笹原田〜(天狗山)〜かまど倉〜長安寺(2007年1月)

年月日:    2007年1月20日(土)

行程:     笹原田(09:35)〜341mピーク(10:13)〜天狗山分岐(10:30)〜天狗山(10:44)〜天狗山分岐復帰(10:58)〜431mピーク分岐(11:52)〜431mピーク(12:02)〜主尾根復帰(12:13)〜道祖神(12:23)〜最初の岩場(12:36)〜かまど倉直下のフィッシャーを突破(12:56)〜かまど倉(13:01)〜377mポイント(13:37)〜486.2mピーク(14:27)〜長安寺分岐(15:02)〜長安寺駐車場(15:42)〜MTB利用で笹原田帰着(16:14)

天気予報はいまひとつだが翌日曜よりは良さそうなので、先週出遅れて歩き残した区間を歩いてみる。長安寺駐車場近くにMTBをデポして笹原田に戻り、広いスペースのあるT字路に車を置いた。

トレーニングを兼ねて、普段の山中一泊前提の重い装備を担いで行く。入り口に求宦寶、事運輸の表示がある林道に進入し、すぐに左手の植林地帯に逸れて主尾根を目指す。こんな人里近くでも獣道が明瞭で、真新しい蹄の跡があることからカモシカが辿っていることが判る。

主尾根の南西斜面は雑木林で明るく、尾根上にはうっすらと古い踏み跡が認められる。341mピークには何も無く雑木を通して二股山が見える。一箇所潅木藪がうるさい場所があるが概ね快適に歩ける。

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341mピーク付近からかまど倉を遠望   10:14


320m級ピークから道草して天狗山に立ち寄り。安っぽい四等三角点、東を向いた祠、そしてR.K.とSHCカワスミの山名板がある。眺めは良くない。

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天狗山    10:44


休まずに主尾根に復帰。分岐から西南西方向に少し進むと予期せぬ場所に直登不可の断崖現る。安全に巻くならばだいぶ大回りになるので、断崖左端のかろうじて掴まるものがあって登れるギリギリの場所を這い上がる。

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天狗山分岐西の崖     11:00


反対側が若い植林地になっており、360m級ピークからのかまど倉や天狗山の眺めが良い。晴れてはいるもののうっすらと雲がかかって空が明るく、うまく山の写真が撮れないのが残念。

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崖上から見る天狗山     11:11


しばらく中坪や上坪の生活音を聞きながら単調な植林の尾根を辿る。この辺りはヒノキの植林なので枯れ枝が少なく歩き易い。350m級の分岐ピークからまたまた道草して431mピークに向かう。鞍部に荷物を置いて空身で431mピークに向けて登り出したら、急に荷重が減って体のバランスが崩れて変な感じ。431mピークには何も無く、山頂北東側で若干視界が開ける程度で、来る価値は無い。

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431mピークからの眺め     12:02


で登り返すのが面倒なので、鞍部近くからカモシカ道を辿って分岐ピークの北側に回り込む。若い植林地になっていてかまど倉がよく見える。岩壁との出遭いが楽しみ。

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かまど倉遠望      12:13


398mピークの北側だったと思うのだが、寛政十一年の道祖神有り。東側斜面にはジグザグの古い道形が認められる。

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尾根上の道祖神   12:23


470m付近で最初の岩場現る。適度にホールドがあって直登。

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最初の岩場      12:36


かまど倉直下に近づくにつれて東側斜面に地形図では読み取れない急峻な地形が認められるようになる。ついに大岩壁の下部に到着。直登は不可。南側からは巻けそうにない。岩場は単一の岩壁ではなく、複雑で広い。東側に移動を始めてまもなく、岩場の隙間を見つけた。スラブというより大きなフィッシャーであり、上方まで登れそうに思える。実際、かろうじて掴まるものがあり、下部3分の1まではスルスルと上れる。

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フィッシャー   12:45


中間部から上は傾斜がきつく樹木も少ない。途中で行き止まりになったらまずいことになるが、カモシカが辿った形跡があるので上部まで行けると信じて登る。空き缶が転がっていたので、過去にこのルートを辿った者がいることは間違いない。この辺りの岩質は硬いチャートで安定しているのだが、掴まった岩がボロッと崩れた瞬間はヒヤリとした。このフィッシャーは右側の岩上まで上がってしまえばその先は比較的安全である(杖代わりの棒切れを握ったまま登れてしまったのでフィッシャーの難易度は高くない。ただし、ミスしたら大怪我は免れないのでお薦めしません。)。登りついた場所は南側の大展望が得られる断崖突端。

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かまど倉断崖突端からの眺望   12:58


かまど倉山頂方面に向かわんと振り向くと、栃木県でたまに見かける標識が「ようこそ!」と言わんばかりに目の前にあった。少し山頂方面に移動すると南西を向く祠がある。ご加護の御礼に掌を合わせてから山頂着。遅めの昼食休憩の後、縦走続行。

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断崖から山頂を向いた図   12:59
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かまど倉   13:01


かまど倉の西側でも岩場が2箇所ある。最初の岩場は直登できないので南側を巻く。510m級ピークへの登りにある岩場も直登不可。ロープが一本繋がれているが、あてにしたくない。ここも南側を巻いていくがちょっと怖い。北に向かって下る尾根は東側の視界が開けてかまど倉を見上げることができる。下る先には新栃木線219号鉄塔が見えているので安心。377m地点と思しき場所には設置されたばかりの標柱があった。

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設置されたばかりの標柱   13:37


既に午後1時半を過ぎている。目標とする長安寺分岐は羽賀場山手前であり、距離も高度差もあるので、ゆっくりしていると暗くなってしまう。かまど倉より先の植林はスギが主体なので、落枝を足に引っ掛けないように注意して標高360m程度の尾根を北に向けてガンガン飛ばしていく。間伐材の無い美しい植林に太陽光が射して美しい。

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14:02


南いわき幹線267号鉄塔から先、標高550m辺りまで巡視路を利用できる。

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486.4m 三角点(当時は486.2m)    14:27


標高620m付近であったと思うが大原方面を向く祠が一つある。

縦走最後に250mの登りはきつい。標高650m前後ではカモシカ道を利用して負荷を軽減しながら、なんとか目標時刻である午後3時近くに長安寺分岐着。これで明るいうちに安全に下山できる目処が立った。

長安寺方面に向かって下っていくと左手から巡視路が合流する。尾根通しにこだわらなければ巡視路を辿った方がはるかに楽で済んだようだ。後は一度辿ったことがある区間であり、道も明瞭で順調。

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長安寺駐車場への出口  15:42


この日の行動時間は自分にとってベストの6時間強。予報では午後から曇りとのことであったが、終日穏やかに晴れて気分よく歩けた一日であった。

山野・史跡探訪の備忘録