年月日: 2021年12月19日(日)
行程: 加波山神社駐車場出発(07:48)~ 大塚真壁線(県道218号線)出合・標高約250m(08:26) ~ 一本杉峠(時刻不明) ~ 足尾山(09:28-09:48) ~ 石岡市側の標高540m~400mの間で迷走(30分位?) ~ 未舗装林道出合(11:10) ~ ヘアピンカーブから尾根上の山道に移動 ~ 一本杉峠に復帰(12:04) ~ 林道丸山線 【36.301569N,140.147500E】~ 加波山神社(13:07) ~ 燕山(13:24) ~ 東飯田林道支線出合【36.309592N,140.136538E】(13:40) ~ 本宮道交差点【36.297392N,140.142159E】(14:20) ~ 加波山神社駐車場(15:12)
冬場の運動不足解消その2。現住所から最も近い山歩きできる場所は栃木県南部であるのだが、自宅から間近に(在るように)見える筑波山の方にどうしても関心が向く。2週間前とほぼ同じ山域の未訪の場所を歩いてみる。
加波山神社の駐車場を起点として未訪のルートを繋いで周回する案を検討しているうちに、一旦白井地区に下らずとも、一本杉峠に至る大塚真壁線(県道218号線)にアクセスできそうであることに気付いた。ちょっと検索してみて、加波山からの下山ルートとして利用した人がいることも判った。一本杉峠の桜川市側が車通行不可能らしきことは2週間前に麓と峠で見た現地の表示で承知済み。徒歩で通行可能であることさえ判ればそれで十分。往路で使用することに決定。先行者の少ない時間帯に峠から北筑波稜線を南下して足尾山に至り、一旦石岡市側に下って一本杉峠に登り返す。2週間前のルートと被らないように、林道丸山線から昔の参道を辿って加波山神社に上がり、燕山から西側山腹を走る林道に降りて林道を南下し、8年振りに本宮道を下る。
加波山神社の無料駐車場から車道を上るのは初めて。この冬一番の冷え込みのため、本宮道入り口手前の舗装路二俣まで標高差約100mを一気に歩いてもまだ体が温まらない。右手の舗装路を進んで最初の採石場跡入り口に至った頃にようやく汗ばみセーターを脱いだ。
この道は主に花崗岩採石場へのアクセスに建設された道路であり、沿線に現役もしくは近年まで使われていた採石場が幾つかある。地形図上には加波山西側斜面に抉られた地形の場所が多数存在するが、その大部分は既に採石を終えた跡地である。高い所の採石場跡はだいぶ古いものらしく、グーグルの航空写真では雑木の斜面のようにしか見えないが、商品価値が無かった石がまとめ置かれている場所が幾つか確認できる。
大塚真壁線(県道218号線)に向けて下る未舗装林道はやや荒れている。と思ったら、大塚真壁線はそれどころか、もはや道の体を成していない。接続点の下方(白井地区に向かう方)は川同然。
峠に向かう方は石がゴロゴロしてはいるが、最低地上高の高い車なら途中まではなんとか走行可能。最近車が走行した跡があった。各支沢沿いに小規模な植林があって、その関係者が利用しているのか、それともオフロードマニアが入り込むのか不明。こんな所で故障したらJAFは来てくれないだろうな。
大塚真壁線(県道218号線)は途中からもはや道路とは呼べない状態となる。沢沿いに設けられた林道は何度か本流・支流を跨ぐ。普通の林道であれば橋を架けるような場所に土管を通しただけの粗悪な造りのため、出水時に流木で土管が詰まってしまう。一旦詰まると以降は道路が川と化し、路面が浸食されて、風化した脆い花崗岩の岩盤がむき出しとなっている。建設してから一度も補修したことがないのではないか。左岸側支流の土管に詰まっていた木の枝を抜いて本来の流れに戻した。
元々植林関係者以外に利用者がいない道路だ。収穫作業が行われない限り、通行不能でも誰も困らない。県道の廃止には県議会の議決が必要だそうだ。廃止の手続きをしていないということは、将来も林業を続けていく可能性を残しておくためにそのままにしているものだろう。収穫作業を行う場合は補修して復旧させるのであろうが、大規模な植林地ではないから採算とれないのではないか?
こういった場所を好んでバイクで突破する奴がいる。若い時似たことをしていたのでその趣味が判らんでもないし、道路走る分には何があっても自己責任で済む話。しかし、道路沿いに通過できないからといって強引に山林内に轍を作って荒らしてしまうのは犯罪行為である。立ち入り禁止と表示してある場所もあるが、ゲートの一つすら存在しないのは茨城県道路行政の怠慢だろう。
一本杉峠に至る前に林道北筑波稜線を一本杉峠方面に移動する人が見えたが、峠にその姿はなかった。一本杉峠から山道を辿って足尾神社奥宮に向かう。冷え込みで発達した霜柱に先行者の足跡無し。ここまで誰にも遇わずに来てしまった。誰もいない足尾山は4度目の訪問にして初めて。筑波山の右側に富士山が浮かぶ光景を見たのも初めてだ(たぶん。)。
時間帯が早くてまだパラグライダーの客が上がってきていないのか、それとも上昇気流が不足しているのか、現在地より低い高度を舞うパラグライダーを一つ見たのみ。
山頂から石岡市側の斜面、特に尾根筋はスズタケ藪が濃いが、登山道傍らのスズタケが刈り払われていて歩きやすい。標高590m辺りで本日最初のハイカー(男女3人組)と出遇った。道が整備されているようだし、実際に登ってくる人もいるので慢心し、まめに現在位置を確認することなく高度を下げていった。
高度430mまで2つの破線路の分岐らしきものを見かけなかった。現役の道は一本しかないことになる。足尾山頂で高度計を較正しておかなかったから高度が信頼できないし、地形図の破線路の記載も怪しい。この時点で地形図上の現在位置を特定できなくなった。石岡側の登山路事情を全く知らない。進路の方位が東を向いているので、小屋地区に向けて下っているのかもしれないと思った。もしそうなら龍明方面に下るには廃道化した道を探し出す必要がある。素直にスマホで現在位置を見れば簡単に問題解決するのであるが、それでは山歩きの面白みが失われる。いつもの迷走モードに突入。廃れた道の有無を確かめるべく、最初は450mからから尾根筋を真っすぐ下ってみた。道跡すらなく谷に下ってしまうのでスズタケ藪を漕いで登山道に復帰。2度目は540mから尾根筋を下ってみたが、こちらも最初の尾根と同様に尾根筋に道が無い。尾根を回り込む古い山道と交差した先で谷に下ってしまうので、古い山道を辿ってまたまた登山道に復帰。谷の反対側の尾根が見えているのだから龍明に下る道を辿っていると確信して道なりに下った(後日、ブログ『登山・花日記(Ⅱ)』の2つの記録:「石岡市龍明から足尾山(2019年01月30日)」と「石岡市上曽から足尾山~猿壁山周回(2016年02月11日)」の記録を見てようやく自分が迷走した道筋を特定。標高440m~400m間の道筋が地形図記載と異なっていると思われる。430mピークに向かう破線路の分岐はスズタケ藪になっているそうだ。)
龍明に下る道は勾配の緩い尾根上に在り楽に下れそうに思えたのであるが、こちらもバイク走行のせいで山道の中央が深く抉られてとても歩きにくい。
未舗装の林道に抜けた。林道は地形図記載通りに北側の谷に回り込んでいく。左岸側に回り込んでヘアピンカーブに至る。地形図記載ではここで破線路が接続するはずであるが、そんなものは見当たらない。薄い踏み跡を追って尾根に上がってみると古い山道に出合う。またまた地形図記載と合わないが、これが一本杉峠に至る古の道筋であろう。標高280mで尾根道と分かれて植林斜面内の水平道に入る。アオキ等の枝が張り出しているものの進行を妨げるようなものは一切なく歩きやすい道だ。沢筋に至り、沢左岸側の尾根上に向けて斜めに登って、スイッチバックみたいに下流側に少し移動すると尾根道に接続する。
ここまで辿ってきた道に荒れは一切無かったが、尾根道はバイク走行により中央に深い溝ができている。接続点の東側も深く抉れているということは、地形図記載の無い道がどこかで車道に接続しているのだろう(前記ブログのルート図に拠れば県道218号線に抜ける道があるらしい。)一旦抉れると降雨時の流路となってさらに深くなる。酷いものだ。
標高400m前後に勾配のきつい場所があり、表土や岩盤が剥き出しで壁のように見える。バイク走行は不可能に思えるが、霜が解けた場所に真新しいタイヤ痕があった。水平道を移動中に聞こえたオフロードバイクの音の主はコイツだったのか。
一本杉峠から林道丸山線を歩いて北上。ウィンド・パワーつくば風力発電所の入り口近くの藪化した四阿に立ち寄り。
記念碑の裏から林道丸山線に復帰。この近くに加波山東側で唯一の花崗岩採石場がある。現在も使われているようであるが入り口が閉鎖されている。加波山東側の林道丸山線を歩く理由は3つ。1つめはグーグルマップで林道丸山線傍らに記載されている足尾神社がいかなるものか確認すること。花崗岩採石場の近くに在り、境内にある建物は社務所ではなくて事業所の資材小屋だ。この神社は(株)石原石材が安全を祈願して足尾神社を勘請して建立したものである。
林道丸山線を歩く2つめの理由は加波山中腹から東側を俯瞰すること。加波山は周囲に遮るものがないのに眺望に乏しい山。採石場に立ち入りできないので、東側の眺望を得られる場所は林道・丸山線に限られる。林道を歩いていけばよい眺めに出逢えるかなと思ったのだが、撮影によさげな場所は一か所のみ(2014年夏に車で来た時に撮影した場所と完全に同一。樹木が成長して7年半前よりも眺めが悪くなった。)
林道丸山線を歩く3つめの理由は、破線路経由で加波山神社に直行すること。古い参道は何か所か道標があるものの、踏み跡薄く数か所で倒木に遮られる。植林地内なので藪化はしていない。
加波山神社の鳥居に到着時、ハイカーの姿無し。車道を歩いて6年ぶりに燕山に向かう。燕山の稜線は勾配緩やかで林床はミヤコザサだが、道路沿いにアズマネザサも見かける。電波中継施設と四阿があったことは覚えているが、燕山最高点の記憶無し。過去2回は岩瀬駅目指していて時間的余裕がなかった。
軽食休憩後に破線路表示の薄い踏み跡を辿って下山開始。下り始めはスズタケ藪の中を進むが、基本的に藪の無い尾根道である。230m下って東飯田林道支線(昭和61年に建設された笠間営林署管轄の未舗装林道)に降り立つ。降り立った場所に登山道の案内表示はなかった。林道歩いてきたらうっかり見過ごしそう。燕山の車道から下ってくる破線路と思しき山道はバイク走行で抉れていた。入り口にバイク走行禁止の表示あり。
この林道はダラダラと高度を上げながら加波山の南側まで延びている。加波山神社本宮道との交差点まで約150mの登り。利用価値なさそうだが荒れているところは皆無。
本宮道は概ね歩きやすいが、此処もバイク走行した罰当たりなやつがいるらしく、ところどころ溝が落ち葉に埋もれていて気が抜けない。
低山帯であっても、一本杉峠を接点とした2つのループの標高総和は1,300mを超える。迷走分を加えると1,450m程度。気温が低くて発汗が抑えられてよい運動になった。