奥武蔵ハイキングその23(鉢形駅 〜 釜伏山 〜 塞神峠 〜 風布 〜 寄居橋 〜 寄居駅)

年月日: 2016年11月20日(日)

行程: 東武東上線・鉢形駅(9:30頃) 〜 釜伏山参道 〜 標高250mで未舗装林道(途中から廃道)を辿り標高400mの十字路に抜ける 〜 釜伏峠 〜 登谷牧場跡地の太陽光パネル設置現場立ち寄り・軽食休憩 〜 釜伏山 〜 日本水 〜 塞神峠 〜 姥宮神社 〜 釜伏川(風布川)沿いの風のみち歩道 〜 寄居橋 〜 寄居駅(15:40頃)

今年も奥武蔵で紅葉見納め。

平日05:40 に起床しているのに、ハイキングはどうも気が乗らなくて二度寝して明るくなってから出発。出遅れ感があるも、当日は電車のダイヤが乱れる程の濃い霧が関東平野で発生しており、鉢形駅に着いた頃にちょうど霧が消えて雰囲気が良くなった。

鉢形駅から鉢形城に向けてすこし進んだところにあるファミリーマートでおにぎり2つとお茶1本とノンアルコールビール1缶を購入(ここに寄ったのは正解。この後、コース上にはコンビニが無い。)。

先週の武蔵野線沿いの散策でも感じたことだが、皇帝ダリアを植えている民家が目立つ。皇帝ダリアは晩秋から初冬にかけて開花する。寒さに強くて地植えで冬を越せる。丈は優に3mを越える。花も野性味がある(原種だから当然だけどね。)。自分が皇帝ダリアを知ったのはつい6年前のことだが、いまや人気は菊をしのぐ。

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予定では大宝から先年秋に下った尾根を登って寄居町・皆野町・東秩父村の三方境界ピークをかすめて釜伏峠に抜けるつもりであった。大宝方面に向けて県道を歩いて行くと、バーンという銃声が響いた。おお!くわばらくわばら。もう藪歩く季節ではないわな。安全優先で釜伏山参道(秩父七峰縦走コース)に入った。

スリットダム
       


金属の無駄遣いのようなスリットダムを左に見やって中間平方面に登っていくと上方の植林の中に石垣のようなものが見えてくる。

舗装道路から延びる未舗装の林道は地形図の実線の道に相当するらしい。これをしばらく辿ると廃道となった。放棄されてから久しいようで朽ちた樹木や枝が横たわる。最近人が訪れた形跡無し。


深く抉れており、風化した片岩を掘削したような場所もあるので、これが本来の参道であったのかもしれぬ。動物の気配はなくハンターの心配もない。美しい紅葉は皆無だが晩秋の雑木林の雰囲気が良い。廃道は地形図記載通り舗装路の十字路に抜けた。中間平をパスして近道することができた。

ここから445.5m三角点を経て当初予定していた尾根に入ることは可能なのだが、ハンターがいる可能性大なので自重。釜伏峠に向けて舗装道を歩いていく。峠までに遇ったハイカーは下ってきた不愛想な一組の夫婦のみ。

今年の奥武蔵は朝晩の冷え込みが足りなかったためなのか、美しく紅葉している樹木が少ない。総じて色褪せた感じ。一部だけ切り取ればなんとか下の写真のように見える。

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最良の時期に来たはずなのに釜伏峠の紅葉も期待外れ。来年以降も来る理由ができたな。

釜伏山に向かう前に、馴染みの梨の木を見に南側に立ち寄り。行き止まりのはずの緩い勾配の舗装路を歩いていくと、なにやら工事の音が聞こえる。なんと、荒れ放題だった登谷牧場の敷地の樹木が全て伐採されて太陽光パネルの設置作業が行われていた。

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ここに限ったことではないが、樹木伐採して設置した太陽光パネルから得られたエネルギーは環境に配慮したと言えるのか?南向きの斜面でパネルを傾けなくても発電効率よさげだが、どの山でもこんなこと始めたら国土の保全上問題がある。どういう許認可制度になっているのだろうか。

ちょうど正午の音色が響いてきたので林の中で軽食休憩。思い入れのあった梨の木は去年見たのが最後の姿となってしまったな。せめて俺が生きている間は記憶に留めてあげるよ。合掌。

天気は悪くないのに釜伏山は無人。山頂西側で梢越しに両神山と二子山が見える。日本水方面へ下る途上で右手に見える釜伏の里山の光景が良い。北側には小林山とさらに遠方に赤城山が望める。群馬の平地では靄っているらしく、山々が雲の上に浮かぶように見えた。

釜伏
小林山と赤城山


釜伏山は風化しにくい蛇紋岩から成る山体であり、岩ゴツゴツで落ち葉で滑る。滑ったら尾てい骨や頭打って大怪我しそう。

北側の肩まで下りると日本水方面は立ち入り禁止との表示があった。その割には直進しろという指示は無い。釜

山神社から此処まで日本水に行けないというお知らせは全くなかった。日本水に行く道が地形図の破線路であると思い込んでいたもので、表示を無視して日本水へ。

蛇紋岩絶壁下から湧き出る水が日本水なのであった。

日本水
       


歩道はなおも先に続く。向こう側から現れたハイカーに挨拶したついでにそのまま進んでしまった。道は谷を下らずに植林斜面を登っていく。進路選択を誤ったことには気づいたがやり直すのが嫌いな性分。行く先を見極めてやらんとそのまま進む。辿りついた先はなんと釜伏峠から塞神峠に向かう車道である。最初にこの道を北上したときに車道東側にある駐車場と東屋が何のためにあるのか不思議に思ったものだが、今頃になってようやく理解した。日本水に至るお手軽コースの入り口なのだな。

道間違えたおかげで車道から樹木に邪魔されることなく秩父や上州の山々を遠望。

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御荷鉾山と雨降山


塞神峠から適度にショートカットしながら車道を歩いて風布へ(「ふうっぷ」と読むのが正解なのかな?)。道路傍らに植栽されたイロハモミジは近くで見ると今一つの感が否めないが、日光に映えるときれいだ。

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車道沿いに水汲み場があって、車で来て何個もポリタンク並べて水を汲んでいる人が数名いた。大量に水汲んで何の意味があるのだろうか。自宅に水道ないのか?俺には一種の宗教の如く見える。日本水と表示されていたが、まさか釜伏山からホースで引いているのではあるまい。この辺り、湧水はみな日本水と称しているのではないのか。

姥宮神社が良いアクセントになっている。狛犬でも狛狼でもない。

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狛犬ならぬ狛蛙


犬はおらんのかと思ったら社の彫り物になっていた。
胎内潜り
          


姥宮神社を後にしてすぐに 釜伏川(風布川)沿いの風のみち歩道に入る。車を気にせず歩けるのが良い。尾根上に較べて冷え込みの強い谷の紅葉の色付きが良い。

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アップダウンが多くて良い汗をかいた。川沿いを歩いていて時折光景がもんやりとして自分の眼がおかしいのかと思った。谷底の湿度が高いがために靄っているようだ。風のみち歩道を歩き終えた頃には奥武蔵の山々が靄に飲み込まれてしまった。もう一つ試してみたいことがあったのだが、靄ってしまったので次回にお預け。

寄居橋を渡れば波久礼駅まであと少し。でも、寄居駅まで一区間だけ秩父鉄道に乗るのは間が抜けている。コンビニにも寄りたい。てな訳で、危険な国道を離れて、秩父鉄道北側を付かず離れず並走する車道を歩き、陸橋下を潜って寄居駅に向かう。寄居駅近くにあるコンビニでアイス最中を食べてリフレッシュ。駅のトイレで着替えして東武東上線と武蔵野線利用で帰宅。

これで2016年の山歩きはおしまい。年末年始に天気が好ければ南房総にでかけるかも。

山野・史跡探訪の備忘録