奥武蔵ハイキングその4(横瀬駅 〜 武甲山 〜 武川岳 〜 正丸駅)

年月日: 2011年3月6日(日)

行程: 横瀬駅(07:20)〜武甲山登山口(08:37)〜武甲山山頂(10:10-10:30)〜小持山(11:34)〜大持山(12:09)〜妻坂峠(12:43)〜武川岳(13:10)〜名栗元気プラザ(14:15)〜正丸峠(14:43)〜正丸駅(15:24)

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セツブンソウ(正丸・大蔵山地区の民家の庭先にて)


先週、近場で車で出かけるのに良さそうな場所を探してみたのだが、寄居町からさいたま市南区まで戻ってくるのに2時間半もかかった。これなら栃木(さくら市氏家)から帰ってくるのと同じだわさ。車でしか行けない場所を除き、南関東では電車で移動する方がはるかに有利ってことだ。おまけに帰りの走行中に Check Engine のランプが点灯してドキドキ。土曜日にディーラーで診てもらった結果、ノックセンサに異常があるとのこと。部品取り寄せになるので来週の修理を予約し、今週は車を使用しないことにした。てな訳で栃木には行かず、久し振りに電車を使ってのハイキング。

武甲山〜小持山〜大持山の尾根は奥武蔵(というか外秩父)を代表する山域であり、新緑の頃にでも歩いてみようと思っていた。先日TVで得た情報に拠ると、山ガールを呼び込んで秩父を活性化させようとしているらしい。煩悩から脱却するのが山歩きの目的の1つなのに、山中でフリフリ姿されたらたまらんな。山ガールが出没する前に歩いてしまいましょ。

もう1つ目的があった。地形図には武甲山石灰岩特殊植物群落なる表示がある。アルカリ系土壌を好む植物群落があるということはセツブンソウ自生地もありそうだなと思ってウェブで検索してみた。どこに自生するのかは不明だが確かに秩父に自生するらしい。ちょうど開花の季節だし、運がよければ初対面を果たせるかもしれない。セツブンソウといえば星野の里(栃木の石灰岩地帯にある一地名)が有名だが、ちっこい花を見にわざわざ粉塵巻き上げて葛生方面に行く気になれず、まだ見たことがない。

横瀬駅から仰ぎ見ると削りとられた武甲山の北側斜面が真正面に聳える。登山口がある東側の生川に向けて歩いていく間、車道の左右に断続的に石灰関連の事業所がある。子供の頃から秩父といえばセメントや石灰のブランドのイメージしかなかった。まさかこの齢になってその本拠地を訪ねるとは思わなかった。

横瀬駅から登山口まで距離5km以上・標高差270mの登りであり、山登り始める前に結構な運動となる。

武甲神
       


現在も利用しているのかどうか不明の別荘地の近くに武甲神なる神社がある。正丸峠からの下りで見た関東ふれあいの道の説明に拠ると、秩父では2月の初申に山ノ神を祭るお申講が今も行われているそうである。本日見たどの神社も祠も祭りの形跡があった。

前回のハイキングで二子山から撮った写真を見ると、武甲山の登山道は延々と植林地の中を登るのでつまらなそう。自然林が残されている尾根に取り付いて登ってみようと思ったのだが、取り付き地点を見過ごして登山道入口まで来てしまった。狛犬(狼)が左右2匹ずつ居る。

武甲山登山口
       


駐車場には車が12台。見晴らしの全く無い退屈な登山道を往復する人が結構居るな。茶屋や別荘もしくは住居らしきものが数軒ある。登山道は予想通り特に見所なし。丁目石があるところがいかにも信仰の山らしい(山頂が五十丁)。

標高1,000mで尾根上に出た辺りから積雪が増えて登山道がツルツル。アイゼンを所持していないので道から離れて植林地の中を適当に高みを目指して登った。そのうち右手に明るい自然林が見えてきたので、自然林に移動して雪の無い斜面を上り、シカ道を辿って石灰岩採取地の縁に出た。一般登山者が入り込むことを想定していない場所のため柵も立ち入り禁止の表示も無い。

標高1100mの採取地を見下ろす(粒粒は大型ダンプカー)
削られた斜面


段々に削り取られた斜面には車道があるのだ。つまり石灰岩採取業者は表側から山頂直下まで車で上がってくることができる。

本日は予想していた以上に良い天気だ。日本アルプスを見たのはたぶん初めてだと思う(若い頃一度だけ長野県に行ったことがあったが、大雨が降って山並みは一切見えなかった。)。一応立入禁止区域なので、山頂までの行程は省略。

武甲山山頂
武甲山神社
狛狼


閉鎖中のトイレ横のベンチで軽食休憩してから小持山方面に縦走開始。地形図に拠れば神社から少し下った場所に十字路があるらしいのだがそれらしき場所も道標も見当たらない(東側のトイレ方面に居たので気づかなかっただけかも。)。地形図も方位磁石も所持していたのだが、ザックの奥から方位磁石を取り出すのが億劫で南方面を確認せず。地形図では縦走路の左右が植林になっているので、十字路は植林地の中にあるのだろうと思い暗い植林の中から上がってくる登山道を下り始めた(登ってくるとき登山道を使っていれば間違うことはなかったと思う。)。標高1100m付近まで下っても分岐点が現れないので道の選択を誤ったと判断し、西側へトラバース開始。約500m山腹を移動して縦走路に抜けた。縦走路の西側はカラマツの植林地で明るく眺め好し。丹沢の雰囲気に少し似ている。

小持山と大持山(武甲山の下り標高1,150mから)
武甲山南側の容姿(小持山山頂から)


小持山北側の稜線は所によって20p近くの積雪があった。日当たりの良い場所は雪や霜が融けて丹沢みたいにドロベチョグチョ状態。この尾根は人気があるようで、小持山から下ってきた男性3人組みを最初に大持山まで遇ったハイカーは約20名。ちょうど昼飯時ということもあって、縄張りを主張する野アユ?いやてっぺんに座るサルみたいにどのピークにもハイカーが陣取っていた。小持山と大持山の中間ピークから見る県境方面の眺めが良い。

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大平山〜酉谷山方面


鳥首峠方面に向かう縦走路と分かれて妻坂峠へ下る。遠目には幅広で緩やかな尾根が気持ち良さそうに思えたのであるが、ぬかるみと雪で滑りやすい。勾配がきつくなる標高1,000m以下ではさらに歩きにくくなる。武川(たけかわ)岳が遠く見えて気が萎えそうになる。妻坂峠から生川に下りたい誘惑を抑えて超ゆったりペースで武川岳に登り返した。

武川岳から名栗元気プラザ方面に下った。地形図に記載はないが、909mピーク(見晴台)から641mピークを経由して林道を跨いで名栗元気プラザに下る道がある。巻き道が少々危険で歩きやすい道ではない。名栗元気プラザから正丸峠まで1km強の車道歩き。マンサクの花がきれいだ。栃木の家に残してあるマンサクも咲いているかな。

峠の茶屋の横を通って薄暗い植林地の谷を下り大蔵山地区の舗装路に抜けた。一軒の民家の庭でフクジュソウが見事に開花していた。セツブンソウもあるのかなとの期待通り、道路から観察できる一角にセツブンソウが植栽されていた。良いものを見せていただきました。

山野・史跡探訪の備忘録