小法師尾根〜県境尾根〜袈裟丸山中尾根

年月日: 2013年5月25日(土)

行程: 餅ヶ瀬林道ゲート手前出発(05:40)〜(行程省略)〜雨降沢ノ頭(08:20)〜小法師岳(時刻不明)〜笹ノ平(09:35)〜1690mピーク(10:05)〜県境尾根(11:25)〜奥袈裟丸山(12:40)〜中袈裟丸山(13:23)〜中尾根取付きに下降(15:23)〜車に帰着(16:25)

先週土曜(19日)は晴天なのに月一の通院日。翌日曜日にアカヤシオ鑑賞を計画してみたものの、目覚ましのセットを誤って寝坊した。体調が良くなかったからそれで良かったのかもしれないと納得。

この週末は梅雨入り前の貴重な晴天となりそうだとのこと。車中泊しながら2日続けて栃木で山遊びを計画。最初の訪問地は足尾のお気に入りの場所とした。翌日別の場所で山歩きする予定があるので、昨年と同じ行程を短時間で逆回りするつもりであった。目的地のアカヤシオの花期に間に合わず、アカヤシオ求めて尾根を進むうちに気が変わって少しハードな周回となってしまった。

尾根上は絶え間なくウグイスとホトトギスがさえずり、高度が低い場所ではエゾハルゼミの一番手の合唱で賑やかであった。

24日(金)深夜に足尾に移動して車中泊。朝方の気温は8℃。涼しく爽やかで絶好の山歩き日和。渡良瀬川や餅ヶ瀬川の両岸は眩しい新緑に満開の藤の花が混じる。

林道を歩かず、駐車地からいきなり直登して上部の林道に抜けた。取付き予定地に向けて高度を上げていくと、渡良瀬川の谷に霧が立ち込めており、餅ヶ瀬川流域に進入しつつあるのが見えた。霧は現在地に迫っており、追い立てられるように昨年下った尾根を登っていった。

県境尾根(二子山〜袈裟丸山)


雲一つ無い県境尾根の写真を撮ろうとしたら背後(尾根東側)から霧が流れてくるようになった(上の写真)。このまま曇ってしまうのかと思われたが、幸いなことに霧は餅ヶ瀬川入口で押し留められ、標高1,000m以上に上がってくることはなかった。

本日の一番のお目当てはツツジ鑑賞だが、白が映える満開のアオダモも美しい。

アオダモ


しばしワラビ採りしてから登り続行。稜線に小さな石像が置かれている。昨年下ってくるときには気付かなかった。観音様なのか?


満開のトウゴクミツバツツジとシロヤシオを期待していた最初の目的地では、ツツジの開花が乏しい。蕾も散った花も少ない。昨年当たり年だったから今年はお休みってことか。目的をアカヤシオ鑑賞に切りかえた。

雨降沢の頭では採り頃のワラビがニョキニョキ。小法師岳山頂寸前の萱原も足の踏み場もないほどワラビが密生。いままで何度か同時期に来たことがあったが、こんなに伸びているのを見たのは初めて。過去訪問時より季節が進行してしまっている。この時点でアカヤシオも期待できないことが確定。

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ワラビによる予想は的中。第二の目的地のアカヤシオの花付きは悪くなかったようだが、ポツポツと残り花を見るのみ。落花見に来たようなものだな。これではせっかく足尾に来た意味が無い。もっと標高の高いところまでアカヤシオの花を追い求めてみる。


西隣の1600m級ピークもアカヤシオの木は多いが状況は小法師岳と変わらず。できることならば行きたくなかった笹の平まで行って、ようやくまともな開花状態のアカヤシオに出逢えた。

庚申山


アカヤシオの林を下って西側の鞍部到着。小法師尾根で個人的に最も気に入っている場所。地形がなだらかで丈の低い笹原とダケカンバの林の雰囲気が穏やかで息抜きにぴったりの場所であることがその所以だ。松木渓谷ならありふれた光景ではあるが。

笹の平と1690mピーク間の鞍部


同じルートを戻るのはつまらん。この先は4年前と全く同じ行程となるので所要時間が読める。まだ時間はたっぷりあるし天気が崩れる様子は無い。せっかくここまで来たのだ。久しぶりに行ってしまおう。中尾根を含む地形図コピーを所持していないけど、まだ頭はボケてないでしょ。

小法師尾根で丈の高いミヤコザサ藪を漕ぐ場所は@雨降沢の頭への防火線登り、A笹の平、そしてB1690mピーク西側鞍部からの登り約100mの3箇所。@は防火線の際、Aは北側縁を歩いて回避できるが、Bは正面突破になる。昔の登山道の名残を追うことは可能でも、覆いかぶさるミヤコザサが障害となるため却って足に負担がかかる。できるだけ針葉樹の陰になる場所を?いでいくしかない。たいした藪ではないのだけれども、この場に至るまでに既に体力を消耗しているし、特に中途半端に雪が残っていると滑って難儀する。今回は残雪が無くて比較的楽であった。

1784m ポイントまで達するとコメツガの倒木だけ気にしていれば良い。昨年、奥袈裟丸山北東稜線で撤退したほぼ垂直の崖が良く見える。過去にここから地形を把握していたら絶対にあんな所に行こうとは思わなかったと思う。

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奥袈裟丸山北東稜線(中央やや左の段が撤退地点)


県境尾根直下に残雪があった。所持している飲み水が足りないので雪をペットボトルに詰めていく。

県境尾根から見る小法師尾根(山の上は天気が良い。)


袈裟丸山最高点から見る奥袈裟丸方面
奥袈裟丸山北東稜線を覗き見る・中央が昨年の撤退場所(怖い)


今年の県境尾根のシャクナゲは外れで、蕾がとても少ない。中袈裟丸山の頂上でポツポツ咲いている程度だ。花弁の先端が桜色に染まるサクラの花が可愛い。


中尾根には無粋なドピンクのテープがポツポツと付けられていた。アカヤシオを見に来た者としては同系色であることが余計気に入らない。往復する者が自分のために付けた場合は回収するのが常識。回収する保証が無いのなら初めから付けないこと。この目印は自らのためではなさそうだ。うっかり変なところに引き込まれそうな場所にも目印があった。何を目的にこのような中途半端な行為をするのか解せない。中尾根は基本的に登りで使う場所であって、登った経験が無いと下るのは難しい。未経験者が中尾根を下るのは無理ではないとしても賢明な選択ではないと思う。目印が未経験者の呼び水になるとしたら、目印が事故を誘発するようなものである。4年前と同じ状態に戻した。

意外にも中尾根はアカヤシオが多く、小法師尾根と同程度の標高なのにまだアカヤシオが落花していなかった。そしてシャクナゲも県境尾根に較べて花付きが良い。木から木へと移り歩いてだいぶ道草してしまった。


4年前の記憶を頼りに順調に中尾根取付きに下降。

標高1500m前後のダケカンバ・シラカンバ林


駐車地には自車以外にもう1台あって、2名の男性登山者が休憩中。翌日に中尾根を登って小法師尾根を戻ってくる予定とのことでした。

山野・史跡探訪の備忘録