中津川と蒲谷地で紅葉狩り(2011年10月)

年月日: 2011年10月17日(月)

本日は晴れ後曇りの予報につき、翌日に黒沢越えが控えていることもあって、実家の近場で短時間でお手軽な紅葉狩り。

最初に向ったのは紅葉の名所・中津川渓谷。例年紅葉の時期は最も人出が多いのであるが、今年は震災復興対策の一環で有料道路が無料開放されているため、平日でもやたらと車の往来が多い。いつも料金所の無い市沢側からレークラインに入って出てくる自分にとっては単に迷惑なことだ。レークライン沿いはウルシ類の紅葉が鮮やかであるが、車を停めて見入る余裕は無い。

幸い、レストハウスに駐車することができた。行楽客を避けて中津川に架かる橋を渡り右岸の薮を下って廃林道に降り立ち、上流に向った。写真撮影スポットを求めて右岸の廃林道に入ってきている人達が数組みいた。川べりの藪中でカメラマンが被る白い遮光布が音も無くモゾモゾ蠢いている。

通行止めの橋を左岸側に渡ってしばらく進むとかつての中津川登山道分岐(中津川林道鉄道の下の土場)に至る。2006年当時在った「中津川遡行者に告ぐ」と書かれた案内標示は撤去され、新たな注意書きが建っている。既に廃道化して登山道の体を成していないのであるが、中津川登山道の標識はそのまま残されている。

画像


中津川登山道の途中までは金掘集落経由で来る林業関係者の車がたまに入り込むので道路上に薮が無い。吾妻山の空模様が怪しいので、薮化した地点で引き返し、何度か中津川に降りて紅葉観賞。出かけるタイミングが遅くて、写真撮影する頃には青空が消えてしまった。

吾妻地区の山林にはコマユミが多い。
中津川定番の眺め
(レークラインの橋上から下流側を見た図。正面は白布山。)


時間が余ったので近くの蒲谷地(がばやじ)に寄ってみた。集落入口の神社が蒲谷地から姥ヶ原に向う登山道の入口となっており、林道建設以降歩く人は絶えて久しいが、今でも登山道の標示が残る。

旧登山口
神社の石祠


祠の先は登山道の消滅度が進み、判別が難しくなっている。


神様右手の薮に消えかけた小径を数十m進むと大倉川側から上がってくる道に出合う。大倉川左岸の尾根を皆伐した時に材木搬出に用いた林道であり、伐採終了後は放置されたままであるが、吾妻山火山灰の粘土層が剥き出しになって植物が進出しにくいために傾斜のある区間は薮無し。勾配の無い区間は腐葉土が蓄積するためにススキで薮化して歩きにくい。林道の反対側の終点を少し歩いたことがあるので、中間部の様子を探るべく尾根を辿ってみた。


皆伐されて10年足らずであり、植林せずに放置されたため、一斉に伸びた広葉樹はいずれも丈10mに満たない。カエデ類の潅木が多く、単に色付きを評価するのであれば中津川に優る。茶臼岳が見えない姥ヶ平の紅葉みたいなもの。


個々の木々は美しいものの、光景に変化が乏しい上に薮が鬱陶しくなってきたので途中で引き返した。

山野・史跡探訪の備忘録