残雪期の中吾妻山(2014年5月)

年月日: 2014年5月3日(土)

行程: 地元の迷惑になる可能性があるので詳細は非公開とします。出発(06:15) 〜 山頂(10:30 - 11:00) 〜 帰着(14:35)

我社の5月連休は5/3-5/6の4日間のみ。2日の20時から6日の20時までの4日間レンタカーを予約しておいた。家族で3月末に帰省しているので、この連休は自分一人で福島に帰省することになり、久々に本格的な山歩きの可能性が復活。そして、3日は連休中で最も好天が望めそう。これを逃す手はない。2年前に前夜の深酒の影響で出遅れ途中断念した山歩きの再挑戦だ。これが2014年最初の山登り。車のステアリング握るのは今年2回目。

2日夜遅く福島に移動してあまり標高の高くない場所(冷え込まない場所)で仮眠しようと思ったのだが、なかなかよさげな場所が見つからない。母成峠手前の石筵牧場の入口の駐車スペースにドリフト族らしき連中がたむろしているのを見て嫌な予感がした。結局、人家に近い場所で仮眠するのはあきらめて銚子ヶ滝に向かう歩道入口の駐車場まで上がってしまった。

明るくなるまで4時間程度仮眠しようと思ったのに、ようやく寝付いた頃に駐車場に爆音が響き渡った。何やらバタバタと作業している。タイヤを転がしている姿が見えた。この駐車場でスリックタイヤに交換して夜通し暴走行為を繰り返し、行楽日和の日中に家で沈殿するってか。このDQN野郎は土地成金のバカ息子なのかな。後で知ったのだが、母成峠の暴走行為は昔から有名なのだそうな。郡山の警察はろくに取り締まりをしていないんじゃないの?

朝になってようやく爆音が去った。日頃寝不足なのにほとんど睡眠しないで山登りするなんて体に悪い。山歩きをあきらめるつもりになって目を閉じたものの、明るくてすぐに起きてしまった。なかなか良い天気である。気を取り直して現地に向かう。母成峠から中吾妻山を見てヤル気が復活。

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母成峠(戊辰戦争)古戦場跡から見る中吾妻山(中央)


今年の正月は記憶にないくらい積雪が多かったのに、春になって一気に暖かくなって例年よりサクラの開花が早く、山の雪も少ない。2年前と比べて残雪帯の位置が200m程度高い。

カラマツ植林の急登区間を抜けた辺りで残雪の上に落ち葉が積もる奇妙な光景を見た。(同日午後に登ったyamamokoさんも同じ場所のレポをしている。)

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標高1350m以上になってようやく締まった残雪を快適に登っていけるようになった。

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ブナ林帯(標高1400m)から見る中吾妻山


2012年9月に中吾妻山経由で継森に向かった時と同じルートで、まずは中吾妻山西北西の1900mピークに向かう。無雪期は踏み抜け+ハリブキ混じりの濃いチシマザサ藪に悩まされる場所だが、今の時期は一切の障害無し。

スパイク長靴を実家に預けたままなので、履いているのはローカットのトレッキングシューズである。雪の締りがよくて中に雪が入って濡れる心配が無い反面、傾斜がきつい場所では踏ん張りが効かない。足跡が残らないので帰りに地図読みを要することになりそうだ。

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アオモリトドマツ帯(標高1600m)


標高が高くなると、雪下にアオモリトドマツが埋もれている場所で踏み抜けやすくなる。右に左に危険個所を回避しながらツボ足で中吾妻山山頂部到着。朝に較べてやや空気が霞んではいるものの、滅多に山歩き出来ない身分にとっては申し分ないレベル。贅沢は申すまい。

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中吾妻山西北西の1900mピーク


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西大巓〜西吾妻山〜藤十郎〜東大巓(1900mピークから)


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中吾妻山北峰〜権現沢源頭部(1900mピークから)


上記のパノラマの動画 (カメラレンズに付着したゴミを除去できないため、動画の品質が悪い。)

中吾妻山山頂部南側に高い樹木の生えない一角が存在し、無雪期でも安達太良山方面の眺めが良い場所である。

磐梯山と猫魔ヶ岳(中吾妻山山頂から)
安達太良山(中吾妻山山頂から)
谷地平方面(中吾妻山山頂東側から)


上記のパノラマの動画

冬季に山スキーで中吾妻山を訪れる人は少なからずいるようだが、最近人が訪れた形跡はなかった。

無雪期の二度の訪問と併せて中吾妻山でやりたいことは全て達成した。もうここに来ることは無いような気がする。山頂でワカンを装着し、記念写真撮影して下山開始。

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ワカンのおかげで下りでつま先に過度に負担がかからず快適。

案の定、登りの足跡が不鮮明である。足跡を追うのが面倒で適当に下っていったら足跡を完全に見失ってしまった。緩斜面のアオモリトドマツ樹林は見通しが悪く、一旦ずれてしまうと方位を確認しても正確な位置は判らない(GPSに頼っている人はこんな心配は無用と思うが。)。ダケカンバ帯に抜けてから周囲の地形を確認して、手遅れにならないうちに正しいルートに復帰。

無事下山して早春の花を眺めながら車までのんびり歩き。

ミズバショウ
バッコヤナギ


バッコの語源は諸説あるようだが、猪苗代出身の自分にはどれもピンとこない。猪苗代の若い年代でこの表現を用いる人はいないと思うが、「バッコ」とは人のウンコを意味する。幼少時、近所に大きなバッコヤナギの木があって、コブシの木と並ぶお気に入りの樹木であった。臭いは普通のヤナギと同じだから、見た目でそう呼ばれているのだと思っていた。

林道でこれから登山に向かうと思しき男女の二人組に遇った(後日、yamamokoさんであったことを知る。)

眠くて車まで最後の数百mがとてもつらかった。でも車に着いて目がシャキーン。助手席側の扉がバコーンと開いているではないの。誰かにいたずらされた跡は無かったので、たぶん自分の閉め忘れだろう。扉が開いていたら近くに持ち主が居ると思って、逆に誰も近寄らないかもしれないな。

着替えして1時間半程度仮眠している間に天候が急変。弱い寒冷前線が通過中のようで、つい先ほどまで晴れていた山々は雲の下。平地でも強い風が吹き時折パラッと雨が降ってくる状態だった。幸運に恵まれたことに感謝。

山野・史跡探訪の備忘録