弘法山・吾妻山コース(2009年1月)

年月日: 2009年1月18日

行程: 小田急・鶴巻温泉駅(06:45)〜吾妻山(07:17)〜善波峠上(07:55)〜弘法山(08:12)〜善波峠上に復帰(08:45)〜善波峠(08:49)〜権現山(09:22)〜(R246経由で秦野駅)〜弘法清水(10:31)〜秦野駅(11:00)

関連記録: 渋沢丘陵(2009年11月)

土曜日が出勤日であったためこの週末は栃木に戻らず。以前、8年間も神奈川県に住んでいながら山に行ったことは皆無。名前すら知らない。知識を仕入れようと「神奈川県の山」なる本を購入。日曜日は曇りで夜になって雨の予報なので、標高の高い山には行かず里近を歩くことにし、本に紹介されていた弘法山公園・吾妻山コース(鶴巻温泉駅−秦野駅)と震生湖・渋沢丘陵コース(秦野駅−渋沢駅)をつなげて歩いてみる。このコースは秦野市観光協会のページでも紹介されている。

電車に乗ってハイキングに出かけるなんて20年前に尾瀬に行ったとき以来だ。電車に乗るからには小汚い格好はできない。行きは良いとして帰りはどうすればよいのか。今後電車利用の行楽が増えそうなので、今回の歩きは良い予行演習となる。

早朝の小田急には登山者の姿が多い。スパッツまでつけて完璧な登山スタイルで乗っている人もいる。今日は山登りには向かないと思うのだがどこに行くのだろう。伊勢原で降りなかったのだから、大山以外の丹沢か伊豆・箱根かな?

駅近くのコンビニで朝と昼の食料を調達して出発。鶴巻温泉駅からの歩き始めでガイドブックを良く見ないものだから、いきなり見当違いの方向に行って方向修正。道標があるので迷うことはない。東名高速のガードを潜って住宅地のとても傾斜のきつい坂を登って吾妻山の登りに入る。入口は農家の裏を通り抜ける感じで、正規のハイキングコースという感じがしない。

最初はアズマネザサと細い竹の薮がうっとうしい。反対側から登ってくる道と合流して尾根道に入ると見晴らしもよく気持ちよく歩ける。この辺りの山は一見落葉広葉樹林であるが照葉樹であるタブノキやウラジロガシがたくさん育ちつつある。関東北部では植林の中でしか生育できないのだが、南関東は暖かいので落葉樹林の中でも生育できるらしい。現在の関東南部は気候的に照葉樹林地帯に相当するので、100年後には西日本みたいに年中鬱蒼とした山に変遷するのかもしれない。

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海岸方面を眺めながら朝食をとった。吾妻山からの縦走路はとても快適。クヌギやコナラが並木のように並んでいる。この辺りの山には植林が少ないのは何故なんだろうか。林業なんぞやらずとも生活の糧が他にあったということか?

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鶴巻温泉の街からだいぶ高いところを歩いているはずなのに、右手の谷の住宅街がすぐ近くに迫ってきた。谷奥まで住居があるなんて韓国みたいだな。ちなみにハイキングコースに接している一番奥の建物はラブホテルのようだ。

右手に見えている一段高い山が気になっていたのだが、善波峠上なる分岐点の案内に拠ると高取山という山らしい。案内板には「首都圏自然歩道枝線・野菊と信仰の道コース」と書いてあり、これは秦野市観光協会の「善波峠・高取山・田原ふるさと公園コース」とほぼ同じらしく、大山まで通じているようだ。

弘法山方面に向かうと尾根上までみかん畑が広がり眺めが良い場所がある。本日は大山は雲の中。里のハイキングコース歩きは正解だったな。

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高取山方面


弘法山はタブノキ、ウラジロガシ、イチョウなどの大木が立つ風格のある公園である。お堂には弘法大師の像あり。


東海大学方面から登ってくる道もある。日当たりのよい斜面ではスイセンが開花中。


予定変更して高取山に行ってみたくなり、善波峠上の分岐まで戻り善波峠に向った。峠は切り通しとなっており、頭のとれた野仏が並ぶ。


なんと、ここで雨がパラパラ。日中は雨が降らないだろうと思って傘を持ってきていない。すぐに止んだが、先に進むかどうか躊躇して切り通しの南側に上がって善波峠御夜燈なるものを見に行った。切り通しの反対側の掘っ立て小屋の親父がこちらをうさんくさそうに見ているので感じ悪い。高取山行きは止めて峠から秦野側に下った。

秦野駅方面の案内に従って歩いていくと、秦野国際乗馬クラブ横を通ってめんようの里を経由して、当初のハイキングコースに復帰してしまった。権現山は車で簡単に上がってこれる場所で秦野市民の憩いの場所になっている。

権現山
弘法山


時刻が9時を過ぎてやや気温も上がり少し汗ばんだので、展望台で休憩。秦野市街が一望できる。なんかもの足りないと思ったら、本日は富士山が全く見えないのであった。

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秦野市街


浅間山への下りは階段が続く。浅間山から市街地への下りは急な斜面に設けられた狭いジグザグ道。10名程度のハイカー団体様に道を譲ったのだが、2、3名を除いて感じ悪かった。

広い車道に出て何も考えずに右側に歩き出した。国道246号に至り、道路案内に沿って秦野駅へ向ったのだが、やたら距離が長い。この舗装路歩きで一気に疲れてしまった。ガイドブックを見なかったので遠回りしてしまったらしい。街中を歩くのにくらべたら山歩きのなんと簡単なことよ。

秦野駅を通り過ぎて次のハイキングコースに入った。弘法清水は汚い湧き水を想像していたのだが、水量が豊富であるのに驚く。寒い時期なので清水が生ぬるく感じられた。この一帯は洪積層からの湧き水が多いところで、寿徳寺湧水地の水は尾尻取水場で取水して水道に供給されているとのこと。

小田急線を渡って震生湖方面に向かったのだが、最近造成された場所の道がガイドブックと異なる。こちらのコースは街中に案内がないのでうまく辿れない。やっと震生湖方向を示す案内をみつけたのだが、舗装路歩きで足裏に肉刺ができつつあったのでハイキングを中止して秦野駅に戻ってしまった。このコースを歩くときはジョギングシューズが必要だな。曇りで気温も上がらないので中止したのは正解だったかもしれない。桜がきれいな時期に来て見ましょう。このあたりはあまり梅の花をみかけなかったが、花の盛期を過ぎた大きなロウバイが1本あって良い香りを漂わせていた。

山野・史跡探訪の備忘録