東荒川・もみじ谷(2007年1月)

年月日:    2007年1月28日(日)

行程:    鳥羽の湯温泉近くの入口出発(13:50)〜尚仁沢(14:30)〜帰着(14:52)

土上平放牧場に行く際、鳥羽の湯を過ぎてまもなく『もみじ谷入口』の標示発見。以前からその辺りに車が停まっているのを見て山道があるらしきことは想像していたのだが、探索したことはなかった。東荒川ダム直下から鳥羽の湯までの区間は入口が峡谷になっており川通しでは入り込めない。どんな場所なのか興味があったのだが、『もみじ谷』なる魅力的な名がついているとは知らなんだ。現在の車道がなかった時代には、釈迦ヶ岳に登る修験者は荒川沿いに歩いて尚仁沢湧水を経ていたはずで、これがその旧道である可能性もある。前山に登った帰りに立ち寄ってみた。

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もみじ谷入口


スギの植林の中に踏跡が明瞭で、石積みや水路跡のような人工物があることからただの山道ではないことが判る。しばらくすると眼下に東荒川の深い渓谷が見えるようになる。対岸(右岸)は絶壁で幽谷の感。これはすごい。植林を抜けると自分のいる側(左岸)も垂直の壁が続く。白い崖がオーバーハングする様は見ごたえがある。

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左岸オーバーハング  14:02
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左岸足元


カエデ類の落ち葉が多いので、その名の通り紅葉が見事な場所なのであろう。渓相も魅力的で、鬼怒川漁協の鑑札を持つ遊漁者が多数訪れていると思われる。数箇所で道が崩れているが、やや危険と思われるのは一箇所のみ。数箇所でコンクリートによる道の補強部や鉄製の手すりがある。オーバーハング岩の区間を過ぎて再びスギ植林地帯を抜けると、古い取水門に至る。現在は使用されていないらしい。この道は取水門建設と維持が目的であったと思われる。

取水門の先は踏み跡は斜面をジグザグに登り二手に別れる。左手の道は谷奥に向かい断崖で行き止まりとなり、その寸前に目的不明の洞窟が存在する。中は深そうだ。

(2019年11月追記)後日見つけた、対岸の丸山鉱山跡に関するレポート(金野さんのページ: http://kinno-homepage.sakura.ne.jp/kinno_mineral.html 参照)に掲載の写真と似ている。レポートが引用する参考文献によれば、「基底の 地質は花崗岩で、これを石英斑岩が貫いている。・・・鉱床は多数の含金石英脈・・・。」とのことだが、左岸に露出している岩質は花崗岩ではない。

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左岸の鉱山跡坑口  14:25


高台に上がる道は尚仁沢沿いに上流に向かうと思われる。今回は東荒川ダムを眺めて引き返した。

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東荒川ダム  14:30


山野・史跡探訪の備忘録