足利県立自然公園(織姫神社から名草まで)

年月日: 2012年1月9日(月)

行程: 織姫神社駐車場出発(08:22)〜両崖山・足利城跡(09:05)〜大岩毘沙門天立寄り(10:04-10:09)〜大岩山(10:22)〜石尊山(10:39)〜(無駄歩き約10分)〜行道峠(11:12)〜関東ふれあいの道復帰(11:21)〜(下りの尾根間違いで無駄歩き約10分)〜馬打峠(11:47)〜藤坂峠(12:56)〜名草巨石群に向かう舗装路出会い・名草巨石群の200m手前(13:26)〜臥龍院バス停(14:00-14:11)〜足利学校前(14:37)〜織姫神社に帰着(15:22)

ポピュラーなコースであるため行程の詳述はしません。「名草巨石群まで7.2km、浄因寺2.5kmの道標」〜馬打峠の間を除き、烏ヶ森の住人さんの2005年の記録とほぼ同じ。

3連休の初日に横浜の医者に行った帰りに街中散歩したら右膝に違和感があった。翌日は脚を休めて、3連休の最終日、体を動かすべく今年の初歩きにでかけた。行く先は栃木県足利市。2006年末にMTB利用して歩こうと思ってでかけたものの、市内を車でウロウロする間にヤル気が失せて未遂となった。足利市は旧住所(さくら市)から遠くてでかけるのが億劫で、それ以来近づいたことがなかった。今では現住所(さいたま市)から最も近い栃木県の山域である。関東ふれあいの道として整備され人気のハイキングコースである織姫神社〜両崖山〜行道山〜名草巨石群のコースを歩いてみる。

織姫神社から名草巨石群まで全長10数qある。往復する気にはなれんし、車道を歩くにしても帰り着く前に暗くなってしまう。今はMTBを所有していないので足利市の生活路線バス・名草線を利用するしかない。バスで入名草まで行き名草巨石群を見てから尾根を歩いて戻ってくる方が時間的余裕の面で良さそうだが、太陽を正面にして歩くのが難点。よって、織姫神社駐車場に車を置いて北上し、帰りにバスを利用することにした。午後の便が入名草14:09 発のみであるため残り時間に留意する必要がある。

電子国土ポータルの印刷機能がお粗末で地形図を準備するのが面倒だったので、PCで地図を何度か眺めて主要な地名と位置とおおざっぱな道筋を頭に入れ、地図無しで出発。先日、関東ふれあいの道「棒ノ折山・白谷沢コース」で予備知識も地形図も無しで歩いて酷い目に遭ったばかりであるが、今回は尾根コースであるので地図無しでも問題ないであろう。車の運転の方が心配であったが、国道122号線から館林市を経由して国道50号に抜ける際に一度道に迷っただけでほぼ順調に織姫神社の駐車場に到着。駐車場から直接遊歩道に入り適当に上を目指す。


<織姫神社〜両崖山>

足利市民の憩いの場であり、織姫公園の駐車場に車を置いて両崖山まで早朝散歩する人が多いようだ。

両崖山南・標高200m付近からの眺め (08:57)


織姫公園を過ぎて右膝の違和感が復活。状態によっては山歩き中断の可能性もあるので、慎重を期して抑え目に歩いていった。

両崖山は山城の跡であるとのことだが、山頂はとても狭くしかも飲料水を確保できない場所であって、常時多くの人が生活することはどう見ても困難。非常時に立て篭もる砦であったと推測する。

両崖山 (09:05)



<両崖山〜石尊山>

両崖山の北側まで早朝散歩する人はさすがに少ない。静かな尾根歩きを期待したが、おと坂の北側のピークでしつこくヤッホー、ヤッホーと叫ぶオヤジが一人いて雰囲気ぶち壊し。

舗装林道を跨いで北上すると稜線からの眺めがよろしい。

北関東自動車道・大岩トンネル上から (09:41)


尾根を北上すると正面の山の中腹左側に寺院らしきものが見えてくる。舗装林道を跨ぐ場所の道標に書いてあった大岩毘沙門天らしい。尾根コースから逸れて大岩毘沙門天に寄る道が無さそうに思われたので、ほぼ同程度の標高でみつけた廃道を進んで斜面を水平に移動。途中で現役の連絡道に抜けた(尾根コース上の大岩毘沙門天よりも標高の高い見晴らしの良い場所から大岩毘沙門天に通じる道が在る。)。

大岩山毘沙門天由来には聖徳太子とか行基とか真実とは思えないようなことが書いてあるが、雰囲気の良い古刹である。正面の彫り物も見事だ。

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尾根上のコースに戻って大岩山(417mピーク)到着。テーブルとベンチがあるだけで眺望は無し。その北の石尊山(三角点峰)は眺望に優れる。

石尊山山頂から見る赤城山(10:39)



<石尊山〜434mピーク(行道山)〜行道峠>

関東ふれあいの道はどんどん浄因寺に向けて下っていく。これでは尾根歩きにならないので、途中から尾根上に引き返し踏み跡の不明瞭な稜線を辿った。地形図上は破線が記されているが、遊歩道は整備されていない。足利県立自然公園の縦走コースは標高が低く、生えている笹はほぼ全コースでアズマネザサ(篠竹)であるのだが、例外的に434mピークのみスズタケに覆われており全コース中最も雰囲気良し。

434mピークを行道山と称する資料もあるが、本来の行道山とは浄因寺および石尊山を含む一帯を総称する名称であって、根本山や氷室山同様、どこが山頂であるかは意味がない。

434mピークのある尾根(10:59)


踏み跡が信用できないし地形図も準備してこなかったため、434mピークの北側の下りで標高300m付近で進路の選択に迷った。結果的に選択を誤り、深入りしないうちに植林地を突っ切って正しい尾根に復帰。

至った鞍部はアズマネザサが繁茂し道が不鮮明である。かつての峠道であったことを示すものは行道峠と書かれた簡素な道標のみ。


<行道峠〜馬打峠>

藪化しているとはいえ行道峠はかつて尾根越えの人馬の往来があったとことを偲ばせる地形だ。一方、峠道と直行する尾根上の破線路に相当する道があったかどうかは疑わしい。峠の北側には明瞭な踏み跡が無いのだ。

峠北側の藪尾根をしばらく登っていくと関東ふれあいの道に出た。休憩中の男性ハイカーに「ここを行くと何処に行くんですか?」と問われた。「行道峠を経由して関東ふれあいの道に出ますよ。」と答えたが、今居る場所が関東ふれあいの道なのだから、意味が通じなかったかもしれない。

全コースのほぼ中間点に位置する馬打峠に達していないのに時刻は既に11時20分を過ぎている。この辺りから気持に余裕が無くなった。道の状態が良いし脚の違和感も消えたのでギアを上げて飛ばし気味に行く。

関東ふれあいの道はまたしても尾根筋を外れて東側に下っていく(後で知ったことだが、馬打峠の鞍部勾配がきつく上にさらに切通しになっているため、尾根東側から安全に峠に至るように道がつけられている。)。これでは面白くない。なんとなく馬打峠に近いところまで来ていることは判るので藪の稜線を辿ったのであるが、下り勾配がきつい。隣の尾根が正解であるような気がしてきて迷いが生じた。どの尾根を下っても正解であるという気がしない。迷っているうちに時間だけが過ぎていくので、ダメ元で植林された谷に下り登り返すことにした。結果的に馬打峠北西の谷に降りて約50m登り返すことになり、せっかく飛ばして稼いだ時間的余裕を使い果たした。

植林された谷底は狭く詰めも勾配がきつくて、とても峠道があったとは思えない険しさである。車道から日常的に生活ゴミを投げ捨てるバカな住民がいるため、谷底にゴミが散乱している。植林斜面を車道まで這い上がり車道を歩いて峠に到達。切通しになっている現在の姿から昔の峠の様子正確に知ることはできない。関東ふれあいの道が峠を跨ぐのに尾根筋を外れる理由が良く解った。

馬打峠(11:47)



<馬打峠〜藤坂峠〜名草巨石群手前>

雰囲気の良い静かなハイキングコースなのに楽しむ余裕無し。走りこそしなかったものの、馬打峠からは可能な限り飛ばした。反対側から歩いてきたハイカーが1名いた。おそらく入名草から時間に余裕を持って歩いてきたのであろう。自分もそうすれば良かったかもなと思ったけれども、そもそも出発が遅かったのが余裕が無くなった原因であって、尾根を北上する選択は間違いではない。

藤坂峠到着時点が12:56。地図が無くて藤坂峠からどれだけの登りが控えているのか不明。名草巨石群を見学してから入名草14:09 発のバスに乗るのは無理かもしれない。このまま車道を名草に下ってしまえば問題ないのだが、それではあまりに悔しい。時間が足りないようなら名草巨石群は次回の赤雪山訪問時に回すことにして縦走続行。

藤坂峠北側は眺めの良い明るい尾根である。時間に余裕があればゆっくりしたい所だ。長い登りがきつくてとても腹立たしく感じられる。

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尾根が山体にぶち当たり、名草と松田に下る道の三叉路(T字路)に到達。延々と続く階段道を下って林道終点に抜ける。関東ふれあいの道は再び林道と別れて谷沿いに下っていく(名草巨石群に行くのであれば林道を歩く方が楽であると思われる。)。

舗装路に抜けた場所は最終目的地である名草巨石群まであとわずか200m。時間的には行っても間に合うような気がするが、勾配がきつい登りだし、入名草バス亭がどこにあるか知らず徒歩の所要時間が不明で果たしてバス亭が見つかるかどうかも不安。安全策をとって、名草巨石群訪問をまたの機会に回してバス亭に向かった。結果的に、入名草バス停到着時点で20分以上時間に余裕があったので2つ先の臥龍院まで歩いてバスに乗った。料金は区間を問わず¥200。とても感じの良いバスである。

足利学校前で下車し、足利学校を見学し、隣の鑁阿寺(足利氏邸跡)を通って織姫神社に参拝して車に帰着。帰りの122号線が部分的に渋滞して、2時間半以上要した。今後足利に行くときは電車利用するに限るな。

山野・史跡探訪の備忘録