奥武蔵ハイキングその13 (宿から新柵山〜檥(ぶな)峠〜飯盛峠〜大築城跡周回)

年月日: 2012年12月14日(金)

行程: 宿のときがわトレッキングコース専用駐車場出発(07:47)〜新柵(あらざく)山・490.2m(08:33)〜504mポイント西で進路誤りにより15分ロス〜667.1m三角点(09:50)〜山毛欅(ぶな)山・883m(10:28-10:35)〜檥(ぶな)峠〜飯盛山・816.4m(10:55-11:10)〜飯盛峠〜ときがわ・越生・飯能三方境界ピーク(11:27-11:40)〜馬場(12:03)〜猿岩峠(12:40)〜大築城跡・466mピーク(12:50-13:00)〜小築山〜332mポイントの200m手前で尾根離脱〜西川原に向かう舗装林道出合い・標高200m(14:13)〜駐車地に帰着(14:45)

年休が余っている。週末の天気が今一つの予報であったため、金曜に休みをとって、バッテリー充電を兼ねて車利用で奥武蔵ハイキングを計画。

先月ときがわトレッキングコースを歩いたとき、宿(しゅく)のときがわトレッキングコース入口に専用駐車場があることを知った。ここに車を置いて新柵山経由でぶな峠に上がり、飯盛峠からときがわ町・越生町境界尾根を下って周回する。尾根上に記載されている破線路をある程度利用することは可能だろう。破線路が記載されていない場所は適当に尾根上を歩いて繋ぐ。

専用の地図を準備するのが面倒くさい。前回の山歩きのときに印刷した細切れの地形図を並べると、使いにくいもののなんとか周回予定コースを追える。低山だからなんとかなるでしょ。予備知識無しで出発。

道路標示とは、ナビなんぞ頼らずとも大凡の地理関係さえ頭に入っていれば少なくとも市町村の中心部(市役所や役場のある場所)にはすんなり到達可能であるように設置されるべきである(と思うが故にナビはつけていない。)。だが、ときがわ町はその原則にはあてはまらなかった。国道254号を北上してときがわ町方面に左折した後、出てくる標示は越生と小川だけである(俺が見落としただけか?)。車を停めて道路地図見るのが面倒で、そのまま北上して小川町に入り、記憶の地理を頼りに山を越えてときがわ町の日尺に抜けた。

10台程度のスペースがある専用駐車場は、いざ車でいってみると入口がやや狭く感じられる。入口が地域のゴミ集積所になっていて、慈光寺方面から下ってきたゴミ出しの車とかちあって入るのに時間がかかった。隣の民家のバカ犬が出発支度の間ずっと吠え続けていた。


宿〜新柵山〜山毛欅山〜ぶな峠

谷間の冷え込みが厳しい。手袋をしていない手がすぐに悴む。萩が丘小学校の正門で旗持ちしていた男性(先生かな?)と挨拶した際、「気温マイナス5℃ですよ。」と言っていた。ちょうど通学の時間帯で、行き会った子供も大人も皆挨拶する。単に礼儀正しいだけではなくて、防犯活動(不審者対策、子供見守り)が徹底しているようだ。

寒くて余裕がなかったせいだろうか、馬生の破線路入口に至る前に、氷川の左岸側に渡って程ない場所にある細い道に入ってしまった。民家が2軒あったが幸い犬がいないようなのでそのまま奥に進み、途中から林業作業用の未舗装道路を急登して枝尾根に上がった。トラバースしていく作業道を見送り、ヤブツバキやサカキ、カシ等の雑木が混じる植林尾根を辿って主尾根に上がった。主尾根には明瞭な道が在り、東側のどこかに登り口があるらしい。

尾根上は谷間に較べると冷え込まない。無風で快適。本来辿るはずだった馬生から上がってくる破線路の合流点に気付かぬまま順調に辿って新柵山到着。名前の消えかけた古い山名板在り。

新柵山三角点


新柵山の南西の稜線上には都幾山の冠岩みたいに岩が剥きだしの場所がある。道は稜線を避けているが、岩場に危険個所は無くそのまま稜線通し可能。その先には八木成に下る道があって道標が立っている。傍にある説明板の光岩とは奥武蔵一帯で良く目にする肉紅色のチャートであるらしいが、それらしき物体は近くに見当たらない。先ほど見た稜線上の岩はそれらしき岩質ではなかったように思う。

482mポイント付近の峠
光岩の説明


立派なお墓の前を通って地形図記載の無い未舗装林道切通しに至る。大型獣用の罠を設置してあるとの張り紙があったため、直接切通しの横から尾根に上がるのは止めた。南西側に少し林道を下った場所から尾根沿いの未舗装林道が分岐する。この未舗装林道を歩いて行けばぶな峠に到る。

482mポイント南西鞍部の未舗装林道峠にある道標(左が尾根沿いの破線路)


立派な楓がある。2週間程度早く来たら見事であったろう。これを除けば進行方向左側(下側)に一部竹林があるだけで、延々と植林地内の陽の当たらない未舗装林道歩きとなる。林道が稜線から外れていってしまうので、林道から離れて稜線上の踏み跡を辿った。

504mポイント西側がちょっとした藪になっており踏み跡が不鮮明となる。再び踏み跡に出合うが、しばらく辿ると消えてしまった。現在地は手持ちの地形図コピーの範囲から若干外れていて正確な場所が不明であったが、すくなくとも地形図の破線路上に現在地のような地形は見当たらない。隣に辿るべき主尾根が見える。踏み跡を逆に辿って稜線沿いの破線路に復帰。破線路は再び稜線に近づいてくる未舗装林道に接続する。

未舗装林道をしばらく辿り、椚平から上がってくる道が合流する前に、尾根上に向かう作業道に入った。作業道終点からコナラ林の斜面を登って667.1m三角点到着。

667.1m三角点


ぶな峠に向かう舗装林道を左に見ながら尾根上を辿る。770mポイント前後の尾根上に広葉樹林が残されており、東側は藪無し。西側はスズタケが青々としている。奥武蔵のスズタケは何故か美しく感じる。他所で見られるスズタケ衰退の兆候は無い。

770mポイント東側
770mポイント西側


山毛欅(ぶな)山(883mポイント)に向けて南側の植林と北側の広葉樹林の際を登っていく。山毛欅山はスズタケとミヤコザサが住み分けている。

ヒノキの伐採しない間引き方(標高800m付近)
山毛欅山・833mポイント(10:28)


奥武蔵グリーンラインに降り立ちぶな峠到着。椚平から上がってくる舗装林道は工事中のため車両進入禁止となっていた。


ぶな峠〜飯盛峠

2011年晩秋に歩いたことがあるので、前回との差異のみ記述。

@奥武蔵グリーンラインのショートカットにあった古いトヨタの事故車は撤去されていた。

AFM NACK5(79.5MHz)の送信所がある飯盛山の山頂には816.4mと書かれた丸太杭が立つのみ。しばしウロウロしてみたが、三角点が見当たらない。ウェブ上にも記録が見当たらない。何で?


飯盛峠〜大築山〜宿

ときがわ・越生・飯能三方境界ピークに上がって軽食休憩後、ときがわ・越生境界に沿って下る。最初の急傾斜を下りきると飯盛峠から下ってくる荒れた未舗装林道に出合う。路面を7、8pに成長した霜柱がびっしり覆い尽くしていた。尾根歩きの全行程中、この辺りの気温が特に低いようであった。

事前にこの尾根に関する情報を得ていないため林道も地形図の破線路も信用できない。漫然と林道を歩くと越生町に下ってしまいかねない。林道を補助的に使用し、基本的に境界杭に沿って下った。稜線上の破線路に相当する踏み跡はかつてハイキングコースとして整備されたことがあったらしく、字の消えた道標が残されている。

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下りの尾根683mポイント北側から見た檥(ぶな)峠方面 (左が山毛欅山、右が770mポイント)


越生町側の緩い斜面の植林内で幾つか道が分岐する。要所に道標があって、道なりに進めば「城山」なる場所に行けるらしい。所持している地形図に「城山」の記載は無い。道が稜線から離れていく度に道から離脱して稜線を辿り、再び稜線に近づいてくる道に復帰することを何度か繰り返した。

馬場(12:03)


ときがわ町側(椚平)に唯一安全に下れそうな峠が存在する。

猿岩峠(12:40)


猿岩峠の先はトレニックワールド in 越生のスタンダードコースに組み入れられている。

「城山」とは466mピークであった。ときがわ町側の見晴が良い。

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説明にある如く規模が大きく掘割も明瞭だが、高くてアクセスが不便な場所であるので、城ではなく一時的に立て籠もる砦的位置付けであったのかもしれない。防備の構造があるということは、慈光寺勢力に攻め込まれる可能性もあったということか。

隣の小築山を経由した後、トレニックワールド in 越生のスタンダードコースは越生町側に下っていくように見える。道を離れて間伐材が倒れこむ稜線部を辿った。枝尾根が連続しており、低山の破線路歩きを甘くみて高度計を合わせていなかったもので現在位置が判らない。ここでも一度進路選択を誤った。植林斜面を横切って境界尾根に復帰すると、そこにも明瞭な山道が存在しておりまたしても麦原方面に下っていく。地形図の破線路記載は断続しており、もう何がなんだか。判っているのはそろそろ尾根を離脱すべきポイントに近づいていることだけ。

やかましい犬の吠声がすぐ近くに聞こえる。山に響く足音を聴きつけて吠えているんだろうか?狩猟者か?ついさっき薬莢を見たばかりなので緊張が走る。どうやら西川原に犬を飼っている家が複数あるらしい。舗装林道歩いて萩が丘小学校の横に抜けようと思っていたのだが犬に吠えられたくないので止めた。氷川沿いの往路を戻ることにする。足音が犬に聞こえないように、枝尾根の裏側に下り道の無い植林の谷間を歩き、最後は田んぼの名残らしい湿地を経由して犬を飼っている家から離れた場所で舗装林道に抜けた。

帰着後に車で馬生に行って新柵山の登り口を確認してから帰宅。

以下に事後調査結果を付記する。

@馬生から新柵山に登り、ぶな峠、飯盛峠を経由して越生町に下った記録:

奥武蔵へようこそ 平成23年2月6日 新柵山から大平尾根 - 野老の里

新柵山の読み(あらざくやま)、883mピークの名前(山毛欅(ぶな)山)は上記ページを参考にしました。

A馬生から新柵山に登り、ぶな峠、飯盛峠、大築城跡を経由して馬生に周回した記録:

新柵山(490.2m)/飯盛山(816.4m)

道なりに道標に従って進めば、少なくとも自分が尾根離脱した場所までときがわ・越生境界尾根を辿ることは可能であるらしい(必ずしも稜線を辿らなくて良い。)。

山野・史跡探訪の備忘録