筑波山(薬王院 〜 坊主山 〜 山頂 〜 ツツジ平 〜 筑波梅林)

年月日: 2012年9月30日(日)

行程: 薬王院出発(06:10)〜坊主山〜男体山〜女体山〜つつじヶ丘〜筑波山神社〜筑波山梅林〜(道草)〜薬王院帰着(11:10)

埼玉県の天気予報では30日台風17号の接近により夕方から激しく雨が降るとのことだった。台風の進路予想、降水短時間予報、天気分布予報に基づき総合的に判断すると、関東では少なくとも30日午前中は晴れていることになる。先週は週末雨、今週土曜も通院で運動が足りない。30日午前中に短時間で周回するのによさげな場所として浮上したのが筑波山であった。

これまで筑波山に登ったことはない。筑波山について知っているのはガマの油くらい。大阪の陣において筑波山から来た僧が所持していた油薬が傷薬としてたいそう効用があり、僧の顔がガマガエルに似ていたことがガマの油の由縁とか。ガマガエルがタラーリタラーリと流した脂汗ではなかった。何年前のことか忘れたがガマの油を製造販売していた業者が経営に行き詰って夜逃げしたらしい(いずれも同じラジオの番組で聞いたような気がする。時は関ヶ原の合戦と記憶していたのだが、Wikipedia に拠ると大阪の陣が正しいらしい。)。

関東平野で最も目立つ存在であるから関心がなかった訳ではない。あまりにポピュラーな場所であるために、どうしたら人の少ない時間帯に面白く歩けるのか検討するのが面倒になって放棄していた。台風が来る日ならばハイカーが少ないであろう。いざ行くと決めて午前中に下山する条件で検討してみたら簡単にコースが決まった。

未明にさいたま市を出発。古河で125号に入って下妻経由で単純に東に向かえば筑波山に着くことは知っている。しかし、平野部なのだから適当に走れば近道できるような気がして、地図を確認せずに新4号の利根川の橋を渡ってすぐに354号に入り坂東方面に向かった。これが大失敗。結城市、筑西市、下妻市、坂東市、境町、つくば市の位置関係は過去に何度か出張した関係で頭に入っていたのだが、八千代町と常総市の場所を完全に誤解していた。カーナビなんぞ付けず道路標示だけ見て勘で適当に走っているもので、八千代町と常総市の標示しか出てこないと戸惑ってしまう。未明は筑波山を目標にできないし、明るくなってからも霧で筑波山が見えない。坂東市内の見覚えのある場所に抜けて、なんとか筑波山方面に近づくことができた。数十q無駄走りしてしまったようだ。

筑波山西側の県道41号は過去に出張で何度も通っているが、つくし湖の標示を見た記憶がない。実際、なんの案内表示も無く、一旦は入口を見過ごした。つくし湖が見つかれば後は道なりに薬王院までスムーズに行ける。

薬王院の駐車スペースに車を置いた。汗拭きタオルを忘れてきたことに気づきガックリ。不快な山歩きとなるのは確実。登山道入口は判りやすい。細かい砂利を敷いて整備したことがあるようで、歩きにくいところ無し。段差の大きい土留め階段が多いので膝に負担がかかる。林道と交差する場所に至らないうちにダブルストックの男性が下山してきた。この時間帯に下山するということは御来光マニアか?

筑波山に車で向かう際、山頂部は雲がかかっていて、南側から勢いよく空気が流れていく様子が見えた。現在地は風裏で全くの無風。湿度が高くて汗が止まらない。

坊主山
男体山山頂


ケーブルカー筑波山頂駅周辺には既に十数名の人がいた。台風が来る日にこんなに人がいるとは。普段は早朝からうじゃうじゃ居るってことか。

女体山山頂も視界無し。少し待っていれば晴れたと思うが、人が大勢来そうなのですぐに下山開始。つつじヶ丘方面の登山路は岩がゴツゴツして滑りやすい不快な極悪路。女体山山頂で入れ替わりで先に降りていった女性三人組がノロノロしており、何度か待っているうちに歩くペースが乱れて膝をしこたま岩にうちつけてしまった。

山の中で嬌声を上げる女の集団は苦手なんだよなぁ。自分に先にいかせるために待ってくれたのだが、場所が悪かった。滑りやすい一枚岩の下で三人組が見ている。これが原因で集中力を欠いたみたいで滑って転んだ。後ろからキャアキャア笑い声が聞こえてくるので、実際はどうだか知らんが笑いものにされているような気がする。ま、俺が未熟者ってことか。

極悪路を次々にハイカーが上がってくる。全部で100人以上いたようだ。マイナーだろうと思っていたつつじヶ丘からのコースが庚申山の登山道みたいなメジャーなルートであることを初めて認識。自分はあまりこの手のものに関心がなくて、単に危険で嫌らしい場所にしか感じない。

弁慶七戻り


ツツジ平まで降りてくると開けて雰囲気がよい。


迎場コースは植林地の中を通る、勾配の緩い比較的静かな道だが、ほとんどコンクリートで固められてしまっており登山道とは言い難い。屋根にアオキやカシが生えた東屋以外に特筆すべきこと無し。途中の水場で顔を洗い、上半身だけ着替えして少しスッキリした。

白雲橋コース入口


筑波山神社、市営第3駐車場、梅林を経由して、薬王院に続く舗装林道に抜けた。アケビや生栗を食べたりして道草。交通量が少ない静かな林道歩きが最も快適だった。

ゴンズイ
ツルニンジン(キキョウ科)


ゴンズイは"紅" "赤" "黒い種子" "10月"の検索キーで画像検索して一発で名前判明。一方、ツルニンジンの方はハンショウヅルのイメージが障害となって、Googleの画像検索では種名特定できず。四季の山野草で検索キー選択して一発で答えが出た。このページは素晴らしい。

薬王院は一見の価値有り。外側に阿形と吽形、内側に風神と雷神らしき彫像が収められている。

山門
阿吽ボーイズ
11時頃の男体山山頂
ナメクジ(カタツムリかも)が這って表面の藻類を舐め取った痕がとってもシュール。


少なくとも登山道を歩いて再びこの山に登ることはないと思う。次回来ることがあるとしたら、山嫌いの女房連れてケーブルカーかロープウェイを利用することになるだろう。(と、この時はそう思ったのであるが、後日、北筑波稜線縦走のため2度登っている。)

山野・史跡探訪の備忘録