日帰りで行くのはもったいない気がして、少し嗜好を変えて久し振りにMTB利用して林道歩きをすることに決定。MTBを押して表男体林道を歩き、志津乗越から快適に舗装路を下る計画。ついでに丹勢山にも寄ってみる。

9月3日朝早く起きることができず、自宅を出発したのは7時近かった。晴れてはいるが、清澄度が低く山々の姿が見えん。今市まで行くと日光の山々がくっきりと見えるようになった。男体山の山頂がわずかに雲に隠れているだけ。予定決行である。車は丹勢の高台にある古河電工の社宅地に置いていく。お化け屋敷のような場所なのだが、結構車の出入りが多く、住んでいる人は少なくないようだ。ゴミ置き場の横の空き地に車を置かせてもらい、MTB押してスタート。

最初はスギ林の中に九十九折の舗装道路が標高1,000m辺りまで続く。昔から利用されていた山域らしく、旧い林道跡が残っている。

途中で追い抜いていった一台の車が沼の平分岐に停まっていて、一組の男女が山歩きの準備中。沼の平経由で丹勢山に登るのかもしれない。この分岐から1km以上東北東に進む。途中にあるゲートは閉まっているが、バイクやMTBはすり抜け可能。ゲート内側にバンが停めてあり、オヤジ2人が外に立っていた。何をしていたのだろうか?その後RV車ともすれ違ったのだが、彼らは戻ってこなかったのでゲートの開け方を知っているのであろう。下方から爆音が響き渡り、オフロードバイクの集団が駆け抜けていった。

裏見の滝分岐   09:36
       


裏見の滝分岐から九十九折の第二段が始まる。この辺りはマツ林で日光が差し込むため暑い。幸か不幸か、雲が増えてきて景色は今ひとつだが歩きやすくなってきた。

丹勢山の南側は平坦な広場で、周囲はカラマツの植林地帯である。

丹勢山南西の広場   10:34
       


入り口の踏み跡を見つけられなかったので適当にミヤコザサを掻き分けて登っていくと明瞭な踏み跡に出合った。あとは道なりに山頂に至る。迷うような山ではなく、藪も薄い。山頂には山名板が掛けられたダケカンバの木が一本有り。

丹勢山山頂   10:43
男体山方面   10:44
晴れていれば男体山がくっきり見えるはず。


山頂にアブがいたので即退散し、林道に下りて小休憩。風鈴のようなリーンリーンという音が遠くから響いてくる。かなり響く鈴らしく、しばし待ったが登山者の姿は現れなかった。林道歩きを続行。標高1,400m付近から丹勢山直下の広場を見渡せる。男女一組の姿が見えた。やはり丹勢山登山が目的であったらしい。しばらく広場をウロウロしていたが、踏み跡を見つけて入っていった。

1,482.1mピークを回り込んだ場所で、支線に沿って少し進めば南西側の視界が開け、明智平から中禅寺湖までが見渡せる。中禅寺湖が遠く見えるの何の。ということは志津乗越なんてはるか彼方である。改めて地図を見ると、ジグザグに高度を稼ぐ場所があと2回も出てくる。空はどんよりとし始めて、天気が持つか心配になる。まだ午前中なのにいろは坂を下る車が多いこと。帰る頃は安全に走行できるだろうか?

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1,482.1m西から眺める中善寺湖   11:23


林道沿線は延々とカラマツ林が続く。道脇にはシロヨメナとハンゴンソウばっかり。「他に珍しい草花無いのかよ!」と毒づいていたら未知の草花と出逢った。帰宅後に調べたところハナイカリという名であった。以後、道端に多数の開花を見る。

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ハナイカリ   11:43


標高1,580mの北進する場所で一人のMTBの男性が下っていった。ここから下り坂となり、「三人立河原」と表示された場所に至る。名前の由来の説明は無い。三人立河原とは下流の谷全体の呼称であり、現在地はその源頭部であるらしい。赤土が浅く掘れた沢の源頭なのだが、まるで道のように奥に続いている。人為的に均したのか?少しMTBで走ってみたのだが何も無かった。

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三人立河原源頭部   12:00


三人立河原から少し登り返して尾根を回り込むと長い下りに入る。ここで山サイの一団とすれ違った。

法面が崩れて剥き出しになった場所は見晴らしがよく、天気がよければ写真撮影ポイントとなるだろう。北側対面(大真名子山の山腹)の笹原の植生が不自然に感じられる。

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北側対面(大真名子山の斜面)   1214


沢を跨ぐ場所で下りが終了。4度目の沢跨ぎ地点に「薬研堀」との表示があるが、これも名前の由来の説明は無い。地形図の標示は下流側が薬研堀、上流側が弁天河原である。

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薬研堀    12:21


薬研堀からは志津林道出合いまで高度差約180mの登りが続く。さきほど遠くから眺めた大真名子山の斜面はミヤコザサの草原にカラマツがパラパラと残る植生であった。遠目から植生が不自然に見えたのは、人工的に様々な樹種の苗を植えて黒い防護ネットで覆っているからなのであった。かつて大規模に伐採して植林したが、何故かこの場所はうまく育たず笹薮になってしまったらしい。カラマツの商品価値が無いので、現在はダケカンバなどの広葉樹を植えつけて自然に近い植生回復を図っているようだ。実際にシカを見たので、ネットで覆わなければ食害に遭うのであろう。

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防護ネット   12:41


だんだん雲が低くなって林道にガスが漂うようになってきた。ついに志津林道出合到着。

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志津林道出合   12:51


ここで昼食休憩をしていたら、女峰山方面から単独の登山者が3名下ってきた。短時間に3名も下ってくるなんて、いったい今日は何人入山しているのだろうか?さて、志津乗越までが最後の登りと思うとエンジン全開モード突入。自分でも押さえがきかない。先行する登山者を追い抜きガンガン登る。志津乗越までの約2kmのダラダラ登りにイライラ。

志津乗越には20台くらいの車有り。その前後数百mの区間のスペースには必ずといっていいくらい車が停められている。全部で50台は下らないだろう。さて、気持ちよく下れると思ったのであるがアクシデント発生。ペダルがポロッと取れてしまった。着脱式ペダルの取り付けが甘かったため、タップがなめてしまって取り付かない。ペダルが片方しかないと、下りはまだしも平地では漕げないのでペースが上がらない。

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三本松へ向かう道   14:00


戦場ヶ原と中禅寺湖畔ではMTB押してトボトボ。それでも、いろは坂に入ってからは車をガンガン追い越して快調。約2時間で帰り着いた。

山野・史跡探訪の備忘録