権現沢(尚仁沢)から剣ヶ峰へ(2007年9月)

年月日:    2007年9月17日(月、敬老の日)

行程:    林道守子線・権現沢入口(05:34)〜第一二股(06:09)〜第二二股(09:17)〜LR-3(10:34)〜釣り終了・遡行に専念(12:27)〜第三二股・LRR-1(12:45)〜登山道出合(13:35)〜剣ヶ峰(13:55)〜八海山神社(14:16)〜旧道に入る(15:02)〜42陸軍用地跡(15:28)〜尚仁沢林道に降下(15:45)〜車に帰着(16:01)

9月はまだ暑く、例年ならば那珂川に浸かってアユ釣りして涼むのが常だが、台風の影響で最低でもあと1週間は釣りにならない。他のこと計画しようとするも、何も思いつかない。9月は花が少なく木々の葉もだいぶくたびれてきてパッとしない季節だ。おまけにこの3連休は暑いうえに曇りがちの予報で、山に行っても眺めが期待できず大汗をかくだけになりそう。

3連休の初日(土曜日)は連日の睡眠不足の解消に費やし一歩も外に出ず庭の手入れをして終わり。茨城の海の波が低そうなので数年振りに防波堤釣りに出かけようといそいそ準備をしていたら、午後になって予報が変わり波2mでうねりを伴なうとのこと。これでは釣りにならないのでまたしても計画が頓挫。

せめて1日はでかけて体を動かしたい。日曜日は天気が良さそうなので、ある場所の地形図を準備したのであるが、よく考えたら台風の影響で車が通れない場所でこれもダメ。よって2日目もでかけず、午後3時過ぎに気温30度の中ジョギングして汗を流す。帰ってきて天気予報を見ると、なんと当初の予報とは異なり3日目は良い天気になりそうとのこと。ジョギングで疲労した足で暑い中ハードな山歩きは無理である。沢なら涼しそうだ。今年はイワナにお目にかかっていないし、9月20日から渓魚が禁漁となるため、3連休最終日は今年最初で最後の源流釣りに行くことにし、2年ぶりでフライ針を巻いた。

行く先は権現沢。週末は早朝から釣り客が入っていることが多いため、近年は釣りシーズンに入り込んだことはない。自分にしてはめずらしく4時に起床して現地に向かう。ちょっと出かけるのが遅いような気がしたが、幸い一番乗りできたので余裕で準備を済まし明るくなるのを待つ。周囲にはガスがかかっているが問題あるまい。沢を詰めて登山道を歩いて戻るか、それとも沢を戻ってくるかは条件次第。

歩き始めてすぐにオフロード車がやってきた。家を出るのが20分遅かったら今日も何もせずに終わっていたであろう。最終堰堤から踏み跡を辿って第一二股で入渓。台風による降雨でかなりの高みまで水流があったようだ。底石がざらざらして滑らない。この辺りのイワナも被害を受けたことであろう。水流の本筋にはイワナの姿はなく、分流のプールで一匹見たのみ。ドライフライに興味を示したが食いつきには至らず。

沢底の大岩やゴルジュ部の側壁にへばりつくダイモンジソウの白い花が目立つ。

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09:07
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09:08


滝2つを巻いて第二二股に至る。側壁から垂れ下がるトリカブトがきれいだ。

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第二の二股    9:17
左俣は狭く水量も少ない。遡行対象は本流である右俣。


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トリカブト   09:20


晴れ上がって沢奥上空は晴天。後方の南側もガスが消えて太陽が覗いた。日光に照らされて水流も美しく見える。泳いでしまいたい気分。

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09:25
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09:30


右俣に入ってやや渓相がおとなしくなった場所で最初の食いつきがあった。ちょっと慌てて踏みつけたフライラインを払っている間に針外れ。惜しい。

日照があるので両岸から落ちる滝が美しい。白糸の滝の横にもトリカブトが垂れている。

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白糸の滝   10:07
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トリカブト   10:09


イワナとご対面できぬまま権現沢最大の滝(LR-3)まで来てしまった。竿をしまって左岸から高巻き。今回はその奥のLR-4も併せて巻いてしまう。

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権現沢最大の滝(LR-3)   10:34


上流に行けば行くほど台風の被害が少なく沢に元気がある。せっかく来たので釣りを再開。明るいのでイワナの動きが見やすく、フライに食いついたのを見ながらあわせて最初の一匹とご対面。

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権現沢のニッコウイワナ   11:32
腹の黄色と腹ヒレ・尻ヒレの白い縁取りが鮮やかなイワナだった。


この後、チャンスは何度かあったが食いつきがあったのはチビ1匹のみ。

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12:15


太陽が翳ってきたようなので後ろを振り向くと、山全体がガスに覆われつつあった。谷奥部にはまだ青空が覗いているので、このまま沢を詰めてしまうことにする。今回は第三二股の右俣を選択。入口のLRR-1を右から巻いてしまえばその先に滝はない。

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LRR-1    12:45


慎重に地形図を見て次の分岐で水量が少ない右俣を選択。

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13:05


剣ヶ峰の西側の1,540mピークのさらに西側の鞍部に抜ける目論見だが、詰めの部分はやや複雑で地形図のどの辺りに居るのか見当がつかない。詰めの斜面が急峻なのを見て中間の尾根に取り付いた。ガスがかかっていて周囲が全く見えない。100m未満の登りで大間々から来る登山道に抜けるはず。

尾根に出る寸前で詰めの裸になった斜面にヤマハハコの群落を見る。傾斜が緩くなってほんの少し笹原を進むとスッカン沢と権現沢を分ける薄っぺらな尾根の登山道に出た。場所は想定していた場所より若干西側であった。

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13:32
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13:39


権現沢からスッカン沢側にガスが勢いよく流れていく。景色が全く見えない反面、ガスが強い日射を遮ってくれて涼しい風に吹かれ快適に歩ける。剣ヶ峰に立ち寄り、軽食休憩。矢板市最高点に向かう途中で、登山道の泥土にMTBのタイヤ痕があった。こんなところまでMTB担いでくるとはあきれたもんだ(どうやらこのページhttp://mtb.life.coocan.jp/mtb/course/nasu/shakagatake.htmlの方達だったようだ。大間々コースをMTB担いで釈迦ヶ岳に登り、前山方面に下ったらしい。)。八海山神社もガスの中。ここは風が強く吹くことが多い。特異な景観を呈しているから珍しい植物でもあるかと期待していたのだが、何も無い。

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14:16


見晴らしコースを下って途中からミツモチ山方面への近道を辿る。歩く人は少なそうだが、踏み跡は判別可能。

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青空コースに合流    14:41
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14:50


ミツモチ山の0.4km手前にある道標から南に笹薮を突っ切って地形図にある破線路を下る。廃道でほとんど識別できない状態だが、過去に2回歩いているので問題なくヒノキ植林下部の土塁まで降下。そこから1,001mポイントに向けてわずかに登って5年振りに42陸軍用地跡に至る。

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破線路入口    15:02
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42陸軍用地跡    15:28


うっすらとした廃道の窪みを南に辿る。鳥獣保護区標識のある場所から昔の作業道を辿ってやや急な勾配を下リ終えると、ミヤコザサの林床で道が不鮮明になる。適当に笹藪を歩いて尚仁沢林道を視認できる場所から林道に向けて降下。林道横の湧水地でたらふく水を飲み顔を洗ってリフレッシュしてから車に帰着。誰に遇うこともない静かな一日だった。

関連記録

高原山・権現沢滝巡りと紅葉狩り(2006年10月)

山野・史跡探訪の備忘録