奥武蔵ハイキングその12 (明覚駅〜堂平山〜笠山〜官ノ倉山〜小川町駅)

年月日: 2012年11月25日(日)

行程: JR八高線・明覚駅(06:47)〜慈光寺入口(07:47)〜冠岩(09:00)〜堂平山(10:48)〜笠山(11:20)〜官ノ倉山(14:10)〜石尊山(14:28)〜小川町駅(15:54)

休日に電車ででかけても恥ずかしくないようにトレッキング用のパンツを新規購入した。煩わしい車の運転をせずに電車利用で駅と駅を繋いで歩けるのが奥武蔵の魅力の一つ。ときがわトレッキングコースと外秩父七峰縦走ハイキングコースの前半部を組合わせて、奥武蔵で今年最後の紅葉狩り。


自宅(さいたま市南区)〜八高線・明覚駅

武蔵野線(北朝霞駅)から東武東上線(朝霞台駅)に乗り換え、6:29に小川町駅着。小川町駅で八高線の6:40発高麗川行きの電車に乗り換えた。たった2両編成のローカル列車であるが内装は立派。都心に乗り入れている通勤用の無粋な車両と大違い。


乗車時に他に誰もいなかったので、電車内で歩きの準備(ジョギング用シューズに履き替え、朝食)を済ました。

明覚駅〜堂平山

明覚駅で降りたのは自分一人。放射冷却による冷え込みが厳しく、沿道の草木に霜が降りていた。高気圧に広く覆われてほぼ無風のはずだが、朝方は谷奥から冷たい空気がゆっくり流れてくるため、明覚駅から早朝陽の当たらない都幾川沿いに歩く時間帯がとてもつらかった。耳が冷え、いくら歩いても手が温まらない。

慈光寺参道入り口(ときがわトレッキングコース入り口)でジョギングシューズからトレッキングシューズに履き替えた。日尺の慈光寺入り口にハイカー用の駐車場がある。次回は車で来てみるか。

慈光寺は古い歴史を持ち、参道沿いにかつての繁栄を偲ばせる遺物・遺構を見かけるが、その多くは詳しい説明が無いのが惜しまれる。

2年前に訪れた際、紅葉の盛りに慈光寺に来てみたいと思った。本日のコース設定はその慈光寺の紅葉を見ることを主な目的にしていたので、期待通りの雰囲気に満足。うまく写真に収められなかったが朝陽を浴びる観音堂下の斜面の紅葉が特に良かった。山の中腹の緩斜面はカエデの木が自然に生育する環境ではないから、いつの頃か慈光寺の関係者が美しく紅葉する品種を植栽したのであろう。惜しむらくは、桜や梅の場合と同様、撮影しやすい対象が必ずといって良いほど電線や電信柱とセットになってしまっている。

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車道沿い
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宝物殿横


観音堂の裏手から山道を辿って霊山院に向かう舗装路に抜けた。霊山院から七重に向かう未舗装林道入り口の見晴らしの良い場所で休憩中の先行者に遇った。この方は健脚者だったようで、その後自分が登らなかった539.5mピークにも立ち寄ったとと思われるのだが、堂平山に向かううちに徐々に鈴の音が背後に迫ってきた。

堂平山〜小川町駅

堂平山は車で上がってきた行楽客が少なからずいた。山頂の眺めより、笠山側(北側)斜面にあるパラグライダー離陸場からの眺めの方が優る。

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中央が大霧山、右手が笠山


堂平山から先は外秩父七峰縦走ハイキングコースであるが、東武鉄道が宣伝している割に登山道の整備状況はあまり良くない。外秩父七峰縦走ハイキングコースは小川町駅をスタートして寄居駅に向かうことを前提としており、逆に辿ることを全く想定していない。有名なハイキングコースであるから道の選択に迷うことはあるまいとたかをくくっていたのだが、要所にある順方向の案内標示を見て正しい位置にいることを判断し、さらに地形図を見て進路を推測しなければならない。

どんなルートでアクセスするのか良く解らないが、笠山〜堂平山間を登り下りするハイカーが少なからずいる。笠山峠(林道・栗山線/萩殿線)では伐採作業中。縦走コースから外れて笠山神社に立ち寄ってみたが眺望はあまりよくない。

笠山神社


萩平方面の下りはやや滑りやすい場所有り。トレランの1名が走り下っていった。標高700m前後の雰囲気の良い広葉樹林帯で登山道から少し離れて昼食休憩。

本当に外秩父七峰縦走ハイキングコースを辿っているのか確証ないまま、たまに現れる萩平方面の標に沿って下る。

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林道・萩平笠山線の説明


舗装道路に下り立った。笠山登山口の表示がある。ここで右左どちらに行くべきか迷った。右手は「外秩父七峰縦走ハイキングコースA」の標示、左手は「皆谷バス停」の標示がある。Aの意味が判らない(こちらが正解だったのかも。)し、観音山に行ける可能性を確かめたかったので左を選択。

萩平には「立ち入った場合監視カメラが作動し直ちに警察に通報します。」なんて警告出しているバカ地主もいるが、概ねのどかな風景が広がる。

三叉路で箒沢方面に向かう道(こちらに進めば外秩父七峰縦走コースに入れたかもしれない。)と別れて御堂川沿いに下った。

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萩平近くの車道にて


御堂川左岸側は道路沿いは一見ごく普通の植林斜面だが、植林内部を窺うと巨岩というか絶壁が存在する(名前は不明。地主による立ち入り禁止の表示があります。)。右岸側には観音水なる水汲み場があった。

さらに下って観音山の東側に至ると秩父鉱業御堂鉱業所の珪石採掘場があり、稜線まで採掘されているのが見える。稜線は分断されているようなので萩平側から行くことができるのか不明。

槻川沿いの道に至り、T字路でどちらに行くべきかまた迷った。案内が無いということは既に縦走コースから外れているようだ。左側に進んで細い橋を渡り、東秩父中学校の横を通って県道11号に出た。奥沢から破線路を辿って尾根に上がって官ノ倉山に向かうつもりであったのだが、足裏が痛くなりかけていたので止めた。歩きを中止してバス利用する選択肢も考えて県道11号を小川町方面にトボトボ。

安戸で道が二股に分かれる場所に至った。まだ足裏が耐えられそうなので在家方面に向かった。破線路の入り口は所持している地形図と若干ずれており、民家の敷地を入っていく感じ。大人数が参加するハイキングの正式コースとは思えないほどに細くてあまり踏まれた様子が無い。山の中に入ると道がしっかりしてくる。

尾根上に出て西側に登って官ノ倉山到着。眺め良し。登ってみる価値があると思う。

官ノ倉山


午後2時過ぎて誰もこないだろうと思い着替えする準備を始めたら、西側からオッサン声が近づいてきた。そそくさと退散して東に向けて尾根を移動。

隣のピークには石尊山なる名があって祠が祀られている。在家からの登山路の傍にも明治時代の講中が建立した「大天狗 小天狗 小御嶽石尊大権現」なる石碑が残されているので、地元にとって石尊山の方が官ノ倉山より重要な位置づけにあったようだ。ここで着替えを済まし小川町駅を目指して山を下った。

石尊山


午後2時半過ぎているというのに、これから登らんとしている親子らしき2人連れと遇った。谷底の林道に下り、不動明王を祀る北向不動の前を流れる水で顔を洗ってさっぱりしてから里に出た。降りた場所は地形図の破線路の北側の谷であったようだ。里の案内に沿って行けば小川町駅に抜けられるが、灯りの無い山林と田園地帯であるから、道を知らないと暗くなってから辿るのは難しいかもしれない。県道11号に至り小川町の街中に入ってから駅までが実に長く感じられた。

タイミングよく15:59小川町駅始発池袋行急行に乗って順調に帰宅。

後半は外秩父七峰縦走ハイキングコースの前半部を逆走した訳だが、やたら舗装路を歩く区間が長いため足裏が痛くなった。外秩父七峰縦走ハイキングコースをいっぺんに歩く気にはなれない。いちいち靴を履き替えるのが面倒で全てトレッキングシューズで歩き通してしまったが、藪歩きではないし危険個所も無いのでジョギングシューズの方が向いていると思う。気温が低くて標高総和も少なかったため疲労感は無し。

山野・史跡探訪の備忘録