奥武蔵ハイキングその10 越辺川源流

年月日: 2012年4月25日(水)

行程: 獅子ヶ滝(11:36)〜獅子ヶ滝の先で分岐する左の林道を進んで登山道に入る(11:48)〜昼食休憩〜諏訪神社(13:10-13:20)〜黒山から来る車道に抜ける(14:10頃)〜獅子ヶ滝に帰着(15:16)

定期券を紛失した。すぐに再発行手続きしたが、再発行は翌日7:00以降である。本日出勤すれば往復自腹で、しかも始業に間に合わないので午前中休暇にするしかない。本日は欠かすことのできない特別な予定は無いので全日休暇とした。毎年付与される年休の半分も取得できていないから、年休消化の口実によかろう。

奥武蔵の植林地に広範囲に自生するシャガは例年4月下旬に満開となるらしい。今年は春の訪れが遅かったのでまだ咲き初めかもしれないが、こんな機会でもないとシャガ見に行く気になれないだろう。

ただシャガ見るだけではつまらんので、未訪の毛呂山町阿諏訪川の獅子ヶ滝から諏訪神社〜顔振峠〜傘杉峠〜黒山三滝とつないで戻ってくるつもりで、自家用車で向かった。越上山一周というか、越辺川源流地域のミニ周回である。

獅子ヶ滝〜諏訪神社

獅子ヶ滝手前にある広場には、この辺りの地権者(ユートピア牧場主)により「此の広場はUターン場につき駐車はしないで下さい。」と表示されている。そう言われても、林道沿いに駐車するスペースが無いし、牧場はとっくに廃業しているようなので、隅に置かせてもらった。

獅子ヶ滝 (11:39)


獅子ヶ滝入り口にある休憩所が使用されているようには見えない。滝の高さは4m弱か。水量少なく、わざわざこれだけ見に訪れる価値は無い。

道路は獅子ヶ滝の懸る阿諏訪川右俣を渡ってすぐに分岐する。右手の道は獅子ヶ滝のある阿諏訪右俣奥へ向かう。登山道表示がある左俣の谷奥に向かう道に入った。黒山三滝付近のシャガ群生は見事なものだが、阿諏訪川の源流域にもシャガが多い。残念ながら大部分まだ花茎を伸ばしつつある段階で、一斉開花まであと数日の状況。日当たりの良い場所だけ開花していた。

シャガ(登山道入り口にて) (11:49)


歩く人は少なそうだが道は歩きやすい状態である。伐採されて開けた場所を過ぎて再び植林尾根に入ったところで人の声が聞こえた。林業関係者かハイカーか不明だが山道傍らで昼食休憩しているようであった。その前を通りたくなかったので伐採地に戻って昼食休憩。

昼食後、別ルートから尾根上に復帰。この辺りの山は9割方植林であり、植林されていない場所はコナラとヤマザクラが多く、ヤブツバキが混じる。至る所でヤマザクラの花びらが舞い降りてきた。

ヤマザクラ舞い散る (12:29)


さきほど昼食休憩していた人たちが登山道を登っていくのが見えたので、登山道から離れて尾根筋の植林地を登っていった。尾根筋には九十九折れの作業道の名残があり、辿るのは楽。日和田山方面から来る遊歩道に抜ける寸前に予期せぬイワウチワに出遇った。数は少ない。この近くの鼻曲山にはイワウチワが群生するそうだ。


遊歩道は尾根西側にあるため、越上山が見える場所はほとんどない。

越上山 (12:43)


間もなく尾根上の車道に抜けた。林道・笹郷線との三叉路の先の遊歩道は2010年11月に歩いたことがあるので、今回は車道を歩いてみようと思った。ところが車道はどんどん高度を下げていく。諏訪神社に登り返す量を減らすべく、植林地を約70m登って遊歩道に復帰。

遊歩道はほぼ平坦なトラバース道なので快適。遊歩道沿いにあるトウゴクミツバツツジは花が終わりつつあった。新緑の山肌にヤマブキとキケマンの黄色が目立つ。

キケマン (13:08)



諏訪神社〜獅子ヶ滝

諏訪神社の公衆トイレは壁に向かって放尿する旧いデザインである。タイル貼りできれいなのだけれども、落下した小便が跳ね返るのが良くない。駒高集落近くの公衆トイレも同様である。数十年前の地方の駅の便所は大抵このタイプであった。奥武蔵以外では、10数年前の韓国の高速道路サービスエリアで見たのが最後。

トイレ近くに黒山方面に下る道の案内標示があった。「滝がたくさんあります。」と表示されている。出発が遅かったのに加えて道草しすぎて予定よりかなり遅れている。天気も冴えない。黒山三滝に行ってもどうせシャガは開花していない。よって、コース縮小決定。

沢沿いの道は細く、崩れた場所も多くて快適とは言い難い。何故かこの谷にはシャガが全く見られない。代わりにコンロンソウらしき花を見つけた。キケマン同様、大きくなると可愛く感じない草だが、此処のは小さくて可愛い。

コンロンソウ? (13:23)


徐々に水流が出てきて沢両岸が険しくなり、沢沿いに滝を見るための踏み跡が分岐している。確かに滝とされている段の数は多いけれども、最大でも3m程度で、ほとんどは滝とは言い難い。水量少なく、ごく普通の低山の源流である。


黒滝から登ってくる車道(林道・笹郷線)に出て、車道を歩いて越辺川起点を経由して、途中から車道を離脱して越生町チャレンジコースでもある破線路を辿って越生町と毛呂山町の境界尾根に上がった。尾根上は桂木観音から鼻曲山を経て登ってくる明瞭な登山道と峠道の十字路になっている。

峠の反対側に続く道を下ると393.8mピークをかすめて獅子ヶ滝から離れた場所に下ってしまう。よって、尾根上の明瞭な登山道を少し南下して獅子ヶ滝への下降路を探してウロウロ。持ってきたマピオンの略図に記された道に相当する明瞭な道の接続点が見つからない。案内もない。よって、方位を確かめて不鮮明な道らしきものを追って尾根を離脱。途中から山仕事用の古い道を辿り下っていくと現役の道に合流した。峠の反対側に下れば途中で道が分岐してここに降りてくるのかもしれない。地形図では越生町と毛呂山町の境界尾根付近の破線路の存在及び接続関係の記載が不十分である。

この道は獅子ヶ滝の上流に向かう林道の終点に出てくる。ここにも道の案内は無い。ハイカー姿の男性が1名、道傍らに伸びたシダを樹木剪定用の鋏でシャキンシャキンと切除していた。登山者のための行為ではなさそう。この山の持ち主なのかな?

山野・史跡探訪の備忘録