観音寺川支流を遡行して川桁山(その2)

年月日: 2014年8月15日(金)

行程: 介護老人保険施設「ケアテル猪苗代」の近くから出発(08:00頃)〜観音寺川支流を遡行〜川桁山山頂(12:00-12:20)〜駐車地に帰着(13:50頃)

午後から雨の予報であった。雨雲レーダーの画像を見る限り、猪苗代はうまい具合に雨雲の通過域からはずれていて、午前中の山歩きは問題なさそう。曇りなので滝の撮影によかろう。昨年と同じ沢を詰めてちょいと川桁山に登って来ようと思った。

昨年は奥の二俣の右を選択して長い藪漕ぎを強いられた。今年は川桁山山頂近くに突き上げる左俣を選択するつもり。今年5月末にワラビ採りに来た際に、リステル猪苗代を登り口とした新しい登山道があることを知った。帰りは地形図に記載されていないこの新道(ふるさと林道)を利用してみる。

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イケマ


観音寺林道支線の終点手前で不審車を発見。道のど真ん中で高級なセダンが夏草に埋もれている。今時山菜は無いし、イワナが棲まない沢だから釣りでもない。沢登りだとしても方向転換できない場所に駐車するはずがない。昨日・今日走行した跡もない。中には何もなさそうだ。下山後に警察に連絡することにして沢登り開始。

たった1年でも2段堰堤下の藪が成長したように感じる。2日前の過酷な山歩きの疲労が抜けておらず藪のハードルを高く感じるのかもしれない。曇天を期待してきたのに青空が覗いてお日様がカーッと照りつけるようになった。

F3・約15m
F5・20m以上
F6・三段で20m以上
F7・30m以上・標高1,000m前後
          


順調に遡行して二俣到着

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二俣・標高1050m


今回、改めて昔の杣道の様子を確認した。最後に歩いてから36年を経過して、道の型は残しているものの灌木の枝が覆い被さり、今や利用する価値無し。

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センジュガンピ


左俣は基本的にナメ床で、小滝が何ヶ所もあって飽きさせない。水は甘くてとてもおいしく、喉の渇きを感じることなく遡行。大きな岩の下で水流が途絶える。岩の下に半身が入る空隙があって、中で水が流れ落ちている。もっと上にも水流があるようだが、一応ここを水源として沢靴から登山靴に履き替え、沢筋を離れて高みを目指す。

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水源・標高1250m


昨年に比べれば藪漕ぎを短縮できているはずなのだが、山頂南の稜線上の登山道に出るまで標高差150mの密なチシマザサの藪漕ぎがつらかった。昨年同様、全身汗ぐっしょり。重くなったパンツがずり落ちる。

大気中の水蒸気の量が多くて清澄度は良くないものの、ガスってはおらず猪苗代盆地の眺めがよろしい。磐梯山も一時雲がとれた。この瞬間に磐梯山頂に居た人はラッキーだったな。

安達太良山方面
川桁山山頂(磐梯山方面)


実家で採れた大きなトマト2つと軽く塩を振ったキュウリを2本食べてから、内野方面に下山開始。1192mポイントで道が二手に分かれる。地形図記載の内野方面に下る方向は文字が消え、リステル猪苗代に向けて南西に下る尾根道方面には「ふるさと林道」と書かれていた。

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ふるさと林道分岐


ここしばらく刈払いされていない地形図記載の登山道と対照的に、新道はきれいに刈払いされていて歩き易い。

もともとこの尾根は標高1,000m以下では藪が少なくすっきりしていて、危険個所もない。今後は新道で往復する人が増えて、不便な内野や小田峠経由の登山道は廃れるのではないか(数年前に麓でクマ出没騒ぎが頻発するようになって山麓に電気柵が張り巡らされて以降、リステル猪苗代の登山口は閉鎖された状態にあり、ふるさと林道は廃道化しています。2021/09/07 追記

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5月末に昔の杣道の現況を確めようとしたのがきっかけでこの新道の存在を知った。少なくとも標高1,000m以下の尾根道の一部は36年前に辿った杣道そのものである。杣道は新道と分かれて尾根の内側(右)斜面をトラバースしていく。尾根上の分岐は不鮮明で、その存在を知る人しか判別できない。現況を見るべく少し進んでみた。終点の二俣同様、藪化している。

下る途中で一時サーッと雨が降ったが、バーベキュー広場近くの登山口に下山したころには止んでいた。

一旦川桁の実家に戻り、汚い衣服の洗濯を済ませてから、朝方見た不審車の処置を思案。事件性を否定できないのでとりあえず猪苗代警察署に電話連絡したところ、予想通り現場検証におつきあいすることに。左フロントが損傷していたから、車の主はどこかで事故を起こして逃げてきたようだ。ドアをロックせず車検証も残していたので、身元が割れるのは承知の上で、誰かに発見されるまで時間を稼ぎたかっただけなのかもしれない。猪苗代警察署の皆様、お疲れ様でした。

山野・史跡探訪の備忘録