奥武蔵ハイキングその19(武蔵嵐山駅 〜 大平山 〜 物見山-2 〜 遠ノ平山 〜 小川町駅)

年月日:2015年4月26日(日)

武蔵嵐山駅(11:01)〜大平山・山の神(11:45)〜物見山(13:15)〜寒沢山立ち寄り〜国道(14:00)〜山頂(14:25)〜小川町駅(15:50)

前週と全く同じ生活パターン。連休を控えているので特別どこかに行きたいとは思わない。せめて週に一度くらいは運動すべく、前週と同じ時刻の電車で再び小川町・嵐山町方面に向かった。今回は武蔵嵐山町から槻川左岸側の山を小川町方面に向けて縦走し、ついでに小川町の地酒を買うのが目的である。

武蔵嵐山駅から嵐山渓谷入口にまっすぐ向かう道路は存在しない。前週、嵐山渓谷から武蔵嵐山駅に向かう際、国道254号の嵐山渓谷入口の標示がある場所から武蔵嵐山駅まですんなりと行けなかった。街中に所々道標があるのだが、初めての人があの案内だけで間違いなく辿れるのだろうか?国道254号の嵐山渓谷入口はファミリーマートが目印。武蔵嵐山駅周辺の地図を持っていないので大平山らしき高みの方向に適当に向かって国道254号に出てみたら約500m離れていた。

気温高めで日差しが強烈。ちょっと歩いただけで発汗する。幸い、空気が乾燥しているので日陰に入ると涼しく快適。2週連続で来ると木々の葉の広がりや咲いている花の違いで季節の進行がよく判る。「風薫る」の表現が用いられる季節は初夏で、5月とセットで用いられることが多いが、この辺りでは今がまさに「風薫る」の表現がふさわしいように思う。

山道の上に苔が生えているので、嵐山渓谷入口から大平山に登る人は少ないのかもしれない。山頂に近づくと人の声が聞こえた。手前の山の神で休憩してから山頂方面に向かうと、東屋で休憩していた女性2名が山頂方向に向かっていくところだった。女が2人いるとやかましいものだな。市街地ならともかく、山で喧騒に遭うのはごめんだ。

大平山山頂からの眺めはまあまあ。現地説明板に拠るとこの山にも砦が築かれたことがあるらしい。

大平山山頂の説明板
大平山山頂の説明板


地形図に記載されていない西南西尾根の遊歩道を下った。西南西尾根はヤマツツジが満開。槻川沿いは藤の花が満開である。

大平山のヤマツツジ


槻川左岸の道路を歩いて県道(遠山道)に抜け、遠山地区を西南西に移動して遠山地区の背後にある尾根の末端に接近。歩道の類は存在しないので藪漕ぎ開始。所々結晶片岩が露出する明るい藪斜面を直登。北根方面から上がってくる破線路には出合わない。照葉樹林に入ると藪が消えて歩き易くなり、境界抗にピンクのテープを見かけるようになる。徐々に境界抗沿いにうっすらと踏み跡が視認できるようになる。再度倒木だらけのを藪を経て、ヒノキ植林の180m級ピークで休憩。

チゴユリの花は終わりかけ、フデリンドウがポツポツと咲いている。

フデリンドウ


始点がどこにあるのか判然としなかったが、180m級ピークより北側では遊歩道並みに明瞭な山道が続く。進行方向右側の遠山側斜面は自然林、比較的勾配が緩い左側斜面がヒノキ植林で、山道は一貫してその境界にある。眺望は全く期待できないけれども、喧騒から隔離された広い空間を自由に動き回れて満足。滅多に人が来ない場所らしくクモの巣だらけ。枯木の枝をクルクル回してクモの巣を払いながら進行。植林は良く手入れされていて、概ね明るく且つ下生えの雑木も無い。

尾根の雰囲気
南側(来た方向)を振り返るとこんな感じ。


祠の類があってもよさそうな感じだが、全く存在しない。220mピークで唯一の道案内らしきものを見た。この辺りも砦として用いられた過去があるらしく、名前は物見山。

物見山


自分が来た方向を示す寺山とはどこを意味するのだろうか?休憩した180m級ピーク?寒沢山とは西側にある現在地と同程度の標高の山のことか?

寒沢山らしきピークの少し先まで行って何も無いことを確認して折り返した。北根から上がってくる実線(作業用林道)の接続箇所を確認。

後日、比企郡・入間郡の城郭・史跡に詳しいブログ: 北武蔵御陣を発見。寒沢山と物見山の探訪記事があります

物見山から北東に向かい、遠ノ平山真南の国道254号カーブに降りるつもりである。歩き易い山道をしばらく快適に進んでから方位磁石を確認してびっくり。北に向かっているつもりが、進行方向が南を指している。所持している地形図の範囲にはそんな場所は存在しない。山道の分岐を見落として所持している地形図の範囲外に居ることは間違いない。今回は方位磁石を持ってきて正解だったな。数百m山道を戻り、北に下る尾根のやや薄い踏み跡を辿った。踏み跡は未舗装の林道に接続し、順調に予定の場所に抜けた。

遠ノ平山には、現在地右側に破線路、左側に実線路が記されているがそのような道の入口を識別できない。山の上に送電線鉄塔があるのだからどこかに管理道が存在するはず。国道沿いに小川町方面へ移動し、八坂神社の参道を登ってみた。結晶片岩が積み上げられた立派な階段が続く。

八坂神社の参道
八坂神社の参道


神社裏からうっすらとした踏み跡を辿ると唐子線43号鉄塔に至った。以降は明瞭な山道を辿って遠ノ平山到着。

ここも御嶽山信仰の山であった。山頂の碑は結晶片岩(青石)の大きな一枚岩で、明治15年の建立ではあるが刻字は明瞭である。

遠ノ平山山頂
遠ノ平山山頂の板碑


予想外に面白い所だった。帰りは道なりに下って、住宅地のお地蔵様と南無阿弥陀仏と彫られた石が建つ場所に出てくる。これでは登り口がどこにあるか判別できんわな。

ジシバリ
遠ノ平山登り口近くの斜面に咲いていたジシバリ


下山後、槻川沿いの道路を上流側に移動。槻川は兜川合流点から都畿川合流点まで約10qの流程で高度差が40mに満たず、滝もない。ほぼ全てがトロ場の連続でトロ場とトロ場の間にわずかに水流があるだけ。よって、近づいても川のせせらぎ音が聞こえない。一貫して川床に結晶片岩の岩盤が露出していることが最大の特徴である。浸食作用が働くのだから豪雨時にはゴンゴン水が流れるのだろうが、普段のゆったりした流れからは想像しにくい。

晴雲酒造に立ち寄り、親父へのみやげに粕取焼酎を購入して小川町駅に向かった。

前週と同じく16:22発の快速に乗車。後側の車両は寄居発4両編成の電車の乗客が乗り換えるので混む。機関銃のように一秒たりとも休みなくしゃべり続ける山ガール2人組がいてうるさくて参った。小川町駅で池袋行に乗るときは改札側の車両に乗るのが正解のようだ。

山野・史跡探訪の備忘録