大平下駅〜大平山〜晃石山〜馬不入山〜岩船山〜岩舟駅

年月日: 2013年12月22日(日)

行程: 両毛線・大平下駅(07:14)〜客人神社〜謙信平〜大平山神社(08:22)〜富士浅間神社〜晃石山(08:55)〜馬不入山(09:52)〜兜山公園(10:43)〜岩船山・高勝寺ブラブラ(11:00-11:30)〜両毛線・岩舟駅(11:45)

土曜日は完全休養日とした。日曜は運動不足解消に低山でハイキングしたいが、東京で夕刻に催されるイベントにも行きたい。鉄道の時刻を調べて検討した結果、十分に時間的余裕をもって行動できそうな大平下駅〜大平山〜晃石山〜馬入不山〜岩舟駅のハイキングコースを選択。今年初めにこのコースを歩いてみようかと思ったものの、岩船山とどう組み合わせればよいのか考えるのが億劫で先延ばししているうちに烏ヶ森の住人さんが歩いたレポを公開された。興味の対象(未知の要素)が無くなりモチベーションが上がらず、一旦計画を放棄。自家用車が無くなったため、自分の山歩きの対象地域として復活した次第。青春18切符利用でいくら乗っても金はかからないから、帰りは両毛線で高崎に回り高崎線始発に乗って上野に直行する。山歩きの格好で東京に行くわけにはいかないので普段着ででかけた。気温が低いのでジャケットを脱いでシャツ一枚で抑え目のペースで歩けば極力汗をかかずに済むであろうから、着替えは下着のみ所持。

両毛線を利用したのは初めて。小山駅の両毛線の乗り場が他の路線と離れた場所にあるとは知らなかった。電車が早くから待機しており、扉が押しボタン開閉式なので車内が暖かく快適。思川の河川敷に濃い霧が満ち溢れ、雲の上を走行しているようだった。大平下駅で下りたのは2人のみ。ハイカーは自分一人である。

要所に道標があるので取付きまで地図を見たのは一度だけ。先ず、客人(まろうど)神社に参拝。大平山ハイキングコースの道標は神社参道左手の道路を指しており神社から登れるようには見えないが、期待した通り社の左横からハイキングコースに連絡する道が在る。ハイキングコースに合流する場所に百八度云々と彫られた大きな碑や幾つかの祠があるが、詳細は未確認。

道はよく整備されていてとても歩き易い。大平山は栃木市民の憩いの場所と聞いていたのだが、地面の落ち葉の乱れ具合を見ると、少なくとも今の時期このルートで登る人の数は少なそう。

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明瞭な階段が途切れた場所で上の写真を撮影しようとしてしばし突っ立って露出を調節していた。左手の斜面をカサカサ音を立てて何かが近づいてくる。移動するときの音のリズムからヤマドリだろうと思ってカメラをいじっていると、黒い獣の姿が視界に入った。大きなイノシシである。目の前で道に出てきたらあわよくば写真撮ってやろうと待ち構えていたのだが、奴もこちらの存在に気付いてかなり離れた場所で道を横切って逃げて行った。あんなでかいイノシシが住宅の近くを徘徊しているようでは農家も大変だろう。雑食性のイノシシはまだセシウム濃度が高くて食材としての狩猟対象にならないから、この辺りも数が増えているのではなかろうか。ハイキングコース全域でイノシシが地面を穿り返した痕があった。

謙信平下の舗装道路に合流する直前に見た筑波山
謙信平から見る岩船山方面


大平山神社到着時、常連っぽい2人が話し込んでいて、そのうち1名が先に山を登って行った。地元の常連 = 『仲間同士で要所に陣取りでかい声で話す連中』という固定観念がある。感じ悪いお方とはできることならお遭いたしたくないものですな。

大平山神社
       


大平山神社の奥の院とやらはただ見晴の無い林の中に石祠がポツンとあるのみ。いまひとつありがたみが感じられない。近くに「榊は神様の物だから取るな!」旨の表示があるが、神事以外に利用価値の無い植物を誰が取るものか。仮に必要とする人がいたとしても、榊は手入れをしていない植林ならばどこにでも生えている。わざわざここから取っていく人がいるとは思えん。

富士浅間神社なる贅沢な名前を持つ社のピークを経由して晃石山へ。晃石山到着までにポツポツと早朝出のハイカー計6名見かけた。

晃石山
       


晃石山神社には常連と思しき連中がたむろしており、内一人は大平山に居た黄色のパーカーの男だ。皆一斉にこちらを無視するかのように入れ替わりでトラバース道を大平山方面に戻っていった。普段着姿だから(それとも一見若造風だから?)軽く見られたのかもしれない。この連中の態度が気にくわなかったので、以降は行き会った全ての人に対し先にでかい声であいさつを敢行。それでも無視したのが山ガール2名含めて何名かいたな。どういう神経してんのかね。格好から入る人間にこの手の輩が多いような気がする。一般ハイキングコース歩きは運動にはなっても、(少なくとも自分のような性格の持ち主にとっては)精神衛生上あまり良くない。

桜峠に向かう途上に激しく褶曲した層状チャートが露出している。どうやったらこここまで折曲がるのか?まさか人が石に模様を彫ったものではあるまい?


彩の期待できない季節にヤマツツジが見事な狂い咲き。

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晃石山を目指すと思しきハイカーとポツポツと行き会う。馬不入山山頂は無人だった。

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馬不入山山頂


馬不入山の北尾根を少し進むと良い見晴が得られる。

唐沢山・浅間山方面
晃石山(右端)


順調に下山して岩舟駅に向かう。岩船山の名は舟の形をしていることがその由来というが、俺にはそう見えない。現在見えている崖は採石の結果であって、元々の名の由来となった山の形状はとっくの昔に失われているのではないのか?

烏ヶ森の住人さんの記録で高勝寺から岩船山に登れることは把握していた。しかし、遠目からは崖の南端に上がれそうな場所が存在するように見えない。山がちょん切れている場所の近くに樹木に被われた斜面がありそうだが、岩船山山頂の場所と違うような気がする。沿道に寺の案内も無い。こんな低山でいちいち地形図を引っ張り出す気にならず、そのまま岩舟駅近くまで来てしまった。

せっかくここまで来たのだから岩船山に寄りたいものだ。兜山公園なるものがあったので登山道を期待して登ってみた。ほんの一分程度で高台に上がっておしまいである。軍人に関する碑が建つのみ。車道を下っていくと駐車場横から住宅地裏を水平に走る遊歩道がある。これを終点まで進むと岩舟駅側から高勝寺に上がる長い階段道の下に抜ける。自然の産物ではなくても、階段から見上げる岩船山の崖は壮観である。

現存している岩船山の山頂部は全て高勝寺の敷地らしい。高勝寺の敷地以外は全て削り採っちまったということだ。麓の石材業者と寺はどういう関係なのかね。高勝寺は想像していたより派手な感じ。仏閣そのものにはあまり興味がなく、阿形・吽形だけ記念に撮影。

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高勝寺の阿形・吽形


古着を被せた石像が並ぶ奇妙な雰囲気の石段を登って山頂直下に出る。山頂は古い卒塔婆が置かれて砦のようになっている。柵の外側、崖のすぐ傍に岩船山の三角点在り。三角点標柱は無いようだ。

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岩船山・三角点


本堂の裏手を回って山門に戻る際に奥の院に立ち寄り。こちらは崖の北端に位置する。尾根の両側が削り尽くされ、薄い屏風の如き岩壁が残されているに過ぎない。かつては稜線部がつながっていたようなのだが、東日本大震災時の揺れで崩れ落ちてしまったのだとか。

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岩船山北側


階段を戻って下山して11時52分発の高崎行きに乗った。

山野・史跡探訪の備忘録