古峯神社〜大岩山〜ハガタテ平(2007年4月)

年月日:    2007年4月29日(日)

目的:    アカヤシオ開花状況調査

行程:    古峯神社駐車場(05:35)〜大岩山山頂(07:30)〜唐梨子山(08:15)〜ハガタテ平(08:32)〜地蔵沢堰堤(09:37)〜古峯園(10:20)〜車に帰着(10:35)

連休は好天に恵まれるとのこと。どこか一泊して歩いてこようと楽しみにしていたら、木曜日(26日)に突然腰が痛み出した。歩くことはできるが左足を普通に前に繰り出すことができない。階段の昇り降りは問題ないのでなんとか金曜までの勤務完了。連休初日(28日土曜日)は雷雨が予想されていたこともあり自宅で静養。翌日以降も一泊前提で奥山に行くなんてことは考えられない。

29日(日曜日)は快晴の予報である。腰の具合を確かめる目的を兼ねてアカヤシオ見物に古峰ヶ原方面に行くつもりで早朝起床。運転席に座ると腰が痛い。カーブでGが加わるとつらいのでいつもに較べればノロノロ運転で現地に向かう。途中で帰ろうかとも思ったのだが、とりあえず古峯神社駐車場で降りたときの状態で行動を決めることにした。

昨年同様、駐車場一番乗り。車の運転で特に悪化したようには思えないので山歩きすることに決定。前に屈めないので登山靴を履くのに一苦労。左足を前に踏み出そうとするとギクッと痛みが走る。横向きにカニ歩きすれば全然痛くないが、さすがにこれはコント55号みたいでばかばかしいので小幅にトボトボ歩きしていく。老人体験しているようなものと思えば一興。

大岩山へのルートはちょうど一年前と同じ。尾根を辿ることに徹して、カメ歩きながら昨年よりも順調に登る。今朝の気温は平地で2℃。涼しい中をゆっくりめに歩いて発汗が抑えられ、腰の痛みと引き換えに快適な登りだ。山肌には薄く雪が積もっていたが、昨日午後に降ったものなのだろうか。標高1,150m付近で数本のアカヤシオが開花しているのを見る。しかし、上方ではもっと咲いているであろうとの期待に反しこの後は開花無し。大岩山山頂のアカヤシオ群の中でたくさん蕾をつけていたのは2、3株だけ。昨年に較べればマシだが、2005年にははるかに及ばない。また、3月以降の低温の影響で例年よりも開花が遅れ気味。大岩山のアカヤシオが開花するのは連休後半以降であろう。

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大岩山に向けて登る途上    0656


さて、同じルートを戻るのは腰に悪そうなので禅頂行者道を歩いて戻ろうと思うのだが、どちらに行こうかと思案。行者岳方面から甲高いオッチャンの声がかすかに響いてきた。賑やかな団体様を避けようとハガタテ平方面に向かう。古峯神社〜ハガタテ平の区間を歩いたことがないので、ハガタテ平から古峯神社に下ることにした。この時期の禅頂行者道は単調で彩りが少なく通しで歩くと飽きてしまうのだけれども、大岩山〜ハガタテ平間程度の長さなら新鮮な感覚が持つ。

ハガタテ平到着と同時に古峯神社からきた登山者と遇った。この後、すれ違った10名前後の登山者は全て単独行者もしくは2人連れだったので静かな下りを楽しめた。ハガタテ平〜古峯神社間の登山道は地蔵沢沿いの植林地内にあり、景色は全く期待できない。草花も無い。この退屈なルートで夕日岳まで登るなんて嫌だな。唯一の彩りは沢源頭部のバイケイソウ群落のみ。バイケイソウはたいてい何も無いつまらない場所に群落を作るので、陽光に照らされた新葉が際立って美しく見える。

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バイケイソウ  08:40
この植物は毒草である。食えそうには思えないのだが(おそらく不味い)、山菜を知らない初心者がこの若芽をウルイ(ギボウシ)と間違えて食中毒を起すことがある。


林の中に昔の登山道の窪みが残っている。巨大堰堤建設によって分断されたために廃道となったようだ。一旦林道に戻って堰堤を巻き、下側に回りこんでみた。1990年竣工の巨大な2段構造堰堤である。この堰堤は古峯神社の水源でもあるらしく、沢沿いに黒い導管が這っている。

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地蔵沢砂防ダム上流側  09:38
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地蔵沢砂防ダム下   09:53


昔の道跡らしきものを辿って右岸側を下っていくと、モミの巨木の混じる美しい林を抜けて古峯神社に近づく。

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地蔵沢沿いのモミ巨木の林   10:07


右岸側から支沢が流れ込む地点で庭園らしきものが見える。古峯神社の境内を通れないとちょっとつらいことになる。庭園の中を歩いている観光客が見えるので、中を歩くことはできそうだ。支沢を渡渉し、有刺鉄線の柵の扉を開けて中に入り安堵。ただ通り抜けるのはもったいないので、しばし庭園を見物。とても美しい庭園でお金をかけて維持しているのは明らか。トイレや休憩所もきれいだ。出る時に入園料¥300を払ってもよかったのだが、話をすると面倒なことになりそうなので結局踏み倒し。

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古峯園   10:21


心配していた腰の具合は悪化することはなく、むしろ歩いているうちに痛みが軽減してきたような気もする。この調子なら連休後半は田舎で山菜採りできそうだ。

山を下る間ずっとバンバンと銃を撃つような音が響いているのが気になっていたのであるが、帰りに花の写真を撮ろうと思い家富連山トンネルを抜けてみてその正体が判明。トンネル反対側の空き地が射撃場になっているのであった。古峯神社の目と鼻の先で射撃とは、撃ってる連中も認可した奴も罰当たりだ。

山野・史跡探訪の備忘録