2010年大山詣で

(日向薬師〜大山〜阿夫利神社下社〜蓑毛越〜高取山〜善波峠〜権現山〜秦野駅)

年月日: 2010年1月30日(土)

行程: 日向薬師バス停(09:11)〜(梅ノ木尾根)〜大沢分岐(10:46)〜不動尻から来る登山道に合流(11:14)〜唐沢峠周辺でウロウロ(11:21-12:01)〜大山(12:45)〜阿夫利神社下社(13:50)〜蓑毛越(14:14)〜高取山(15:09)〜善波峠(15:57)〜権現山(16:20)〜秦野駅(17:00)

職場から丹沢方面を見ると、大山、塔ノ岳、蛭ヶ岳が等間隔で並び、真ん中の塔ノ岳の背後に真っ白の富士山がドドンと控える構図が見事だ。遠くの山々の眺めが気分転換にとてもよろしい。

東丹沢(特に大山付近)の地質は凝灰岩であり沢筋が陰気、低山帯は照葉樹が繁茂して地表が暗い、そして嫌な生物がいる。総じてイメージが悪いのだけれども、冬の天気の良い日には快適である。西丹沢方面は4〜5月にとっておいて、今のうちに東丹沢を歩いておきましょ。今年はまだ大山詣でしていないからついでに大山北尾根でも歩いてみようかと考えた。

前日のウォーキングで左足中指つけねに鈍い痛みを感じた。足に少しでも不安があると、金曜夜の準備に気合が入らん。ウダウダしているうちに夜更かしして寝不足になった。暗いうちに起きる気になれず、予定より2時間以上遅れて7時に起床。朝曇りの予報通り青空が見えん。出かけるのを日曜に延ばそうと思い天気予報を確認してみると、日曜は曇りである。貴重な週末の青空の下で体を動かすべく2時間遅れで出発。

伊勢原駅から8:55のバスに乗って日向薬師に向った。伊勢原に会社の研修施設があって過去何度か来た事がある。大山のケーブルカー駅まで歩いたり、太田道灌の塚(首塚と胴塚のどちらだったか忘れた。)を訪ねてみたりと、この地域では一番馴染みがある場所だ。昨年は一度も伊勢原駅を利用していないので久し振り。

バスに乗るとアナウンスで地名の読みを知ることができて面白い。「あろうず」とアナウンスがあった。「アローズ」?英語かと思ったら「洗水」である。教えられなきゃ誰も読めない。ここの日向は「ひゅうが」ではなくて「ひなた」と読むこともバスのアナウンスで知った。日本語の地名は全てルビを振るべき。

日向薬師に向う道は思っていたより狭い。バスの運転手のテクニックに感心しているうちに終点着。登山道入口がどこにあるのか知らないものの、日向薬師の裏側から適当に登れば破線路に入れるであろうと考え、先ず参道を歩いて日向薬師に詣でた。長い歴史を感じさせる参道の雰囲気が良い。凝灰岩を削った参道には大きな玉葱構造が露出している。

日向薬師の山門
日向薬師の仁王像・吽形


日向薬師左奥から駐車場に抜け、梅林を通って山道に入った。南を向いた梅ノ木尾根斜面は温暖で照葉樹が鬱蒼と茂り、山道には凝灰岩が露出し鐘ヶ嶽そっくり。たくさん自生しているヤブツバキの木が開花中で山中に彩がある。尾根を越えて天神キャンプ場に向う道が整備されており、尾根上に出てから浄発願寺奥の院に向う稜線上の道を辿る。490mピークで休憩中の男性に挨拶して先行。奥の院に向う道は次の登りで南面に周り込むので、道と別れて稜線を辿る。

地形図上の梅ノ木尾根の上にある破線は、現在は大山に向う正規の登山道とはされておらず整備もされていない。尾根が北西方向に向う区間では、日向川奥の右俣一帯(この辺りを鍵掛と呼ぶのかもしれない。)のヒノキ植林地帯から間伐作業の音が響いてくる。尾根が痩せた場所から雰囲気の良さげなピークが見える。

674mポイントのあるピーク(鐘ヶ嶽に向う途上にある)


鐘ヶ嶽に続く尾根との分岐(大沢分岐)到着。どちらも踏み跡は明瞭で、辿る人は少なくないようだ。

大沢分岐


大沢分岐から先に岩場が一箇所、ザレた場所が何箇所かある。この手の場所はロープか鎖を這わしておくべきだが、正式な登山道ではないから整備は一切されていない。下りに使うのは避けた方が良いだろう。不動尻から来る登山道との接続点には道標もなく、入口にはロープが張られている。

不動尻からくる登山道への接続点


予定通り唐沢峠に向った。東屋のある場所が唐沢峠らしいのだが、前回通った時は沢に下る道の案内を見ていない。道があるのなら下ってみようと思っていたのだが、タイミング悪く反対側から家族連れが先に降りてきて東屋に陣取って弁当を広げ始めた。なんとなく下降路らしきものが見えるが、東屋にいる連中が気になり入り込みにくい。そのまま素通りして三峰山への連絡尾根に入って昼食休憩とした。

このまま三峰山を越えて仏果山まで足を延ばしてみようかとも思ったのだが、気分が乗らない。再度唐沢峠に行ってみると、またしても別のパーティが休憩中。この東屋邪魔だな。折りしも雲が増えて陽射しが遮られ体が冷えてしまったし、時間的余裕も少ないので、北尾根はあきらめてさっさと大山に向うことにする。50分程度時間を無駄にしてしまった。

989mポイントに向う途上で歩いてきた梅ノ木尾根を一望できる。このコースは大山で最も眺めが良い。

梅ノ木尾根と鐘ヶ嶽(左奥)


登山道の泥は半分融けた状態で、ドロドロのぬかるみという程ではなく歩きやすかった。頂上は大勢のハイカーで賑わっていたので、お参りだけして休まず同じ道を下り、展望台経由で阿夫利神社下社へ向った。阿夫利神社下社の周囲は急峻な斜面が取り巻いており、展望台との間は危険度が高く転落死亡事故も起きたことがあるらしい。一応鎖が張られているが、何かに躓いたはずみで落ちることは十分に起こり得る。こんなところに遊歩道を作ること自体間違いだ。昔からあった登山道は下社左奥から上がる道だろう。

石段を上がってみると阿夫利神社下社は改装中。寺院は人の姿が似合うが、神社には静寂を期待してしまう。よって、観光客で賑わう阿夫利神社下社にはありがたみを感じない。神社の前までケーブルカーがゴトゴトというのも興醒め。何も見ずに神社左奥から蓑毛越に向った。時間も体力も余裕有り。山を降りてきたら再び青空が広がった。大山南尾根を辿って未訪の高取山を通って秦野駅まで歩き通してしまおう。

636mポイント近くから見る大山と浅間山(右手前)


636mポイントを過ぎた地点で午後2時半過ぎているのに登ってくる男性がいた。これから大山に向うとは考えられん。蓑毛越から東西どちらかに下ったと思われる。送電線鉄塔で軽食休憩中にトレランの兄ちゃん2人が走り下っていった。歩きを再開したとき、後続の男性一名の姿を確認。

アオキがびっしり生えた植林の中を100m登り、尾根をダラダラ歩いて最後にもう一登りして高取山到着。伊勢原カントリークラブからの登山道を登ってくる男性の姿があったし、山頂でも一組のパーティが休憩中。この山域は結構人気がある。

念仏山を過ぎると雑木林が多くなり、西に傾いた陽が差込み雰囲気が良い。シカ・イノシシ防護柵を抜けて順調に尾根を辿って善波峠到着。峠を下らずに直進して弘法山に向う道に入り、弘法山山腹のみかん畑の中を通る舗装道路を歩いて権現山に向かった。

弘法山中腹から見た大山南尾根(右手前が高取山、念仏山、善波峠)


権現山広場に至る前に遊歩道を辿って舗装路に抜け、2.6km歩いて秦野駅到着。

山野・史跡探訪の備忘録