奥武蔵ハイキングその7(見晴し 〜 蕨山 〜 有間山 〜 日向沢ノ頭 〜 棒ノ峰(棒ノ折山)〜 河又)

年月日: 2011年12月24日(土)

行程: 有間ダム南岸の駐車地出発(07:01)〜金毘羅神社跡(07:40)〜大ヨケの頭・771m(08:27)〜藤棚山(09:01)〜蕨山(09:24)〜有間山・橋小屋の頭(09:57)〜有間山・タタラの頭(10:24)〜有間峠(10:51)〜日向沢ノ峰(11:37-11:51)〜棒ノ折山(13:28)〜河又(14:51)〜駐車地に帰着(15:17)

寒いし遠出するのが面倒で、もう今年は山に行かないつもりであった。3連休初日は風が強かったので、ちょっと買い物に行った以外は終日家に引きこもり。二日目は微風快晴が期待されたので、天気の好い日に歩こうと思って前回(奥武蔵ハイキングその5)中断した有間川の周回にでかけた。前回と同じコースではモチベーションが上がらないので、本日は左回りして棒ノ折山から下る。

河又のさわらびの湯の駐車場は早朝開放されていない。河又に駐車する場所が無いので、やむなくダム南岸の駐車地(前回と同じ)に車を置いた。気温は氷点下2℃。

ダム堤頂を渡って戻るとき北岸道路沿いに園地らしきものが見えた。近道を期待して行ってみると、扉に鍵は無く、縦走路の見晴しに上がる近道が利用できた。尾根上は谷底に較べて暖かく感じる。

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名栗湖(有間ダム)


尾根上の歩道は名栗湖ネイチャートレイルとして整備されており、歩きにくい箇所無し。

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中登坂(何処が相当するのかよく判らなかった)に向かう途上、秋葉大権現なる石祠(文化十二年三月の建立)があった。書籍:東京「駅名」の謎(谷川彰英氏著、祥伝社黄金文庫)に拠ると、秋葉原の名は江戸時代に火防の神様として遠州春野(現浜松市)から勧請した秋葉(あきは)神社に由来するという。ということは、この石祠もこの地の火防の神様として祀られたものであろう。

秋葉大権現


金毘羅山前後は矮小な笹に被われた気持ちの良い場所。大持山〜妻坂峠〜武川岳の稜線や、武甲山、二子山がよく見える。間伐されて明るい尾根南側のヒノキ林には、ヤマザクラの苗木が多数植栽されている。あと20年もしたらヤマザクラで有名になるかもしれない。


地形図に記載の無い未舗装林道が炭谷入側から上がってきて有間川側斜面に回り込み、以後しばらく尾根直下を並走する林道を左に見ながら尾根を辿って大ヨケの頭到着。東京湾が輝いていた。

藤の蔓一本すらない藤棚山三角点を経て、ワラビの生えそうにない蕨山到着。樹木が邪魔であまり写真撮影に向く場所ではないが、見晴しそのものは悪くない。

有間山に向かう道は霜柱で浮かび上がっていて、一歩毎に踏み抜けて歩きにい状態であった。再び未舗装林道を跨いで急登して有間山・橋小屋の頭到着。

大持山方面 橋小屋の頭にて


有間山とは有間川奥部の秩父・飯能境界尾根の総称である。橋小屋の頭から最高点のタタラの頭まで稜線が矮小な笹に被われ雰囲気も眺めも良い場所である。

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タタラの頭


北側斜面に一週間以上前に降った雪が残っており、踏まれ方からして歩いた人の数は多くないようであった。

有間峠
有間ダム方面


残り時間が気になるのでスズタケのストロー藪に被われている不快な仁田山を回避し、林道・日向沢線を進んで、送電線鉄塔の巡視路のある場所で尾根道に復帰。林道・日向沢線によって削られた法面には複雑な褶曲構造が露出していて面白い。

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送電線鉄塔からの眺め(棒ノ折山方面)


昼前であるのに日向沢の頭には人の姿無し。残念ながら本日も富士山は見えず。

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雲取山〜芋木ノドッケ・白岩山


日暮れまでに4時間を確保できたが、できるだけ明るいうちに下りたいので日向沢ノ峰から棒ノ折山までノンストップで飛ばしていく。1087mピーク西方で単独行者を見かけたが、当方は不明瞭な巻道を利用して稜線を回避したので挨拶は交わしていない。あの時間にどこに向かったのだろうか。

北の空はすっきりした青空だが、背後から雲が発生して陽が遮られ雰囲気が悪い。長尾ノ丸(長尾丸山)も邪魔な存在だ。巻道があることは前回の経験で承知していたが、巻道のある場所まで登るのすら嫌で、獣道を利用して巻いた。

林道・日向沢線に降りて棒ノ折山をパスしたい気持ちを抑えて尾根通しで棒ノ折山到着。いくら人気の山でももう誰も残っていまいと思っていたら、湯を沸かして食事中のハイカーが2組いた。暗いので午後3時の様な雰囲気でも、デジカメで時間を確認してみるとまだ午後1時半である。道理で。棒ノ折山から川又まで2時間半確保できてようやく気持ちに余裕ができた。

権次入峠に向かう途上で男女一組、権次入峠直下で男性単独行者が登ってきた。これから登ってくる人は泊るつもりなのか?

塔ノ岳のバカ尾根ほどではないが、河又までの長い下りがきつい。権次入峠に手袋を置き忘れて50m程度登りなおす失態もあって、脚に疲労を覚えた。午後3時前でも日陰の植林地内は暗く雰囲気悪し。


さわらびの湯入口のトイレで顔を洗ってから駐車地に戻った。排水トンネル内で工事が行われていたらしく、駐車地前のダム施設の排気口から工事用車両の大きな音が響いていた。

標高1,000m以上は終日氷点下だったようだ。衣服や手袋で体温調整して過度に発汗することなく快適な山歩きだった。しかしながら、今年は運気が悪いようで、帰りに右折禁止違反で32年振りに切符を切られ2011年の山歩きの気分悪い締めくくりとなった。

山野・史跡探訪の備忘録