鞍掛山〜古賀志山岩稜〜赤岩山〜御岳〜中尾根(2008年11月)

年月日:     2008.11.22(土)

行程: 市鞍掛山登山口(08:48)〜岩コース〜鞍掛山山頂(09:19)〜480m級ピーク(09:48)〜540m級ピーク(10:57)〜岩稜最高点(11:19)〜林道(12:00)〜432.7m三角点(12:38)〜赤岩山(13:01)〜御岳(13:35)〜富士見峠(13:49)〜中尾根分岐(14:02)〜富士見峠に続く林道(14:45)〜鞍掛山登山口(15:16)

この3連休に山歩きするなら初日がよさそう。県北は降雪しているだろうから昨年同様に月山周辺で送電線の巡視路歩きでもしようと思って地形図を準備した。寝坊して7時半頃に起床してみると快晴ではないか。しまったと思い急いで自宅を出てみると、北部の山沿いはまだ降雪中で月山・大笹山も雪を被って真っ白である。スタッドレスタイヤに履き替えていないので怖くて行けない。あっさり計画を放棄。さらに近場で陽だまりハイクするなら篠井・富屋か古賀志山ということになる。鞍掛山〜古賀志山の縦走コースが未訪だ。そういえば男抱山なんてのもあったな。

まずは足慣らしに男抱山に登ろうと思ったのだが、以前あった「男抱山」の表示が見つからずに通り過ぎてしまった。293号は交通量が多く、すぐ後方に他車がひっつくのでじっくり入口を探すことができない。男抱山をあきらめて鞍掛山へ。鞍掛山には2004年に北側の鞍掛峠から登ったことがあるが、正規の登山口を知らない。古賀志山も絡めて周回してみよう。

十数年前に射撃場辺りまで行ったことがあったが、鞍掛山の登山口はそのさらに奥にあるらしい。最初の二俣の案内標示に従って左側の舗装された鞍掛林道に進み、次の二俣では案内はないものの鞍掛山の方角から判断して右側の未舗装林道に進入。100mも行かないうちに鞍掛山の登山道入口があった。

画像
鞍掛山登山道案内   08:49


国本地区青少年育成会と国本リーダースクラブが立てた立派な案内板がありとても親切だ。どうやら鞍掛山は国本地区の修行の場であったらしい。しばらくヒノキ植林のなかの小石混じりの道を登っていくと厳かな感じのする岩場に至り、頭のとれた双体神がある。

双体神   08:56


向かって左側の道なのか沢なのか判らないような場所をしばらく進むと右側に険しい涸れ沢があり、滝にチョロチョロ水が流れている。黒滝山権現礼拝所の一つである御山沢の御寶前のスケールを小さくしたような場所だ。その右岸側に平地があり、社はないのに国本リーダースクラブが立てた鞍掛山神社なる標示がある。かつてここに社があったのであれば神社跡と書くであろう。麓の案内板には「鞍掛山神社(滝)」と書かれていたので、滝そのものがご神体ということか。

鞍掛山神社を過ぎてすぐにコースが二手に分かれる。右側の大岩には行ったことがあるので、左の岩コースを選択。ヒノキが植林された斜面を登っていくと上部では踏み跡の傍に杭が打たれて鎖が張ってある。岩場が現れるのかなと期待したが、最後の最後まで危険な岩場はなく尾根上に出て、右側に少し上って三角点到着。4年前に来た時に較べて良く整備されており、古賀志山方面を示す案内標示もある。

本日は思いつきで来たので地形図を持たないが、天気が良く踏み跡もしっかりしているので尾根縦走は問題ない。奥の院に詣でてから古賀志山方面に縦走開始。前回鞍掛山に登ったときに気になっていた薄っぺらな480m級ピークが楽しみだ。

鞍掛山の祠   09:22


480m級ピークに向う尾根の下りは北側が若い広葉樹の林で左側が植林地。朝は陽が当たらないこともあって植林地の中は夜の如く真っ暗。480m級ピークへの登りは思っていたより広葉樹林域が多くて明るく、残り紅葉も美しい。

画像
鞍掛山方面  09:39


480m級ピークからの日光方面の眺めが良い。

画像
480mピーク北西側の眺め  09:46

左が日光火山群、右が高原山。


峠のような雰囲気を持つ鞍部を過ぎて431mポイントに上がってからも尾根の雰囲気良し。西進する区間の中間地点で単独行の女性が古賀志山方面の写真を撮っていた。今日初めて見たハイカーである。その後、北尾根を南下する間も誰にも遇わなかった。紅葉の盛りを過ぎてハイカーの数が減っているのか?

本日は快晴・微風。体調も良い。当初は中尾根コースを下って林道歩いて鞍掛山登山道入口に戻るつもりであったが、このペースだと時間が余る。天気の良い今日は時間の許す限り歩きたい。赤岩山〜古賀志山の縦走も余裕で可能だろう。西側の谷に下るには昨年同様に鞍部から植林斜面を下るのが最も安全且つ楽だが、せっかくだから岩稜尾根を下ってみよう。岩稜尾根を下っている人がいるようで男性の声が響いてくる。559mピークが近づくとおばちゃんたちの賑やかな声が聞こえるようになる。

鎖につかまって登った岩稜の最高点は景色眺めて昼食休憩するのに最高の場所。年配の男性が休憩中。

画像
岩稜最高点からの眺め  11:19


この先本格的な装備無しで下れるのか不安であったが、さほど危険を感じずに下っていける。踏み跡は岩稜を南側に外れて谷に下ってしまうようだった。右手に格好の良い岩峰があるので登ってみたくなり少し戻ってトラバース道を辿る。

岩峰の高さは現在地から10mもないけれど、下部にホールドが少ない。上部からトラロープが一本ぶら下がっている。新しいロープだけれども上部で岩に擦れている箇所があるようだ。大丈夫か?あまり信用ならないのでできるだけ使わないで登った。今は擦れ具合は軽いがいつか限界が来るだろう。誰かが定期的にメンテしているのだろうか。

この岩峰はただ登って終わりではなく、踏み跡が先に続いているのであった。ロープに頼らないと下れない嫌らしい場所は一箇所のみ。

岩峰にて   11:35
岩尾根途中で振り返って見た眺め    11:47


岩稜尾根末端部を巻いて踏み跡から逸れてしまったので、適当に植林地帯を歩いて林道に抜けた。林道二俣を過ぎて先に岩稜を下ったと思しき男性ハイカー2名が引き返してきた。御岳に登る道を知らないかと問われたが、あいにくそのルートは知らない。彼らは二俣右手の道を進んでいった。

ちょうど正午。気分良く歩けるのはあと3時間強。赤岩山から縦走して中尾根を下るまでの所要時間が読めないのでやや飛ばし気味に行く。古賀志山に2時間で行ければなんとかなるだろう。気持ちに余裕がなかったせいか、プレハブ小屋のある植林尾根の東側の尾根に入ってしまい、暗いヒノキ植林地の中を適当にトラバースして登山道のある方向に接近。辿りついた広葉樹の尾根にも登山道が無い。ということはさらに西隣が正解か。すでに高いところまで来てしまっており、登山道のある尾根に移るのは得策ではなさそう。そのまま急勾配を立木や根につかまって登りきるとようやく踏み跡に達した。432.7m三角点に直登してしまった。

432.7m三角点   12:38


この先は既知の場所で余裕。縦走路には最近人が歩いた形跡が無いので不思議に思っていたら、赤岩山に張り紙があり登山道がロープでブロックされているではないか。

画像
赤岩山から見た御岳方面  13:02
遠方右が多気山、中央が雲雀鳥屋。


赤岩山上空を舞うパラグライダー  13:05


古賀志山で火事があり地権者が怒っているという話を聞いたことはあったが、ここまでやるとはね。通行をご遠慮願う理由が気に入らない。要するに地権者か当局か知らないが人を入れたくないだけの話だ。ここ通らないと帰れない。知らなかったってことで通してもらう。危険箇所は無い。

アブラツツジの紅葉がとてもきれいだ(古賀志山は紅葉の鮮やかなツツジ科の低木が多い。栃木県の尾根筋に多く自生している樹木で、実がベロンと垂れ下がるのが特徴。サラサドウダンツツジの実は途中でくりんと上向きになるらしい。いままで勉強不足で疑問に思いながらもサラサドウダンと呼んでいたが、古賀志山にドウダンツツジやサラサドウダンツツジがあるはずはない。いろいろ調べてようやくアブラツツジであることを知った。)。

画像
アブラツツジの紅葉  13:10


山火事があった場所がどこなのかよく判らない。546mポイント付近のアカマツが燃えただけで植林には影響なかったようだ。登山者のタバコの火の不始末が原因だったのであろう。

赤岩山を振り返る  13:20
559mピークと下った岩尾根を遠望   13:22


御岳で10名程度のハイカーが景色を楽しんでいた。谷で出遇ったお二人と再会。一応道は在るが不明瞭な場所で適当に登ったとのこと。

時間が気になるので東稜には行かずに富士見峠へ下った。まだこの時間帯でも登ってくる人がいる。中尾根分岐では女性が一人休憩中。中尾根の中間地点でも登ってくる若い男がいた。

北側の暗い植林地方面に赤ペンキの○印、岩がちの稜線に×印がついている場所がある。あくまで稜線を辿って下るつもりだったので×印方面に進入。踏み跡もあって順調に下れそうに思えたが、展望の良い場所でついに行き止まりとなった。自分が居る場所は中尾根の枝尾根の末端だ。赤川ダムを眺めるには最高のポイントだろう。

画像
赤川ダムと天狗鳥屋〜雲雀鳥屋〜多気山   14:25


中尾根はもっと先に続いているが、地形図無いし行き止まりになったら時間切れになってしまう。安全策をとって枝尾根の派生する場所まで戻って真っ暗なヒノキ植林地を下った。途中で薄い踏み跡を辿れるようになり、順調に下って富士見峠から下る広い道に抜けた。

舗装林道を歩き、二俣で鞍掛林道に入る。この林道はゲートが無く峠付近がゴミ投棄箇所と化している。ゴミの存在はいただけないが、晩秋の雰囲気を味わいながら快適な林道歩きで車に帰着。

帰りに国本地区にある鞍掛山神社の壱の鳥居に立ち寄り。

画像
鞍掛山と鞍掛山神社・壱の鳥居  15:27


河内郡国本村新里云々・・・と彫られた石柱が建っているが、周囲は荒れてアメリカセンダングサだらけだったのでよく確認できず。

山野・史跡探訪の備忘録