大山祇神社参拝(2011年11月)

年月日: 2011年9月24日(土)

大山祇神社に関してはサイト: 会津神社仏閣 会津六詣出を参照。

3連休に女房の予定が入っていないので、連休初日の金曜日に女房と2人で猪苗代の実家に向った。かねて母が大山祇神社に行きたいと言っていたので、大山祇神社詣でが今回の帰省の主目的である。

翌土曜日、両親とともに父の車で野沢へ。野沢は過去に2回車で通過したことがあるだけ。凝灰岩特有の地形が特徴的。国道49号線から大山祇神社に向う途上でころり三観音の1つである鳥追観音に立ち寄った(中田観音、立木観音、鳥追観音はころり三観音と称される。会津の人はできるだけ元気に長生きして死ぬ時は苦しまず身内に迷惑をかけずころりとあの世に逝けるよう、ころり三観音を詣でて願をかける。)。これで俺も女房も三観音詣で達成だ。

大山祇神社の御本社は大久保集落にある遥拝殿からさらに4km奥に位置する。母は過去に2度詣でたことがあるが、年老いて足腰が痛む今は無理。女房も外反母趾で長距離を歩くのは無理。ということで、母と女房を残して父と二人で遥拝殿前の駐車場から歩いていく。

駐車場から林道を少し下って中野川の橋を渡る際、川原にグリーンタフ由来の石が多数含まれていることに気づいた。この辺りの地質は全て凝灰岩で脆く、硬い花崗岩やチャート類の岩石が存在しない。笹類は概ね少なく、まばらなチマキザサの群落をみかけるのみ。地質と植生の点で東丹沢や鬼怒川温泉周辺に似るが、ヤマビルが出るという話は聞かない。林道の法面側には延々とキバナアキギリ、ツリフネソウ、ミゾソバが満開。クリの木が少なく(沿道で全く見かけなかった。)、クルミの木がやたらと多い。これは西会津一帯に共通するように思う。

大山祇神社の大杉の参道が現れるのは御本社に近づいてからのこと。前半部は林道歩きがほとんどで、不動滝と矢作の滝(地形図では弥作の滝)がアクセントとなる。

不動滝
矢作滝


矢作の滝に降りる道が滑りやすく少々危険。滝から上がったとき、御本社から一組が戻ってきたところだった。女性が、「ここからすごいよ。もうほんとにずっとすごい登りなんだから。」と言う。普段山歩きしない人にとっては確かにきつい。延々と登りが続き、勢い良く歩くと発汗する。

後半部は杉林の中に昔の道筋が残されているので退屈しない。202段の石段がいちばんきつい場所と思うが、迂回路の林道の勾配もかなりのもの。

画像


スイスイ登ったは良いがしこたま発汗した。父がバテ気味なので階段を上がったところにあるベンチで休憩。

階段を過ぎると勾配が緩む。大杉の参道は階段と御本社の間にある。父は母と連れ立って歩いたときのことを思い出しながら母へのみやげに写真を撮っていた。

林道終点には店が一軒あって営業中。

左手前に小さい沢が流れ下ってきており、この水を利用した手水がある。まだ台風15号の影響が残っていて若干水に濁りが認められる状態であった。手水の中に黒いカエルが居たのには笑ってしまった。

画像
御本社前


訪問時は予備知識がなくて、てっきり大久保集落の建造物が本殿でこちらが奥の院であると思っていた。人里から離れた場所にある社にしてはたいそう立派な作りをしている。それもそのはず、こちらが御本社で、麓にあるのは遥拝殿なのであった。

御本社(正面)
御本社(右手前から)


神社奥の中野川源頭部は美しいブナの自然林であり保護されている。紅葉の時期に来たら美しいであろう。

好天の休日であるのに往復2時間半の道中で遭った参拝者は20名足らず。会津六詣出の1つにしてはちょっと寂しいか。ひっそりとした雰囲気を好む嗜好に合う。もっとも、例大祭時は大久保集落に行き着けないくらいの車の渋滞が発生してたいそう賑わう。

帰りは林道歩きで順調。久し振りに野生のホップの香りを嗅ぎ、体調10p程度で首の後ろが鮮やかな黄色の美しい小ヘビにも遭遇(後で調べてヤマカガシの子供であることを知った。9月頃に孵化するのだそうな。)。遥拝殿に帰り着いたときには母と女房が駐車場で暇持て余していました。

野沢の道の駅でおいしい天ぷら蕎麦を食べ、柳津に詣でてから帰宅。

山野・史跡探訪の備忘録