深山湖〜沼ッ原〜麦飯坂(2009年4月)

年月日: 2009年4月18日(土)

行程: 深山湖・鬼ヶ面橋(07:05)〜階段(07:47)〜鬼ヶ面山近くの道路(08:36)〜西ボッチ中腹の廃林道探索(09:45-10:45)〜沼原(10:50-11:20)〜会津中街道道標(12:06)〜車に帰着(13:12)

帰りに幸乃湯近くで撮影


16日(木)夜、久々に早足でウォーキングしたら翌17日腰に違和感があった。会社の階段を登るときも足がやたら重く、頭も冴えない。18日に今年最後の残雪歩きに向かうべく早朝に起きてみたが、寝不足でしばしボンヤリ。もう少し寝ようかと思って暗闇で目覚ましをいじっていたら腰にピキッと来た。やっちまったかぁ?治まりかけていた腰の違和感がさらに増大。痛みはないので歩行には問題なさそう。過去2年より程度が軽いのでとりあえず県北に出発。

先日の大雨で4月頭に降った腐れ雪はほぼ全て消えてしまったと思われる。現在残っているのは古い締まった雪で、多少気温が高めでも歩きやすいはず。気温は3℃程度で無風。昼前に快晴になる予報で、残雪歩きにはまあまあの条件だ。あとは雪の量次第だが、早朝は深山湖周辺の山々には雲がかかっており中腹部の残雪の様子が窺えない。山の上は晴れており、時折雲が消えて大倉山が見える。その様子から判断するに、残雪の量は昨年4月末頃の状態に近い。すなわち、残雪量が少なく藪漕ぎを強いられるということを意味する。これで気が萎えた。昨日の雨でチシマザサが濡れており、体調も悪いので山歩き中止決定。

今年はまだきれいに咲いたカタクリを見ていなかったので、花の写真を撮りながら帰ろうと思い深山湖奥から鬼ヶ面橋まで戻ってきた。ここに沼原を示す道標があるのを思い出し、沼原を散策をしてこようと考えた。2004年に板室温泉から塩沢山尾根を辿って鬼が面山の発電所関連施設に向かう車道に抜け、車道と交差する遊歩道を歩いて沼原に至ったことがある。交差点の道標には沼原の反対方向に深山湖と示されていたので、現在地から登れば2004年に見たあの場所に至るに違いない。遊歩道なら藪で濡れることもない。快晴の下、沼原散策も悪くなかろう。

遊歩道の下半分は、おそらく鬼ヶ面山を経由する沼原発電所と沼ッ原調整池の間の導水管建設時に設けられたと思われる舗装林道の成れの果て。この近辺にいる群れのサルどものトイレになっているようで、路面はサルの糞だらけ。サルは何故か道路に糞をするのを好む。しかも、道路の真ん中ではなく、ちょうど人が歩く場所にするのである。こいつら自分の糞を踏んづけたりしないのだろうか。サルの糞は人間なみに臭いので、新鮮なものを踏みつけると大変である。昨年晩秋に川治の平方山遊歩道を散策後、車に乗り込んだら臭いがモワ〜〜。靴裏に付いた粘性の高い糞が取れず、不本意ではあるが靴を不法投棄して裸足で運転して戻った。幸か不幸か、法面から崩落した岩石でガレガレの場所が多くて常に下を向いて歩かねばならぬ状態なので、糞を踏むことなく歩く。

階段のある場所(標高950m辺り)で廃林道と別れ、ブナの自然林の中の快適な遊歩道を辿る。大川流域では見られないカタクリが多数自生している。まだ部分的に雪が残っていた。広い尾根は積雪量の場所ムラのためチシマザサの区域とミヤコザサの区域が入り混じる。その中にジグザグにつけられた遊歩道を登っていく。このコースを歩く人は少なそうだが手入れ状態は良い。標高1,100m辺りで梢越しに周囲の山々が見えるようになる。予報通り山上は快晴である。

林道交差点を過ぎて鬼ヶ面山山頂傍をかすめて稜線上を沼ッ原調整池に向かう。稜線上には良く締まった残雪の帯が連なり、想定外の残雪歩き。風が吹き抜ける鞍部の雪は黄砂で汚れていた。

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鬼ヶ面山から沼原調整池を見下ろす丘陵までの区間は、梢越しではあるが見晴らしの良い開放的な場所であり、木々の葉が茂る前はとても気持ちの良い場所だ。

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白笹山


沼ッ原調整池南西の1,280m級ピークから沼ッ原調整池を真正面に見下ろしながら下る。2004年に歩いたとき、沼ッ原調整池の周りの道路を歩けると期待して山を下ったら、チシマザサの藪中に道が続くのみで失望感が大きかった。これがこのコースの最大の欠点である。

西ボッチ中腹の廃林道の探索を終えて遊歩道に復帰。沼ッ原調整池を囲むフェンスは残雪の分厚いところから容易に越えることができる。沼ッ原調整池の内側は滑らかなスロープになっていて、落っこちたら這い上がるのは容易でない。これがフェンスで囲んで立ち入らせない理由だろうが、だったら道路の内側にフェンスを設けて道路は公園として開放すれば良いと思うのだが如何か。ごみを投げ入れる馬鹿がいるから無理かな。

沼ッ原調整池からみる白笹山
遊歩道のある1,304mピークと大佐飛山方面


沼原湿原からは大倉山〜流石山が真正面に見える。栃木県で最も美しい場所のひとつだろう。

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体調が悪くて足が重い。平地の雪は稜線部に較べて締まりが弱くて踏み抜けが多いし、ワカンも置いてきた。残雪踏みしめて白笹山に登るのはやめて、東屋で休憩してから大人しく麦飯坂に向かった。

沓石観音は赤い帽子を被った頭部が転げ落ちていた。復元しようとしたのであるが、どうしても頭部が真っ直ぐ座らない。以前見たときはちゃんと載っていたように思うが・・・。あきらめて横に頭部を据えておいた。ちょっと不気味な光景である。

麦飯坂の中間地点まで雪が残っていてやや歩きにくい。雪代で増水した流れに一部が浸かっている状態の丸木橋も渡るのに問題はなかった。後は余裕でのんびり林道歩き・・・といきたいところだが、眠くて体が重い。一方、腰の方は歩いているうちに違和感が消えた。はやく車で寝たい一心で休まず歩く。

大川沿いは草花が乏しい。深山湖奥部の発電施設を過ぎてから白いキクザキイチゲの群落が見られるようになる。


近くに2005年に落石事故で亡くなった息子を父親が追悼する碑が建てられていた。落石注意の表示があるのだが、落石事故が起きそうな場所には見えない。こんな場所歩いて落石に当たるなんて天文学的な確率だろう。橋の欄干に花がそえられていたので、変な場所から深山湖に降りようとして転落したのかもしれない。

帰りに堤頂から残雪の様子を確認。昨年4月29日よりは若干多めという程度で、県境歩きは藪漕ぎに行くようなものである。栃木県の残雪歩きはこれで終了。

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深山ダム堤頂から見る大倉山


山野・史跡探訪の備忘録