二股山尾根歩き(2007年2月)

年月日:    2007年2月11日(日)

行程:    釜ヶ入奥の舗装林道屈曲点(09:50)〜西側の未舗装林道へ抜ける(10:02)〜380m級ピークへ上がる(10:29)〜414mピーク(10:46)〜二股山南峰(11:25)〜二股山北峰(11:40)〜400.9mピーク(12:15)〜採石場跡(12:50)〜(昼食)〜MTB利用・車に帰着(13:30)〜この後MTBで1往復(14:20)

二股山は荒井川と大芦川に挟まれた尾根の末端に位置しながら平地との標高差が390mも有るので、平地に聳える独立峰の如し。大芦川沿いに古峰ヶ原に向かう際にはこの山の急峻な岩場を見上げることになる。また、東西から見るとその名の如く山頂部がいたずらされたかのようにパックリ割れた形状が目立つ。鹿沼の山で、遠目からも近くでも最も目立つ存在と言えるだろう。

常々登って見たいとは思っていた。地形が複雑で歩きがいがあるが故に、どうやったら最も面白く歩けるのだろうと考えているうちにだいぶ後回しになってしまった。今年になって大芦川の左岸尾根を歩いた際に二股山を間近に眺めて、次回の低山歩きの第一候補としていた。本日は冬型の気圧配置につき天気は良いが風が強そうなので軽く二股山あたりで運動することにする。予備知識は意図的に一切持たない。

どうせ登るなら二股山の長い尾根の上位2本を通してみたい。二股山の南尾根と北西尾根にはそれぞれ一つずつ三角点があるので面白そう。グレンピークマナーゴルフ場側の舗装道路最高点近くにある採石場にMTBを置き、二股山南側に戻って車の置き場を探す。釜ヶ入の舗装道路を北上し、工場を抜けて道が屈曲する場所で林道に逸れ、行き止まりに車を置いた。MTBで戻ってくるのに好都合な場所である。

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09:50


まずスギが植林された尾根を越えて西側の林道を目指す。尾根の反対側の涸沢は地図からは想像できないほど切れ込んでいて、礫石が剥き出しのしっかりした川床を持つ。流木がたくさんひっかかっているので、大雨が降るとかなりの水流が出現するらしい。沢の反対側に登ってみると立派な未舗装林道に抜けた。これが地形図の実線であろう。

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林道出合  10:02


西側から破線路が合流する辺りで352.6mピークに向けて取り付くつもりであったが、破線路には気づかなかった。西側に向かう作業道を辿り、斜めに何本も走るカモシカ道を利用しながら尾根に上がってみると、そこは三角点よりも北側の380m級ピークであった。三角点まで行って戻ってくると疲れるので、352.6m三角点はあきらめて二股山に向かう。二股山南尾根はほぼ全てスギ・ヒノキが植林されているが、稜線部はマツを主体とした雑木林で明るく雰囲気がよろしい。尾根上には境界杭が点々とあるだけで、いつものウザイ赤テープが一切無いのが嬉しい。鞍部に下る途中で二股山南峰が良く見える場所があり、写真を撮ろうとしたのだが生憎雲が流れてきて陰ってしまった。5分ほど待ってみたが今ひとつ。恨めしい。

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二股山南尾根稜線の雰囲気  10:29
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二股山遠望  10:31


414mピークに向けて登っていく途上で南西斜面にツツジが咲いているのを発見。暖冬とはいえ、早すぎ。道らしきものは無く、祠の類は期待薄。ところが上方に何やら地蔵のようなものが見える。近づいてみると正体は稜線上に正面を向いて座っているカモシカであった。ゴルフ場があっても鳴蟲山方面に自由に行き来していると思われる。かなり近づいても逃げる気配はない。「お前がどけ。」と言われているような気がして、稜線を外れてカモシカの数m下側を迂回してみた。体を乗り出して興味津々といった感じでこちらを見ている。近づきすぎたらしく最後は反対側に逃げてしまったが、シカみたいにどこまでも逃げるのではなく、「避けてあげたよ。」ってな感じでこちらを見上げている。可愛いもんだ。

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カモシカ  11:02


標高450mを超えると尾根幅が広がり、暗い植林の中を歩くようになる。谷の対面に見える二股山南峰は急勾配であるにもかかわらず下部に植林されており、上部にもマツなどの針葉樹が多く、遠目には黒々としている。尾根を辿っていけば北峰に至るのであるが、寸前で間伐された植林斜面を横切ってパックリ割れた鞍部に直行。ちょっと嫌らしいが鞍部というより股間の表現の方がふさわしい。お天気山の北西鞍部と同じで、尾根がバキッと折れてしまったかのようだ。

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二股山の股間  11:21


南側に踏み跡が明瞭で、三角点より南側に釜ヶ入地区で祀る祠がある。

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二股山三角点  11:25
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二股山南峰の祠  11:29


踏み跡はさらに南に続くので、南峰に直登ルートがあるのかもしれない。南峰は基本的に見晴らしが悪いが、三角点の南東側にほんの少し下るとなかなか良い眺めが得られる。

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二股山からの眺め(東側)  11:32


景色を眺めているうちに、ハイカーが3名上がってきた。入れ替わりに北峰に移動。南峰より北峰の方が岩場が多く少し緊張する。山頂には東側を向くでかい石祠がある。南峰に来たパーティの仲間と思しき女性が1名休憩していたので先に進む。アンテナ施設横を通り、そのまま北西に向けて下っていくときれいな踏み跡に出合った。ジグザグに北西尾根を下っていく。登山道マークは見当たらないものの、よく利用されている道のようだ。アンテナの保守に用いているのだろうか。途中から南側に逸れていってしまうので下久我・日向側から上がってくるのであろう(他のページに拠るとこの安全ルートで登ってくる人が多いらしい。)。

冷たい風に煽られて余裕が無かったせいだろうか、標高480mで判断ミスして5分ほど浪費。分岐点付近で徐々に尾根の向きが変わっていくような場合の進路判断は難しい。この後、400.9mピークまでは北西に向かってまっしぐら。400.9mピークには、やはりというべきか、R.K.の板がついている。地形図に載っている標高を板に書く意義があるのか疑問だ。自分の名を残すことが目的ならば「R.K.」だけでも良いような気がする。

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400.9mピーク  12:15


標高350mで2度目の判断ミスを犯し、10分程度浪費。見通しの効かない尾根の下りは高度計がないとちょっとつらい。最終目的地である採石場跡地の縁は羽賀場山の眺め良し。

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採石場跡地からの眺め  12:45


メダケの生える縁を下って無事歩行終了。北西尾根は一貫して眺めがよくない。ルートファインディングの好きな方はそこそこ楽しめるであろう。

採石場跡で昼食後、25分ほどかけてMTBで車に帰り着いてみて愕然。アホなことに昼食時にカメラの入ったポシェットを置いてきてしまった。中に車の鍵も入っているので、またMTB漕いで戻らなければならない。こんどは上り坂でおまけに向かい風できついのなんの。行きが30分、帰りが20分。山登りよりサイクリングしに来たような一日だった。

山野・史跡探訪の備忘録