年月日: 2022年12月3日(日)
行程: 小田城跡歴史ひろば案内所(13:00) ~ 小田城跡ブラブラ ~ 市営平沢駐車場(14:00) ~ (県道138号・石岡つくば線) ~ 不動峠(14:50) ~ (県道236号・表筑波スカイライン) ~ 宝篋山(15:32-?) ~ (小田城コース)~ 小田城跡歴史ひろば案内所に帰着(16:44)
これまで宝篋山を山歩きの対象として考えたことがなかった。地理的にも規模的にも家族向けハイキング向けで人が多そうだし、表筑波スカイラインの存在が山の価値を毀損してしまっているからである。近場で軽く運動するには良さげな場所なので地形図でルートを検討しているうちに小田城跡の存在を知った。俄然、興味が湧く。近くには平沢官衙(かんがい)遺跡なんてものもある。遺跡巡りとハイキングを組み合わせた周回ルートが半自動的に決まった。
出発が遅く、しかも前日準備した食料を家に置いてきたことに気付いて途中で買い物に寄ったこともあって、現地到着は13時近く。急ぎ腹ごしらえして、まず小田城跡を見学。かつて小田城跡のど真ん中を関東鉄道筑波線がぶち抜いていたらしいのだが、廃線跡を利用したりんりんロードはここだけ迂回している。
小田城跡から小田城跡歴史ひろば案内所に戻る途中、タヌキがうろついていた。野良犬がいなければ当たり前のことかもしれないな。車に戻って、靴を履き替えて周回に出発。今の時間帯、表側の登山道は大勢のハイカーが下山中であろうから、石岡つくば線を登って裏側の不動峠から宝篋山を目指す。市道を歩いて平沢官衙遺跡方面に向かった。
曇り空で日射に晒されず、ひんやりしていて道路歩きには向いている。不動峠方面がやたら遠くに見える。日没前に山を下れるかどうかぎりぎりの時間だ。平沢官衙遺跡には立ち寄らずにひたすら石岡つくば線を歩く。
石岡つくば線はいったい何を目的として建設したものか。現在、交通需要があるとは思えないし、昔の道筋でもない。一定の緩い勾配が続くので有酸素運動には向いている。利用客は主にサイクリング族である。人気のヒルクライムコースらしい。期待した通り、歩いて下ってくるハイカーはいなかった。静かで眺めも良くて満足。
小田城跡からノンストップで歩いて、目安としていた15時に10分の余裕を残して不動峠到着。急いでいて案内があったのか不明だが、途中にお不動様があるそうで、これが峠の名前の由来と思われる。地形図には破線路の記載が無いので、おそらく昔は峠を跨ぐ人の往来はなかったのではなかろうか。
連絡車道を上って表筑波スカイラインに入った。不動橋には歩行者用のスペースが無く、しかも上下車線の間にポールが立っていて車は歩行者を避けることができない。歩行者はいないことを前提としたお粗末な設計だ。たまたま車の通行しない瞬間に通り抜けることができたが、運悪ければ轢かれるかもしれない。こんな場所通らなくて済むように遊歩道があるとよいのだが、不動峠からつくば中継所に向かう遊歩道は存在しない。ハイカーに対する配慮が全く無いのだ。地形図の破線路入り口辺りに車を停めるスペースがあったが、登山道の案内は見なかった。時間が押しているので冒険はせずに確実に車道を進む。
表筑波スカイラインは風返峠と朝日峠の間は駐車地もなくただ稜線部を通るだけで眺めも良くない。茨城県が何を考えてこんなアホな道路を建設したのか全く理解できない。中継所建設するのが目的なら整備して一般供用する必要はなかったはず。飛ばし屋が多くて何度かヒヤリとする場面があった。
表筑波スカイラインから宝篋山方面に分岐する未舗装車道は関係者以外立ち入り禁止。表筑波の稜線を歩くハイカーなどいないと決めつけている。ここを通らないと帰れないので、無視。地形図には未舗装車道起点からつくば中継所に向かう破線路が示されているが、それらしき現役の道は存在しないように見えた。
路面の轍を見る限り、関係車両が頻繁に通行しているようだ。一人だけ反対方向から歩いてくるハイカーらしき男性と遇った。
途中で山口方面からの登山道が接続する。古びてはいるが道標があるのだからこの道を歩いても咎められることはないということだ。少し林道を進んでから案内に従ってちょっと山道を登って山頂に到着。
日没まであと1時間という時間帯でもまだ3名の単独行者が残っていた。北側を覗いて周囲に遮るものがなく、眺めは秀逸。軽食休憩含めて15分程度滞在。
筑波山を眺めてから下山開始。
下りは人気のコースであるから地形図見る必要なく道なりに下れる。小田城跡から見た時は30分もあれば余裕で下山できそうに思えたのであるが、なかなか麓に近づかない。標高140mの分岐から先は勾配が緩くなり高度が落ちない。さらに、その先は平坦な尾根道が1㎞以上も続いて下っていく気配がない。真っ暗になる前に下山できるのかすこし不安になったが、前方に先行者の姿が見えて道を誤っていないと確信。山の中で人の姿を見て安堵したのは初めて。
尾根道の区間は広葉樹が多くて、時間に余裕があれば雰囲気よさそう。要害展望台まで来ると視界が開けて明るく気持ちに余裕が生まれる。この後に控える急な下りで久々に軽く腸脛靭帯炎の兆しがあった。大師堂には立ち寄らず直進して国道125号に出たため、正規の登山道入り口は未訪問。
主要コースを中途半端に下っただけであったが、人気の山であるというのが頷ける。周囲に史跡が多いので、また訪ねてみたい。