中津川渓谷再訪(様子見程度)

年月日: 2012年8月16日(木)

行程: 中ノ沢放水口横の駐車場から中津川森林軌道跡の銚子ノ口の崩落地点まで往復

15日夜の天気予報に拠れば晴れ間が期待できるのは16日だけのため、当初予定していた山歩きは全て取り止め。前日夜にまとまった雨があって午前中は藪が濡れているであろうから、朝寝坊して2、3時間軽く運動するつもりで中津川に向かった。

2006年の中津川遡行時、崩落が進む銚子ノ口の左岸崖を見て軌道跡を進むのをあきらめている。安全最優先で下した判断は結果的に正解であったのだが、本当に人間が突破できるような状況ではなかったのだろうか。自身の山歩き経験で最も過酷で危険を伴う山歩きの一つであり、あまりにいろいろあったもので記憶が曖昧だ。軌道跡の荒廃ぶりをもう一度確認するのが主目的である。

中津川から取水した水を中ノ沢に放水する場所に広い駐車場がある。林道の路面がやや荒れているのでここに車を置いて歩いていく。2006年の中津川遡行以来6年振り。林道の二又に会津ナンバーのジムニーが置いてあった。二又から中津川取水堰に向かう東電の管理道は一部崩れて車の通行ができない場所があるのだが、その様子は6年前と変わりない。6年間放置されたままらしいのだが、路面は全く荒れがなくきれいに保たれている。一か所ウェーダーらしき足跡があったので、ジムニーの所有者は明らかに中津川に入川している。

前日の降雨にも関わらず中津川は平水で濁り無し。適当に石を飛び跳ねて靴を濡らさずに左岸に渡った。適当に斜面を30m程度登って中津川森林軌道の跡に至る。軌道跡は藪化がいっそう進んで今や利用する価値無し。沢遡行したほうが楽で安全だな。

中津川上流側に向かって進むと、すぐに崩落個所が2か所現れる。下流側の崩落箇所には緑のお助け紐がぶら下がっている。お助け紐に劣化は見られないが、お助け紐が木の幹に食い込んでいるので、設置してから少なくとも十数年以上経過しているであろう。

大汗かいて銚子ノ口左岸到着。現在地は断崖絶壁の上で足元がいつ崩れるか判らん状態。軌道跡は崩落したのかそれとも上部から崩れた土砂で埋まっているのか不明だが、完全に消失しておりカモシカでも渡れない。向う側に垂れ下がる緑のお助け紐がかつて道だったことを示す唯一の証だ。

観音滝に行くには銚子ノ口を通って戻ってくる必要があるということだ。沢歩きの装備は一式揃っているものの、中吾妻上空の雲の様子を見ると入り込む気がしない。あっさり退却決定。

軌道崩落地点
銚子ノ口を見下ろす


来るときに渡った崩落個所に至る手前で適当に斜面を下って中津川左岸に降りた。沢中に中津川森林軌道のレールを何本か見る。

中津川森林軌道のレール


先行者は釣りが目的と思うが姿を見なかった。ひょっとしたら銚子ノ口の先まで行っているのかも知れぬ。

管理道起点まで戻って、左俣を少し歩いてみた。地形図では破線路がデコ平スキー場まで続いていることになっている。しかし、車が入り込めるのはほんのわずかで、かろうじて道を認識できる程度の藪の連続。デコ平方面に向かう道筋は確認できなかった。

首筋から入り込んだ虫(ハチ?)に数か所刺された。小生、アナフィラキシーショックになる体質ではないのでハチにあまり神経質にならなくてもよいのだが、ムンムンくそ暑い中でハチに刺されて、濃いチシマザサ藪を漕ぐ気が失せてしまった。アサギマダラを2匹見かけたのが唯一の収穫。


山野・史跡探訪の備忘録