房総丘陵ハイキングその3(保田駅〜日本寺〜鋸山〜砲台山入口〜浜金谷駅)

年月日: 2014年12月28日(日)

行程: 武蔵浦和駅(05:39)〜武蔵野線〜(06:35)南船橋駅(06:37)〜京葉線〜(06:56)蘇我駅(07:04)〜内房線〜(08:26)保田駅〜乾坤山・日本寺(時刻不明)〜鋸山(時刻不明)〜林道南房総金谷元名線(11:38)〜富津館山道路と国道127号の連絡道路(12:56)〜浜金谷港(時刻不明)〜(13:26)浜金谷駅(13:28)〜内房線〜(14:46)蘇我駅(14:50)〜京葉線〜(15:07)南船橋駅(15:20)〜武蔵野線〜(16:14)武蔵浦和駅

仕事納めの26日に飲み過ぎて27日は完全静養。地形図だけ眺めて房総半島で軽く且つ面白く歩けそうな場所を物色。自分の場合、予期せぬものとの出会いが一番の楽しみであるため、列車の時刻表を除いて、コース上に特に不安が無い限りできるだけ予備知識を仕入れずに行く。

保田駅の案内板を見て鋸山の登山道が関東ふれあいの道になっていることを知った。関東ふれあいの道は林道南房総金谷元名線側から稜線を辿って鋸山を経て浜金谷側(北側斜面)に下るコースで、保田側(南側斜面)にある日本寺を積極的に組み入れていないように見える(理由は後で判明。)。

駅前から要所に道標が現れ、地形図に記載の無い宅地・農地の中の細い舗装道を迷わず進んでいける。とても親切である。

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保田駅から日本寺に向かう途上


関東ふれあいの道と日本寺登山口方面の分岐に至った。本日は日本寺訪問を楽しみにしていたので、関東ふれあいの道と別れて日本寺の参道に入った。参道は広く立派な階段が整備されている。

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日本寺の参道


日本寺の仁王門の阿形・吽形は先日見た清澄山の阿形・吽形よりははるかに出来が良いが、金網に邪魔されてうまく撮影できない。せめてカメラレンズ通せるくらいのサイズの金網にすれば良いのに。

乾坤山・日本寺の山門
吽形


観音堂の前に来て、本日初めて人の気配を感じた。観音堂の隣の建物の中に人がいる。案内所ではなくて拝観料徴収する管理所であった。げっ!金取るのかよ。ここはテーマパークなのか?関東ふれあいの道に日本寺が組み込まれていないのは日本寺が拝観料を徴収するからかな?

¥600払って鋸山日本寺案内図をもらったのだが、いまひとつ現地の建物の配置と案内図が整合しない。開けた場所に至り前方の階段は立入禁止。その上の広場に大きな建物があるようだが、そんなものは案内図に記載されていない(後で入場券の裏を見たら日本寺仮本堂と書いてあった。現在は仮本堂を壊して本堂を再建中とのこと。)。現地に右方向を指して大仏まで3分と書かれているのだが、広場に通じるらしき右の道は立ち入り禁止。一方、麓から続く立派な石段は左に上がっていく。こちらも大仏口と書かれていて、何がなんだか判らない。とりあえず石段を登ってみた。

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羅漢そのT


通天窟を過ぎてさらに登るとだいぶ離れた位置に大仏が見える。このまま登っていったら大仏見ずに山に上がってしまうように思われた。急ぎ下り戻って、薬師本殿を経て大仏へ。

大仏
お願い地蔵


海岸線眺めながら朝食。この時点で案内図をしまいこんだ。

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日本寺から見た安房勝山方面


売店で両親向けに御守りを購入してひとまず日本寺訪問の目的は達成。売店の隣から上方に向かう階段の案内に千五百羅漢の名もあったので(あったように思う)、何の疑いも持たず階段を登って行った。途中から下っていく道沿いに見所があるようなので少し立ち寄り。

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羅漢そのU


百躰観音とあせかき不動まで行ったのだがその先に何もなさそうなので分岐に復帰して山上へ。このため、日本寺の一番の見所である千五百羅漢道の主要部分を見逃してしまった。日本寺の敷地の入口は全部で5か所もある。このうち、山頂にある西口管理所からの入場者数が最も多いのではないだろうか。鋸山ロープウェイで上がって来た客は山を下って大仏を見て再び山上に戻る。次に入場者数が多そうなのが大仏側にある東口管理所で、入場者はまず大仏を見てから山に登って再び下り戻る。ほぼ全ての客がぐるりと巡って戻ってくるので、敷地内の案内もそのようにできている。自分のような通り抜ける客向けにできていないのだ。¥600払って千五百羅漢道を通らなかった間抜けは俺だけじゃないのか。

山頂(鋸山山頂ではない。)一帯もまた日本寺の敷地内である。鋸山北側は房州石の石切り場跡で垂壁となっている。地獄のぞきはトロールの舌みたい。

地獄のぞき
金谷側下山口
百尺観音
北側から見上げる地獄のぞき


日本寺側と鋸山山頂側は分断されており、尾根通しで東進できない。一旦北側に下って石切り場を通って登り返す必要がある。

房州石採石場跡


鋸山の尾根に登り返して新展望台からの眺望を楽しみ、山頂を経て林道南房総金谷元名線(平成9年開通)に抜けた。眺めは申し分ないのだが、本日はあいにく雲が多くて空が明るく、且つ清澄度も低くて写真撮影には不向き。

登山道入り口のある峠には平成9年の林道開通記念碑が建つ。実際に歩いてみて、碑文にあるような林道建設の意義があるとはとても思えなかった。公共事業費獲得のための典型的なムダ事業である。沿線に植林は少なく照葉樹がうっそうとしている場所が多い。谷中から上がってくる作業道も存在しない。オフロードバイク愛好家が一番の利用者だ。

関東ふれあいの道は林道を右(南)に行く。尾根道を歩いて周回したいので反対の左(北)に向かい、浜金谷地区を囲む尾根を周回した。昼過ぎて南の空が曇り、北側から見る鋸山の眺めが冴えない。

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北側から見る鋸山尾根


林道直下まで谷奥部にスイセンが咲き乱れている場所があったが、下れそうな場所にある踏み跡入口には地権者の警告表示在り。

林道終点手前にある山上の広大な平坦地に興味があったのだが、入口の道路に「侵入したら警察に通報する」旨の警告表示在り。後で調べたところ、そこは砲台山と呼ばれ、戦争中に砲台が築かれたとのこと。1960年代に京成電鉄が砲台山ハイランドなるレジャー施設を開園したが、すぐに閉園となった。施設の建造物がそのまま残されているため、廃墟マニアに人気のスポットであるらしい。

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浜金谷トンネル


午後になって雲が広がり一時期太陽が隠されてしまっていたが、30分も経つと再び青空が戻ってきた。林道歩きが快適で時間が余ったので浜金谷港に立ち寄り東京湾フェリーを見てから浜金谷駅へ。予定していた便の一本前の便に間に合って待ち時間無しで順調に帰宅。

2014年最後の山歩き。予想よりも好い天気で、大変楽しく過ごせて内容の濃い5時間であった。

山野・史跡探訪の備忘録