篠井富屋連峰(2008年12月)

年月日:     2008.12.07

行程:     子どものもり駐車場出発(08:37)〜榛名山と男山間鞍部(09:07)〜男山(09:14)〜本山(09:35)〜飯盛山(10:25)〜高舘山(11:13)〜黒戸山(11:42)〜鬼山(12:14)〜兜山(12:27)〜毘沙門山(12:58)〜農業集落排水大網処理場(13:10)〜子どものもり駐車場に帰着(13:59)

篠井富屋連峰は居住地から最も近くて馴染みのある山域だが、通しで歩いたことはなかった。縦走すると平地の歩道歩きが長くなるのでMTBと車の置き場をどこにしようか思案しているうちにずるずると先延ばしになっていた。MTBのことを考えるのが面倒くさいので歩いて戻ることにする。篠井側から登ったことがないので登山道入口がどこにあるのか良く知らない。青嵐峠から榛名山まで往復したとき榛名山に直登してきた人がいたので「子どものもり」から登る道がありそうだ。見つからなかったら適当に植林地を突破することにして、「子どものもり」駐車場に車を置きに行った。

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東側(上河内)から見た篠井富屋  08:15


子どものもり駐車場には既に20台以上の車があった。これ全部ハイカーか?こんなくそ寒い日に早朝から大勢のハイカーが篠井富屋連峰に登っているんだろうか?いまさら他に行く当ても無し。榛名山に向けて出発。ツキノワグマ出没注意!の張り紙有り。周囲の山と隔絶したこの山域には大型獣はいないはずだが、いったいどうやってクマが来たんだ?

駐車場から歩き始めてすぐに植林地の中に向かう踏み跡があり、男山方面を示す標示がある。足跡は2、3名分しかない。昨日歩いた人の足跡かもしれない。今日の入山者数は少ないのだろうか。踏み跡は左側から登ってくる舗装林道に接続し、そこから間もなく上篠井登山口から上がってくる踏み跡を併せる。次ぎのカーブで舗装林道と分かれ、男山直登ルートを左に見やって谷沿いに榛名山方面に登っていく。この道は男山と榛名山の間の鞍部に上がる。鞍部が近づくと人の声が聞こえた。上方を見やると榛名山寄りの鞍部で10名程度が休憩中。あの人達はどこから登ってきたのだろう。榛名山に行く気がなくなり、踏み跡を外れて植林の斜面を適当に登って男山寄りの鞍部に抜けた。

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男山付近から見た筑波山(右)と加波山(中央)  09:22


男山から本山に向かう途中に筑波山方面の眺めが良い場所がある。本山への急登区間には立派なロープが張ってある。北側の広葉樹斜面からガサガサ獣が移動する音が聞こえてきた。

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本山山頂  09:38
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本山から見た榛名山(左)と男山  09:39


本山は潅木が若干刈り払われて昨年よりも眺めが良くなった。本日は富士山がくっきり見えている。こんなに良い天気ならばもう少し遠出をしても良かったかな。獣が本山山頂直下を巻いて移動する音が聞こえる。大型獣であることは間違いないが、クマではないような気がする。正体は何なのだろう。とても気になる。

本山尾根を南下する途中でも大型獣が東斜面を逃げ下る音が聞こえてきた。騒ぎになったクマは捕獲されたとのことだが、それ以外にもこの隔絶された山域に何かいるのは間違いない。

香川県には、讃岐富士(飯野山)を代表格として、これが自然の形状だろうかと思わしめる美しい円錐形の山が多い。仙台の太白山も美しい等高線を持つ。そのレベルには及ばないまでも、飯盛山の等高線の美しさは栃木随一である。

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飯盛山山頂  10:28


トラロープと立木にすがりながら鞍部に下り、出合った舗装林道を左に移動してから高館山に向かう山道に入る。青嵐峠から高舘山に向かう途上の南斜面は明るい雰囲気で暖地性のカシが大きく育っている。暖地性の植物の幼樹は落葉樹林の中では放射冷却に耐えられない。ということは昔からここに針葉樹が植林されていたのではないだろうか。

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青嵐峠と大岩間にあるカシの樹陰  10:53


高舘山の詰めの部分は泥土にコナラの葉が積もって滑りやすい。足跡は昨日のものらしいので、どうやら今日は誰にも遇いそうにない。

黒戸山には昭和三十年の学林払下を記念した碑があった。詳細は不明。

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黒戸山から見る榛名山〜本山  11:46


大網から上って来る舗装林道に抜け、先ずは踏み跡の無い鬼山へ。山部山名板はペンキが剥げて味が出ていた。

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鬼山山頂  12:17


次いで反対側の兜山へ。密で固く浸食に強い巨岩が剥きだしで篠井富屋では特異的な存在だ。昔は子供達の遊び場であったことだろう。

できれば兜山から尾根伝いに標高270mのピークに行ってみたいと思っていたが、地形図を持たないので林道に復帰して標高270mのピークを見定めて斜面に取り付いた。伐採跡地なのでひどい茨藪である反面、眺めは悪くない。

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兜山(左)と鬼山  13:02


このピーク上には大きく広い岩壁が鎮座する。兜山に負けじ劣らず独特の雰囲気を持つ山である。最高点と思しき場所にSHCカワスミ氏の青い山名板が掛っている。毘沙門山と呼ばれているらしい。

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毘沙門山  13:05


この山には踏み跡らしきものが見当たらない。道路歩きを短縮したいので、適当に北側の広葉樹の斜面を下り、農業集落排水大網処理場の近くで山沿いの舗装道路に抜けた。

今回は団体様を敬遠して榛名山をパスしてしまったものの、全コース周回したのは今回が初めて。何度訪ねても楽しい所だ。古賀志山と並ぶ栃木県の秀逸な低山ハイキングコースであると思う。

山野・史跡探訪の備忘録