楊枝峠(中山峠)経由で鞍手山

年月日: 2012年8月17日(金)

行程: 楊枝集落跡記念碑〜楊枝峠〜送電線・磐梯線の鉄塔〜鞍手山山頂

お盆の頃は夏野菜の盛期で、毎日草食動物のごとく食っても食っても実家で採れる野菜を食いきれん。ミョウガは夏野菜料理、特にナスや夕顔の炒め物やクジラかんぷら(塩漬けのクジラ脂身と新ジャガを使った汁)に欠かすことができない食材であるが、熱帯由来の植物であるため、高原の猪苗代では花芽が出るのが夏野菜の盛期に少し遅れ気味。陽当たりの良い場所であれば丁度最初の花芽がムクムクと出始める頃だ。楊枝集落の跡地に自生しているミョウガを採りに出かけたついでに、短時間ではあるが汗だくだくの山歩きとなった。

楊枝集落跡記念碑に車を置いて、徒歩で4年振りに楊枝峠に向かう。楊枝峠までの林道は送電線・磐梯線の管理道として管理されているため、4年前と同様荒れはない。日陰を好むフシグロセンノウを見かける。

峠は奥羽山脈の分水嶺になっている。峠から北側(成沢山)方面に送電線・磐梯線の巡視路が伸びる。巡視路は2つ目の鉄塔で行き止まりになることは前回の訪問で承知済。日当たりの良い鉄塔下に生育するカワラナデシコを見たくて登って行った。

フシグロセンノウ
カワラナデシコ


分水嶺に道は無い。午後から雷雨の可能性があったので藪に入り込む気がしない。

駐車地に真っ直ぐ引き返すことにして下る際、峠の南側にある鞍手山が一望できた。西側中腹の尾根上に磐梯線の鉄塔が存在している。峠から分水嶺を忠実に辿ると藪歩きの距離が長そうだが、巡視路を利用すれば送電線鉄塔から最短の藪歩きで登れそうである。

峠の西寄り(猪苗代町側)に南に向かう巡視路の入り口がある。これを順調に辿って、楊枝峠と鞍手山トンネルの中間にある尾根の鉄塔に至った。

楊枝峠(中山峠)方面を望む


南に続く巡視路から逸れて、尾根筋を鞍手山山頂(標高864m)に向けて直登。この山は一旦は全山伐採された歴史があるようで、中腹の部分的な植林地を除いて放置されたままで藪になっている。笹薮は薄いものの、中腹より上部はツツジ類の灌木藪が密で、栃木・福島県境の大倉山の南斜面を藪漕ぎしているようなものだ。たった130mの登りでも藪漕ぎに辟易する。少なくとも西側斜面に道跡無し。

山頂には日本道路公団の設置した基準点在り。山頂付近が伐採されたのは磐越道建設の頃(昭和60年以降)と思われる。

期待していなかった分、頂上からの眺めに満足。360°見渡すことができる。写真撮るほどの眺めではないが、郡山盆地方面も良く見える。分水嶺の山だけのことはある。

日本道路公団の設置した基準点
川桁山方面


画像
猪苗代町方面(磐梯山と猪苗代湖、眼下は磐越道)


山頂から往路を忠実に戻って駐車地に帰着した頃にはあちこちから巨大な積乱雲が湧きあがりつつあった。

鞍手山


山野・史跡探訪の備忘録