袈裟丸山のコウシンソウ(2009年6月)

年月日: 2009年6月27日(土)

行程: 9時間15分(詳細行程は非公開とします。)

例年、6月は最も山行回数が少ない時期。植物に興味があるから動機は十分にあるのだが、天候が安定しないし、アユ釣りの魅力が勝るのがその理由だ。今年の那珂川の不調ぶりは相当深刻らしい。土曜日は天気が好いらしいので、2週間前に続いて山行き。6月の釣行がたったの一回だなんて悲しい。

庚申山に行くのが億劫なので男体山のコウシンソウでも見に行こうかと思ったら、こちらも結構知られた存在らしい。天邪鬼だからコウシンソウとの初対面を求めて再び袈裟丸山に向かった。

右足首の違和感に気をとられていたら廃林道から数m滑落して軽症を負った(その傷のせいで、以後は右足首の違和感は全く気にならなくなった。)。本流筋を詰めるつもりであったのに、何故か支沢に入り込んで予定外の場所に登り詰めてしまい、うるさいハエや小虫がまとわりつく尾根を長いこと歩くはめになった。枝尾根は涼風が吹いている分まだましで、県境尾根は無風快晴で暑くてバテバテ。

誤って詰めた沢
袈裟丸山


厳しい山歩きであったが、コウシンソウとの初対面を果たせて結果オーライ。今回は花期は過ぎていると思われたので、種子を確実に岩壁に落とすのけぞりポーズを期待していた。意外にも開花を拝むことができたし、コウシンソウの特徴の一つである花茎が分岐する個体も確認できた。

コウシンソウは一応食虫植物であるから、その最大の特徴は茎葉にある。一般に目にするハイカーによるコウシンソウの写真は花に焦点を合わせたものがほとんどで葉や茎の様子が判らん。危険な場所で片手で撮影したので鑑賞に堪える写真ではないが、葉や粘毛の生えた花茎を撮影できたので個人的には十分に満足。


今回見た自生地におけるコウシンソウの個体数は少ない。袈裟丸山はコウシンソウが自生するにはぎりぎりの環境なのかもしれない。袈裟丸山で簡単且つ安全にコウシンソウを観察できる場所はないようである。アクセスしやすい場所は盗掘されてしまったのではないだろうか。

画像
小法師尾根


折りしも初夏の花・サラサドウダンが見頃を迎えていた。6月の山歩きも良いものである。


車に戻ってみるとボンネット上に白い花が降り積もっていた。

オオバアサガラ


2週間前に較べるとエゾハルゼミの合唱も参加者が少なくなったように感じる。既に小虫やハエがわんさか発生しているし、7月中旬頃からはアブも出てくる。足尾を快適に歩ける時期はもう過ぎたようだ。

山野・史跡探訪の備忘録